雲雀野と郭公の森と

北アルプスと黒部川に育まれた片田舎
の住人の気まぐれ日記
あの「森の近況」の代替として・・・・・

裏と表

2007-11-26 23:09:09 | 雑記
 今日は朝からいい天気だった、らしいが、訳あって引篭もって
夕方までパソと向き合って、キーボードを叩いていた。


 スキャンされた、昭和初期の漫才台本を、テキストファイルに入力し直す、内職をしていた。
 その中に、

  A じゃ、君、どこで捕れたのです?
  B 捕れた? 水族館の鯨みたいに言うな。
  A こらすまん。生まれはどこです。
  B 北陸です。
  A あ、裏日本ですか。
  B 裏日本?裏日本とは何や?
  A その?
  B 日本の国に裏表があるか?
  A そらあ、あるよ。太平洋に面した方を表日本、日本海に面した方を裏日本と言うのだよ。
  B だれが決めたのや、そんな事。
  A 知らんよ、ぼくは。
  B 知らんとは言わさんぞ。
  A うるさいね、君は。
  B そんな無責任な事を言うな。これは改めてほしいね。
  A 改めるとは?
  B 太平洋側日本とか、日本海側日本と。
  A じゃ、日本海側日本の……
  B いや、ありがとう。そう言ってもらえば、先祖もさぞ喜ぶでしょう。


というくだりがあった。
表日本とか裏日本と言う表現を耳にしなくなって久しいが、3~40年前までは確かにそういう言い方があって、私自身、学校で表と裏の言い方で習った記憶がある。歳がばれてしまうが(苦笑)
 そういう表現に対する批判(特に裏日本と呼ばれた地域からだったろう)が起こっていることを子供ながらに耳にした記憶もあるのだが。
  驚いたのは、上の台本は昭和13年のものだということ。そう、戦前の漫才!

 これは作家の慧眼(批判精神)に感嘆すべきことなのか?
それともそういう批判があるにもかかわらず、改められるのに数十年を要したということに愕然とするべきことなのか・・・・・・・。

 現代でも、明らかにおかしいと思える事で、改められることなくずるずると続いているという事が数多くある(特に政治・行政の面で)。

 おかしい事の改革が遅々として進まない。
 これは日本社会の宿命なのだろうか?
 無力な小市民はあきらめるしかない事なのか?