角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#130 『完全失踪マニュアル』ウチでも読んでましたが?

2016-04-06 06:31:55 | メディア論
この本、
(ウチの)奥様持ってます。

『完全失踪マニュアル』

本の謳い文句は、

学校も、会社も、親や友人も、戸籍でさえも、僕たちを引き止めておくことはできない。警察、探偵のだまし方から他人の身分の乗っとり方まで、今の自分を<リセット>するための最終兵器。イヤになったら逃げろ!!
(太田出版:サブカルチャー 完全失踪マニュアル
 →http://www.ohtabooks.com/publish/1994/10/19202311.html

という、基本
「そうなのかあ、なるほどねえ」
なんて言いながら、楽しめばいいだけのモノです。

なんですが・・・

真面目なメディア人の手にかかると、
何故か、こういう話になってしまうのです。


(産経新聞3/5大阪6版)

思うに、

人間ってのは(私もですが)、
自分がその面白さを理解できないことに夢中になってる他者を見ると、
何となく落ち着かず不安になっちゃうんですね。

だからなのか、

世間を騒がせる事件の容疑者が、
何かちょっと変ったモノ、

なんとかナイフとか、かんとかゲームとか、
あるいは『完全失踪マニュアル』とか、

を持ってたりすると、
「だから、そんな事件を起こすんだ!」
とばかりに、
不安を払拭、あるいは定着させようとするんです。

で、どうかすると、
そのモノが店頭から消えたりもします。

◯カとハサミは使いよう、って言いますけど、
ホントは、何であれ使う人の心の持ちようじゃないでしょうか。

マニュアル本やサイトでなくても、
誘拐のノウハウとして参考になるものなら、
いくらでもありますからね。

それに、
今回の事件に関しては、
結果、マニュアルは役に立ってないわけで。

昔『完全失踪マニュアル』を愛読してた(ウチの)奥様ですが、

今までも、これからも、
誰かを誘拐したりすることは(たぶん)ないでしょう。

モノ自体には善も悪もないんです。

ちなみに、
これも奥様の愛読書でした。



『完全自殺マニュアル』

世紀末を生きる僕たちが最後に頼れるのは、生命保険会社でも、破綻している年金制度でもない。その気になればいつでも死ねるという安心感だ! 自殺の方法を克明に記し、さまざまな議論を呼んだ、聖書より役に立つ、言葉による自殺装置。
(太田出版:サブカルチャー 完全自殺マニュアル
 →http://www.ohtabooks.com/publish/1993/07/05202311.html

嫁入り道具と一緒に持ってきて、
普通にリビングに置いていたんですが、

それに気付いた友人が、
「新婚家庭に何でそんなものが?」
と呆れてました。

けど、そういうのが趣味なんだから仕方ないですわね。

この本も一時期、
「自殺を助長している」
みたいに言われて店頭から消えたりしました。

もちろん、
奥様は自殺も、自殺に見せかけた他殺もしてませんが。

ともあれ、

上の記事は、
直接名指しせず、ぼかして書いてる分だけ、
まだ良心的だと言っておきますか。


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