呪いは黒猫に込められた芸術作品
猫で有名な作品に、エドガー・アラン・ポーの『黒猫』がある。
ポーの生涯を見ると、記者として生計を立てていたが貧乏が続き、妻は床に伏し、起死回生の小説がこの『黒猫』だったようだ。
書ける妻もしくは愛人との共作なのではないか?
六割方、妻もしくは愛人の文章のような気がする。
変貌する男の描写が女の視点であり、最後に飼い猫が仇をとってくれるのも、女性的だ。
小説自体は短いが凄みがあり、哀れな女性の呪いが込められていて、私は衝撃を受けた。
これが小説を書き始めた理由だ。
例え、小説の作家名が他人の名前に変えられようと、呪いや言いたい事が芸術家には伝わるのだと。
同じ目に遭い易い芸術家は、神霊と繋がり、芸術家の真骨頂を芸術家に伝えるのだ。
芸術家魂を受け継ぐ者として、私は『黒猫』の悲しみを感じとり、私の絵作品にも顕れた三尾ノ黒猫に、大昔から続く呪いを託す。