近所に粕塚というのがある。
その粕塚の在る場所に、昔大変繁盛した酒屋があったそうです。
ある日戸口に旅の坊さんが立って、酒粕を少し恵んでもらえないかと
頼んだそうです。
しかし酒屋の主は「お前にやる酒粕などない」と無碍に断った。
すると後日酒屋にあった酒粕は全て石になってしまった。
という伝説が伝えられています。
夕べ東京から帰省している従弟と酒を飲みながらの雑談のなかで
粕塚のことについて話が及んだ。
従弟は「昔から教訓を含んだいろいろな伝説や昔話が残されているが
そういう現代版の話もあってもいいのではないか」という。
例えば、ある娘さんがお父さんの誕生日に珍しい酒をインターネットで
注文してプレゼントした。それはそれでいいのだが、
お父さんはいつも懇意にしている近所の酒屋さんでお酒を買っていたので
娘さんの気持ちはありがたいのだが酒屋さんにちょっと済まない気がした。
我々は便利さを享受する裏側で、気づかぬままある大切なものを失ってはいないか?
そんな時、便利な機器が石になってしまうような現代版物語を・・・・・・・
考えてもいなかった発想だ。
自宅に帰ってきて、現代版昔話現代版昔話・・・・・と、名作の一つでもひねりだしてみようかといろいろ考えていたが、飲み過ぎた酒のせいで私は石のように眠ってしまいました。
後で本棚漁ってみようっと