
おとうさんからきいたはなし。
ある日あるとき、爪を切っていて、ちょっとばかり切りすぎたお父さん。
「いてえ!」
と叫んだところ、
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃ
こんちゃんが自分の部屋からやってきて、
どうしたのじゃ?
と顔をみあげて、おとうさんのしかめつらを見て、
足元にくっついて、ずーっと寄り添ってくれたそうな。
こんちゃんに心配してもらったと、興奮気味に話しておった。
そういえばわたしにもそんなふうに、寄り添ってくれたことがある。
なんだったか忘れたけれど、あったな、そんなこと。
家族になにかあると、
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃ
とやってきて、そばにいてあげる心やさしい老犬。
ナイチンゲール・こん。
・・・いや、なんかちがう。

お世話してるつもりが、してもらってるの、人間のほうかもしれないね。