古老のお話では錫は銀のような味わいがありとても人気があったとのことです。とくに煎茶道では茶壺、茶托などにも使われています。中国製の古い錫製の茶壺、茶托など感じが良ければとても高価ですし、それ以前に最近では目にすることさえあまりありません。
現在では鹿児島で各種の錫製品が作られていますが、いつもでも伝統の灯が消えないことを祈ります。このブログでは各種の御神酒徳利が何度かでていますが、昭和以前の篤い信仰心のお蔭様でこのように遺品が豊富なのでしょう。骨董・古物の世界では白い世界と黒い世界がありますが、年とともに黒い汚いものが好きになるのでございます。この御品も黒い系統でございます。時代は幕末から明治の初めではないかと思います。結構古そうです。