明時代初期の壺がもう大分前ですが、津波のように日本のマーケットに押し寄せてきたのです。骨董・古物の世界は面白い所です。どーっと同じ種類の御品が出る所なんです。例えば中国の陶器が大量に出たこともあります。高麗青磁が大量に出たこともあります。
この御品は首が長く口が細いですが、この手の普通の壺は口は広いのです。すこし変形だなというのが第一印象でした。明初特有の上がりの悪い肌とすっきりしない呉須の色が庶民のための製品あるいは、輸出用の大量生産品であることを示しています。
大量に出ると値段も安く選べますので、なんだか馬鹿にしてしまうのですが、それはよくありません。この度も十年以上の間が空きましたが、求めることができました。こうやってコレクションの積上=充実を図ることが可能になるのではないかと考えています。
昨夜の弥富億: ある御品を求める根拠が大事ですが、自分の経験でその根拠をつくり、さらにその自前の根拠を精密に仕上げてゆけば、金銭主体の一般的な競争から逃れて濃い内容のコレクション(コストパフォーマンスの良いコレクション)が出来るのではないでしょうか。