人のために

あ日経新聞の夕刊に鈴木啓太の記事が掲載された。
「駆ける魂」というコーナー記事がそれで、
スポーツ選手と、その選手にまつわる「生き様」などを紹介しているが、
啓太の記事は、３月２６日から３日間連載された。

記事によると、啓太は、「人のために」が生きがいだという。

啓太は、とくに足が速いわけでもなく、体が強いわけでもない。
まわりは能力の高い選手ばかりの中、自分が並みの選手だと悟ったとき、
どうやって生き残ってレギュラーの地位を勝ち取っていけるかを考えたという。

そこで出た答えが「人のために走る」ということだったそうだ。

能力のある選手にチカラを出してもらうためのサポート役に徹し、
ピッチ上ではいち早く危機を察知して穴を埋め、
攻守のバランスをとり、ボールを奪っていく。

「人のために」
この答えを見つけたのが、中学生のとき。
以降、啓太は、ピッチ上でバランスをとり続ける。

アテネ五輪では、主将としてチームを引っ張り、
厳しい予選を勝ち抜いた。
しかし、肝心のアテネ行きの代表最終選出からは漏れた。

だが、啓太は、苦しい思いをして予選を突破したことで、
「充実感があった」という。
そして、大事なのは、「目標に向かって懸命になること」と悟ったそうだ。
「計画通りに行かなくても落ち込むことは無い」
「目標に向かって懸命に挑むことで、心の中に何か財産は残る」と。


「人のために」という考え方は、自分にも出来そうだ。
人を押しのけて前に出て行くことが苦手な自分の性格にも
当てはまるような気がする。
しかし、歳を刻むと「懸命になる」気持ちを続けることが、
なかなか難しくなってくる。
結果が見えてくると手を抜いてしまうズルさが顔を出してしまう。
ここが、凡人に終わる人間と、プロになる人間との違うところかな。

まあ、凡人でも、レッズのスタジアムでは
至福のひとときを平等に共有できますからね。