昨日は研修があったりして、
通販事業部は臨時休業をもらっていた。
なんだかあたふたと忙しい日だった。
ともだちが急に象の国に転勤になったり、
そのためにお餞別品を注文してくれたり。
引っ越したばかりで手続きが難航していた、
姪っこの幼稚園も決まりそうという。
いくつかのゴタゴタしていた件も、
いまのところ、大丈夫と。
ああよかった。
研修を開催したのはお役所なんだけど。
それでもなんでこんな日を研修にあてたのかしら。
難しい話を面白く聞かせることを知らない講師の、
テキストを右から左に読み流す空疎な説明を聞きながら、
そんなことを思い、14時46分になったとき、
ほんとうに偶然に、静かに、ホールの時計を見た。
ああ、4年か。
これまでもそうだった。
ああ、1年か。
ああ、2年か。
ああ、3年か。
そう思ってきた。
でもこれまでは、
東北の人たちには及ばないけれど、
自分たちも多少なりともダメージを受け、
それを乗り越えるのに必至なまいにちで、
ススメ、ススメ、ススメ、な感じだった。
でも今は、というか、ことしは、ちょっと違う。
立ち止まり、振り返ることができている。
あのとき、こうだった。
ああ、そうだった。
それから、こうなった。
そう、そうだった。
とても大変だった。
不安だった。
細部を思い返している。
伴う痛みも感じている。
去年から今年にかけて、個人的にはお別れが多かった。
遠く離れていくひと、永久の別れになったひとやねこ。
同じ風景を走っていたようで世界はガラリと変わった。
4年もたった。
SNSは殆どしなかった。
自粛じゃなくてそうしたかった。
不思議とこれまでより近くに感じていた。
2011年3月11日のいちにちを。
そこに浸っていたかった。
もう一度あの日を感じてみたかった。
そういう不思議な感覚に、
ことしはじめからなっていて、
3月11日は静かに迎えようと思っていた。
やっと冷静に振り返れるようになったのかもしれない。
震災後にオレコがきて、生きる力をもらった。
去年の暮れにおじいわんがきて、振り返る力をもらった。
あの日から、歩いてきた道のり。
あの日の自分におきたこと、こころの中のこと。
それからのこと、すべて。
静かに、穏やかに、淡々と。
心惹かれたので、この本を自分への記念に購入した。
むずかしいことはわからない。
ただ、この人と、こねこの歩き方が、とてもいいなと思った。
手元に届くのを楽しみにしている。