犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

犬の賢さ。

2015年03月11日 | おせわがかり日誌


穴澤さんの「犬のはなし」を読んでいて、ああ、そう、そうなのよ。

と何度も頷いていた。



最近とみにオレコが人の話をとてもよくわかるようになってきていて、

ちょうど「犬のはなし」にある大吉君みたいな状態になっている。

年齢も同じくらいだし。


わたしは犬でも猫でも人間でも、話をすることが大事だと思っている。

ツールはなんであってもかまわない。言葉が通じなくても構わない。

べったりと一緒にいることだけが大事なんではなくて、

どれだけ思っているか、大事か、相手に伝わればそれでいいと思う。

何年あっていなくても、大事なひとは大事だし、

毎日あっていても、そうでもない人はそうでもないのだ。



散歩をしているとき、おかしな人だと思われるかもしれないのを覚悟で、

「月がきれいだねえ」

「雨があがってよかったねえ、お散歩これたねえ」

「風が強くて危ないから、こっちの道を通ろうね」

「かわいいねこたんだねえ、おれこのことみてるねえ」

「カラスだねえ、カラスけんかしてるねえ」

などなどなどなど、もう、なんだって話しかけている。

おじいわんにもそうしている。


家の中にいるときも、テレビを見ているとき、

「きれいな川だねえ、オレコも入りたいねえ」

上の部屋の足音をオレコが気にしているとき、

「どんどんいってるねえ、でもほえないでいいんだよ、おれこちゃんもどんどんしてるんだからねえ」

宅配便の人が来たとき、

「おしごとだからほえないでねえ、おれこちゃんのごはんもってきてくれたんだよ~」

などなどなど、人から見たら、バカじゃない?

っていわれそうなくらい、話しかけてる。




だけどそのおかげか、オレコは本当によく「状況」がわかるようになった。

今は雨がひどいからまだお散歩は行かない、もう少ししたら行くんだ、とか、

今日はお父さんの会社にご飯を届けに行くんだ、おかあさんその準備をしてるんだ、とか、

今日はお休みじゃないから、お母さん、このあとお仕事に行くんだ、とか、

もう、いろんなことがわかっていて、それを目で伝えてくる。

「そうなんでしょ?」

いつからこんなになったのかねえ、と、夫と話している。

夫もオレコにいろんな話をするので、きっとそのおかげだよね、と言ってる。



義実家の2代目の犬は2000年ベイビーで、13歳まで生きた。

とても賢い子で、たとえば、おやつがほしいときは、

壁をガリガリするとお母さんはやめてほしいから絶対くれる、とか、

抱っこしてほしいというジェスチャーなんて1歳にならずに覚えたし、

たくさんあるおもちゃのひとつひとつに呼び名があって、バラバラにおいてあって、

その中からひとつ「パンツ君持ってきて」というと、必ずそれを持ってくる。

ありかを探して持ってくる。13歳で亡くなるころには私より賢いのでは?と思った。

だが、3代目の太郎ちゃんは、さらに人の気持ちを理解することに長けている。

まだ1歳と少しだが、おじいわんとは最初ダメだった(太郎ちゃんが吠えかかる)のが、

義母がとくとくと話を聞かせ、こないだいったときは、とても友好的だったので驚いた。

しかも、オレコがまだおじいわんに心許せずにいるのを知っていて、

オレコにも気を使いつつ、おじいわんに「ようこそいらっしゃい」というような、

おもてなしの行動をとってくれていた。尻尾をふってにこにこ近寄り、

普段自分のスペースを譲ってくれるまでになっていた。すごー。

ついこないだまでオレコと一緒になって吠えかかっていたのがうそみたいだ。

オレコはひとり仲間外れになってしまったようで、調子が狂ってしまった。

(帰り道ちょっと問題行動が出て驚いた)


あんまり賢くなっていて驚いたので、太郎ちゃんすごいねえ、と褒めながら、

そうはいっても、2代目のほうが賢かったでしょう?と義母に聞くと、

「うんそうね。でも、今の段階(1歳の時点)ではこの子のほうがはるかに賢いというか人の話がわかるわね」

義父母は2代目の子が幼いころは仕事が忙しく、留守番が多かった。

ところが3代目の子が来てからは、義母は仕事をリタイアしているので、

一緒の時間が多くなり、よく話しかけ、太郎もよく聞いている、という。

だからどんどん賢くなっているのだ、と。



そうかー。やっぱりなー。

これはまいにちまいにち話しかけるしかないよなあ。

おじいわんは年長者だけど、オレコほどにはコミュニケーションがうまくとれていない。

それでも毎日話しかけているし、彼は彼なりに、暮らしかたのポイントを押さえていて、

散歩のときに抱っこして移動するときは、自らジャンプして、私の腕に飛び込んできてくれたり、

(それはそれはワイルドなジャンプで実は危険だからやめてもらったほうがよいのだが)

ブラッシングをするときは、体の向きを変えたり、立ちあがったり、座ったり、とても協力的なのだ。

こういうことは、前の飼い主さんのときにも、経験していることなのかもしれない。



いつか(オレコともおじいわんとも)話せるようになったら、

思い出話のひとつやふたつ、聞きだせるといいんだがなあ。

聞いてみたいなあ~。