鞆の浦の町中からちょっと外れ、急坂に息を切らせながら歩いて医王寺へ向かいました。
ここからは鞆の浦の町並みが一望できます。
ところがこの日は、あいにく時折雨が落ちる天気。
四国まではとても望めませんでしたが、
港から出る船の航跡と悠々と広がる海に思いっきり癒されました。
晴れた日の景色は、さぞかし晴らしいことでしょう。
医王寺を降りて、寺社をめぐりながら町の奥に立つ「沼名前神社」へ向かいました。
「沼名前」と書いて「ぬなくま」と呼ふそうですが、
ここはなんと、京都八坂神社の本社にあたるという、とても歴史のあるお寺でした。
能舞台では、開催中の「町並ひな祭り」のイベントの一つ、
「大正ロマン 鞆の女人絵姿」を上演中でした。
大正時代の衣装に着飾った出演者たちが、琴や尺八、大正時代の歌謡曲などをバックに登場。
舞台上を優雅に行き来して、祭りを華やかに彩っていました。
小一時間の公演の間、我らも見とれて最後まで見てしまいましたよ。
資料館を経て「対潮楼」へ。
ここは江戸時代、朝鮮通信使をもてなす迎賓館として使用されたとのことで、
座敷からは、見る景色はまるで絵葉書のよう。
素人がシャッターを押しても、なかなかうまい構図に仕上げて写せるようでしたよ。
鞆の浦、半日で切り上げるつもりが、街歩きが楽しくて、
すっかり夕暮れも近くなってしまいました。
あわてて、しまなみ海道へ急ぎました。
橋にさしかかる頃には、日の入りの時刻。
ちょうど橋を渡っている最中に島々の奥に沈む夕日を眺めることが出来ました。
全橋制覇を目指して出発した朝の意気込みはどこかへ。
二つ目の橋、因島大橋を渡ったところで因島に降り立ちました。
目指すところは、大橋のたもとの公園。
しかしながら、すでにあたりは薄暗く、観光客など誰もいやしません。
見上げる橋は雄大でした。
道すがら、スーパーに立ち寄り。
なにか、地元特産の珍しいものが見られるのではとの算段です。
安い、安い、
魚が安い。刺身が安い。
サヨリやトビウオが店頭に並んでいることにも驚かされました。
みかん類に至っては、初めて聞く名前のみかんの品種ばかり。
しかも、一袋に大玉が6~7個入っていて、値段は198円。
驚くばかりの安さです。
あたりはもう真っ暗。
急いで、広島の宿へ戻りました。
あ~ぁ、広島戦、勝ちたかったなぁー。