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ペンギン×アート作家 松島佳世のブログです。
展覧会情報と創作の日々の様子を書きます

だんじり祭りと看板裏絵

2013-01-08 00:00:00 | お仕事/Work

「凱風快晴岸和田沖浪看板裏」大阪府岸和田市 横田耳鼻咽喉科医院駐車場 幅6.5m × 高さ1m 水性ウレタンアクリルペイント 2012.11.27完成


昨年11月に野外制作した「凱風快晴岸和田沖浪看板裏」、なんのパスティーシュかもうおわかりですね。

そう北斎です。(もっとも題名ですでにネタバレしてたと思いますけどyellow12

誰でも知ってる北斎の冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」に、うちのペンギンたちを鰍ッ合わせました。



ざざ~~んase2


どど~~んexplosion



やほ~~いyellow25



いえ~~ぃkirakira2kirakira2

Photo by Studio Ittoku


ペンギン先生からの依頼では「なんでも好きなものを描いて」でした。看板は高いところにあるので、安全を考えて短時間で描ける図柄を考えておられたようです。私も野外制作は初めてだし、その時の気分で簡単に描けるものにしようと思っていましたyellow12

なのに構想一ヶ月、制作一ヶ月の大作になろうとは…yellow11
(実際は依頼を受けてからですから、一年以上は頭の片隅で考えてましたが)

気が変わったのは、現地に行って岸和田だんじりを間近で見てからです。


この先は長くなるので「続きを読む」で


その前に場所の紹介

看板の場所は横田耳鼻咽喉科医院(大阪府岸和田市小松里町985-3)の駐車場で、downA地点になりますyellow19


横田耳鼻咽喉科医院HP
http://www.yokotajibika.jp/

岸和田だんじり祭りには2種類あって、横田耳鼻咽喉科医院のあるJR久米田駅周辺は「10月祭礼」で「山のだんじり」というそうです。
ドラマ「カーネーション」の舞台である南海岸和田駅辺りは「9月祭礼」で「海のだんじり」だそうです。

でも、だんじりはだんじり。いつもテレビで岸和田だんじり祭を楽しんでいた私としましては、初だんじりにルンルン気分で出かけました(表現が古いase2)10月6日のことです。

岸和田市のHP
http://www.city.kishiwada.osaka.jp/site/danjiri/


まずは横田耳鼻咽喉科医院の駐車場で看板の下見をおえた後、JR久米田駅前の商店街に行きました。
商店街の道路はたくさんの人だかり。
どこをだんじりが通るの?と思うぐらいでした。

するといきなり勢いよく曳かれただんじりが到着。
歓喜の嵐kirakira2kirakira2が沸き起こり、
合図とともに再び走り出すだんじり。
左右に引いて道をあける人々。

すごい!
すごすぎる!
目の前を通り過ぎるだんじりの迫力に、観光客の私はなんども身の危険を感じたほどです。
こ、浮ゥったyellow22
岸和田だんじり侮り難し…yellow7

町の人たちの熱気もすごい。
法被姿の老若男女も様になっていて実にかっこいい!
はちまきの巻き方の粋でいなせなこと!
岸和田には何回か訪れていましたが、いつもの静かな町とは全然違っていました。

熱気に押されて、いや迫力に圧唐ウれて、私はどんどん後ろにひいてしまい、ついに横田耳鼻咽喉科医院の駐車場の看板まで舞い戻ってしまいました。

ルンルン気分も吹っ飛んで、もう帰ろうかと思った矢先、私はここである光景を発見しました。

看板の下をだんじりが走るんです。yellow7

[[youtube:zw1f-CKGaDI]]

前方の道路がだんじりの曳行コースになっているんですね。

男の子も女の子もお兄ちゃんもおっちゃんもお母さんも…みんな走るんです…何回も何回も!
なんて熱い光景!威勢のすごいことすごいこと…

「この看板はその光景を一年に一度は背負うことになる…」

そう感じた時、絶対に甘い絵は制作できないと思いました。
簡単ではだめ。この勢いに負けた絵は描いてはいけない。
そして、この岸和田の地にせめて私のペンギンだけでも仲間入りさせてほしい!と思いました。


この後、駅前周辺がだんじりの曳行コースだったので、夕方まで帰れなかったという後日談はさておいてyellow12


「だんじりに負けない絵を描く!」
そう確信したものの、ここからが大変でした。

野外制作の仕方もわからないし、どんなペンキを利用したらいいのかもわからないので、そういうことも検討しながら、並行して下絵を考えました。
掲示板の方にも書きましたが、大きさの把握が難しい。卓上で描くとついつい細かくなってしまう。実際に現地で描けるモチーフにしないといけない。

だんじり祭りがすごかったとはいえ、普段はごくごく普通の町。昼間に訪れたときにいつも感じるのは、子どもが子どもらしく遊んでいるのどかな町ということ。

あまり奇をてらったものはそぐわないのではないか。
でも、やはりペンギンパスティーシュがしたい。
依頼主の耳鼻科は子どもの患者が多い。親子で楽しめる絵にしたいase2ase2
でも子ども向けにはしたくない。年配の人にも喜んでもらいたい。

たくさん考えすぎて、いろんなアイディアが浮かんでは消え浮かんでは消え…浮かんでは描いて消し浮かんでは描いて消し…

そうこう悩むうちに、かれこれ10月末。
秋のうちに描かないと寒くなるので、このあたりで割り切りました。

岸和田には海があって山がある。
普段は静かな町だけど年に一度のだんじり祭りには底知れないエネルギーを爆発させる。
そして、子どもが子どもらしく路地で遊べる町。
そんな「岸和田」を私の描くやり方で表現しよう!

よって北斎の「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」に、うちのペンギンたちの鰍ッ合わせになりました。


もし岸和田に訪れることがあるのなら、ぜひ看板裏絵を見て下さい。
静寂の町に、いきなり目の前に現れます。

できることなら、それは年に一度のだんじり祭りの時がいいかもしれません。
ペンギンたちの下をだんじりが走る。そんな不思議な光景を目にすることができるのですから。
(でもだんじり観光には十分に気をつけて!)


余談ですが、11月6日から現地入りしますとペンギン先生に連絡し、準備万端整えてあとは寝るだけの前日の夜11時。
完成した下絵を見て息子が一言。

 「サーフィンをしているペンギンの向きが波に対して反対」hi


結局、6日の明け方まで描き直したのは、また別の話…yellow3

おまけ:「凱風快晴岸和田沖浪看板裏」ができるまで

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Photo by Studio Ittoku & ペンギン先生 & 私


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