友人が送ってきた月刊誌の寄稿文。
読んでいて大病を患っていたことを知った。
メールでのやり取りはしていたが、久しく会っていない。
そういえば、用件のみで近況のやり取りもしていなかった。
身体がままならない中で大学を早期退職したようだ。
最後の教え子の卒業式でのことが書かれている。
卒業していく教え子たちから「卒業証書」を贈ってもらう。
まったくのサプライズに、壇上で必死で涙をこらえたのだろう。
顔をぐしゃぐしゃにしながら照れる友人の姿が浮かんでくる。
そこまでやるかと思えるほど、ひたすら教育に情熱を注いだ人生。
時に家族を犠牲にしてまでも走り回る情熱にいつも心打たれた。
小学校教員時代の熱血先生の実践が実り、大学教員になった。
子どもたちを信じて待つ、金八先生のような熱血漢だった。
そんな友人も、突然襲われた病には勝てなかったのだろう。
もどかしい身体と意欲との狭間でもがいた苦悩が読み取れる。
「目の前の子どもを見失うとき教育はその光を失う」
常に子どもありきの生き様を貫いた教育者だった。
ごくろうさん。
もう自分一番で過ごせばいい。