角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#073 世界遺産、返上もアリですが・・・

2015-07-08 06:32:57 | そうなの?
お隣さんからの、
降って湧いたようなイチャモンで揉めはしましたが、

「明治日本の産業革命遺産」は、
どうやら無事に「世界文化遺産」登録が決まりました。
(産経ニュース:産業革命遺産、世界文化遺産に登録決定 3年連続19件目…韓国発言で最終日まで紛糾
 →http://www.sankei.com/world/news/150705/wor1507050036-n1.html

「無事に」とは言ったものの、
今回の(主に)外務省の仕事ぶりは、

それ見たことか、やれ弱腰だ、火種を残した、
等々、厳しい批判にさらされました。

けれど、そもそもは、
他国の推薦事案についてトヤカク言い出した某国が悪いのだし、

登録時、
どさくさ紛れに「強制労働」があった、
とまで陳述しようとしたそうで、

それに対して、
日本側は「働かされた」という表現まで、むしろ押し戻した、
というのが、私の見方です。


(産経新聞より)

もちろん、
ユネスコへの分担金、第二位の日本なのだから、
「文句があるんなら引き上げるぞ」と言うこともあり得ますが、
(Wikipedia:ユネスコ→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%80%A3%E5%90%88%E6%95%99%E8%82%B2%E7%A7%91%E5%AD%A6%E6%96%87%E5%8C%96%E6%A9%9F%E9%96%A2

そこまで行ってしまっては、
登録を心待ちにしてパブリックビューイングとかしてた人々が、
黙ってはいないでしょう。

日本は、たとえ外交案件であっても、
容易に一枚岩になれる言論不自由の国じゃないので。

仮に、日本国民のほとんどが、
登録返上も辞さずと言えたなら、
あるいは違う結果だったかもしれません。

ことの成り行きは違うものの、
実際、世界遺産登録「返上」の例もあるんです。

ドイツ、ドレスデンです。

〈2004年、歴史的建造物の残る文化的景観が評価され、ドレスデン・エルベ渓谷が世界遺産に登録された。ドレスデンを中心にしたエルベ川流域18kmが対象であった(面積1930ha)。しかし、交通量の増加に対応するためにエルベ川に車両用の橋を建設する案が検討されたことから、2006年に危機にさらされている世界遺産リストに登録され、その後、ユネスコの世界遺産委員会からの警告にもかかわらず建設が推進されたため、2009年の第33回世界遺産委員会で世界遺産リストからの登録抹消が決議された〉
(Wikipedia:ドレスデン→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%87%E3%83%B3

ドイツでは「世界遺産」ブランドが日本ほど強くないからでしょう。

あるいは、
国連のお墨付きなんぞ不要だと言えるくらい、
ドレスデンはドレスデンとして魅力的なんだ、
という気概かもしれません。

私にとっても、
行ってみたい場所のひとつです。

特に、
ドレスデン空襲によって破壊されたものの、
長い年月をかけ、丹念に修復されたという聖母教会は、
是非この目で見たいものです。

(ドレスデン情報ファイル:ドレスデンの聖母教会
 →http://www.de-info.net/midokoro/frauenkrch/frauenkrch.html

若干横道にそれますが、
『ドレスデン 運命の日』という映画もありました。
映画「ドレスデン -運命の日-」(06 独/日本公開0704)予告編

(MovieWalker→http://movie.walkerplus.com/mv36139/
ドイツが被害者面するな、と一部でささやかれたそうです。

さて、話を戻して、
隣国による難癖に付き合わされたカタチの日本ですが、

その後、彼の国では、
例によって勝手な解釈やら、勝ち誇った言説が飛び交っています。

放っときゃイイと私は思います。

それよりも、他の国々にどう映ったかの方が大事でしょう。
「困惑」には違いないと思いますが、
(産経ニュース:ギリギリまで表現調整、決着の場は淡々…日韓の歴史に審査翻弄、他国は困惑も
 →http://www.sankei.com/world/news/150706/wor1507060005-n1.html

ひょっとして、
韓国度し難しの印象を多少なりとも残せたのなら、
この後味の悪さも我慢できるというものです。

いちいちカリカリせず、
第三国にむけて(!)言うべきことを言いましょう。

あ、あと、
国内のワカランチンにも、
色々と言わなきゃなりませんね。


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