角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#177 「無資格中絶→死亡」確かにお気の毒ではありますが・・・

2016-12-11 06:56:42 | 命―畏れと戦き
(水口病院ホームページより)




〈「指定医師資格のない医師が人工妊娠中絶を行っていたことについては極めて遺憾です。これからもこういった類似のことなどが起こらないように都としてもしっかりと見ていきたいと思っています」〉

ということで、

都知事も刑事告発なさった由、
手術と死亡の因果関係について、捜査の方は、
ま、それはそれで、しっかりやってくだされば良いのではないかと思います。

(日テレNEWS24:指定外医師が中絶手術 小池都知事が告訴)
 →http://www.news24.jp/articles/2016/12/09/07348694.html



とは言うものの、実はワタクシ、
この件に関しては、言いようのない違和感がありまして・・・



〈「そんな健康な人が、急に死ぬのか...」〉
残酷ではありますが、そういうこともありますよ。
でも、若い人の言うことだから、とりあえず、これは良いです。

〈「結婚したのも、妻と子どもを養う覚悟で結婚しましたし、これから3人で、幸せに暮らしていけるはずだったんだろうなって」〉
この言葉にも、嘘はないのでしょう。たぶん。


ただですね、
〈胎児が育っていないとの診断から、中絶手術を受けた〉
なんて、サラッと流されてしまうと、

いや、待て、
ソコをそんな簡単に済ませてしまって良いのか、
とも思うわけです。

(FNN NEWS.COM:中絶手術後に女性死亡 病院側「因果関係ないと考える」)
 →http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00343771.html




事実関係だけ並べると、

7月 6日、結婚
7月 8日、中絶手術
7月14日、死亡

ということなんですが・・・




ちなみに、
中絶手術医の資格、正確に言うと、指定は、
病院に、ではなく、医師個人になされるものだ、とか、

また、
どういう場合に中絶手術が許されるのか、とか、
その辺りは母体保護法で定められているわけでして、

条文はこちらです。

第十四条  都道府県の区域を単位として設立された公益社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
 一  妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
 二  暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの

2  前項の同意は、配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者がなくなつたときには本人の同意だけで足りる。

(母体保護法)
 →http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO156.html




中絶させられてしまった(死んでしまった)胎児は、
「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」
だったんですか?



〈遺族の代理人などによると、妊娠5週目だった女性は7月8日、50代の男性医師から中絶手術を受けた〉

(JIJI.COM:無資格中絶、医師を告発=23歳女性死亡で遺族-警視庁)
 →http://www.jiji.com/jc/article?k=2016120600727&g=soc


妊娠5週目すよ。5週目!
「あれ?生理こないよね?」から1週間ですよね?
そこで「胎児が育っていない」って話になるの?



〈妊娠5週目は生理予定日から1週間が経過しており、多くの女性は「生理がこない!もしかしたら妊娠しているのかも…」と気づく時期のようです〉

〈妊娠5週目は超音波検査(エコー)によって、胎嚢(たいのう)がで確認できる時期です〉

〈妊娠5週目になると胎嚢(たいのう)の大きさ(GS)が7~8mm位になり、超音波検査で胎嚢が確認できるようになります。胎嚢の中には、胎芽(たいが)と呼ばれる状態の赤ちゃんがいて、タツノオトシゴのような形にどんどん変化していきます。この時期の赤ちゃんの大きさとはまだ2mm程度〉

(育ラボ:【妊娠5週目】症状・胎嚢の大きさ・注意点など全まとめ)
 →http://iku-labo.jp/premama/5572/

ってことなんですけど。



当の水口病院は、以下のように言ってます。

〈一部報道では、患者様の人工妊娠中絶の理由が、「胎児が育っていない(胎児不全)と診断された」からとされていますが、少なくとも、当院が患者様にそのような診断をしたことはありません。また、当該報道がされたことにより、患者様が稽留流産であったとの情報が一部流れましたが、前プレスリリースでお伝えしたとおり、当該事実はありません〉

(水口病院ホームページ:当院に関する報道等の誤りの訂正について)
 →https://www.mizuguchi-hospital.jp/pdf/20161208.pdf



なら、何で中絶したんですか?
一体、誰がそうすると決めたんですか?



あのう、ご主人さん、
と言うより、報道関係者の皆さん、

中絶手術と死亡との因果関係よりも、
もっと大切なことがあるんじゃ・・・みなまで言いません。


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