角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

PROM.05 テロの舞台

2015-11-25 06:28:26 | そうなの?
靖国神社でテロ(?)があったそうですが、
それは、ひとまず置いといて・・・

パリの事件以来、
あちらこちらでトリコロールが見られました。

フランスとの連帯であったり、犠牲者への哀悼であったり、
それはそれで良いと思います。

良いのですが、ちょっと引っかる所もありまして。

我ながら細かいことだとは思うのですが、
今回のテロについて、
フランスなりパリなり「が」狙われたと言ってよいものかどうかと。

テロリストが、そこをテロの舞台として選んだのは確かですが、
標的としたのは、国や都市ではなく、
そこにあった「日常」そのものですよね。

市民は「巻き込まれた」のではなく、
もともと一般市民の日常生活こそが狙われているのです。
特にフランス人であるとか、パリ市民であるとかでなく。

そう考えると、今回、
日本人は、たまたまソコにいなかっただけで、
「巻き込まれなかった」というのは、
少し違うんじゃないかと思います。

フランスとの連帯を言う時、
「狙われたのはフランスであって我々ではない」という、
気分が潜んでいるのではないかという気がするのですが、
いかがなもんでしょう?

テロとは(戦争ではなしに)犯罪行為によって恐怖をもたらし、
その恐怖感によって他者を操ろうとするものです。
(なので、そこで使われるのは武器ではなく凶器です。たとえ命であっても)

テロリストにとって、
ラクで(攻撃しやすくて)、
かつ、トクする(メディアが大きく扱ってくれる)場所が選ばれ、
そこにある日常が狙われます。

日本が、イスラム原理主義者によるテロの舞台にならないのは、
彼らにとって(特に潜伏するのが)ラクじゃないから、に過ぎません。
そこを置いても、トクする度合いが大きいとなれば、話は違ってきます。
(実際、かつて日本人による大きなテロ事件があったし、
 靖国神社は、ソコで、というだけで大きく扱われるから、すごくトク)

テロ事件が起きる度に、
自国の政府首脳をこき下ろす材料にする人や、
国際社会の対テロ連合から離脱せよと喚く人が出る。

そういう国だと判れば、
それこそ、次はテロの舞台に選ばれかねません。

「このような非道卑劣なテロは如何なる理由でも許されず、断固として非難します」

どれほどの被害があっても、
犠牲者を静かに悼み、いたずらに騒がず、警戒を怠らない。
次なるテロを防ぐ手立ては、他にないでしょう。

テロの狙いは、間違いなく、人の心それ自体ですから。

*冒頭画像:THE HUFFINGTON POST:東京タワーとスカイツリー、トリコロールに染まる パリ同時多発テロを哀悼
      →http://www.huffingtonpost.jp/2015/11/15/tokyo-tower-skytree--tricolor_n_8567306.html

「このような非道卑劣なテロは如何なる理由でも許されず、断固として非難します」
(11/14安部首相メッセージ:→http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/discource/20151114message.html

*参照過去記事 PROM.04:武器と凶器と、特攻と自爆テロと→http://blog.goo.ne.jp/kawai_yoshinori/e/099e598d4274878829c2114c9622410e


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