「ボクねぇ、80歳すぎても身長が1ミリも縮んでないんですわ」
そう言ってちょっと自慢そうに笑う大先輩。とても長身でスマートな風貌はバレーボールで鍛えたもの。いつも矍鑠としたカッコよさもだが、しなやかな感覚やリベラルな物事の見方といい常にお洒落だった。
趣味も多彩で凝り性。海釣りへなら深夜の道を8時間も車を走らせる。そんな武勇伝を会うたびに聞かされ大笑いしていた。
いつもバイタリティに圧倒され「この人は不死身なのだ」と思わされていた。
行政職をこなした後に政治の道へ。現役を退かれてからは政治を志す後輩たちの応援や様々な社会奉仕にひたすら汗をながされていた。
毎日のように一日中、道路端や公共施設周辺の草取りなどに精を出す姿があった。
その大先輩の訃報が友人から入る。
いやいや、そんなはずない。私には不死身の大先輩のままだ。