江戸時代の識字率の高さは世界一だった。
当時のイギリスやフランスなど西洋の国々では識字率が3割にも
満たないのに対し、江戸時代の識字率は6割を超え、地域によっては
さらに高かったといわれている。
特権階級の侍などは学問所で学び、一般の庶民は寺子屋で学んだそうだ。
幕末には全国に1万5千以上の寺子屋があり、江戸時代中期の人口100万人、
青年男子の識字率70%〜80%は世界一といわれている。
寺子屋では身の回りの清掃や他人への対応、親や年長者へ敬意を
払うことなど道徳も学ぶところであった。
沖縄には寺子屋のようなところはなかった。
特権階級だけ学ぶ場所があった。
ほとんどの一般庶民、農民は字は読めず、もちろん書くことさえ
できなかった。そんな一般の庶民、農民が親や年長者への道徳は昔から
唄い継がれる唄から学んだという。
たとえば「てぃんさぐの花」
てぃんさぐとはホウセンカのこと。
花びらを水にしたして寝る前に爪に張ると爪が赤く染まる。
そんなオシャレなことが流行った。
てぃんさぐの花や爪先に染みて、親の言うことは肝(心)に染めなさい。
唄を通じて道理を学ぶ。
八重山にはトラバーマ(月と太陽の通り道はいつも一つ、愛の心も一筋の道)
宮古島にはナリヤマアヤグ(鳴り響く声よ、山のょうに大きく…)
島には島特有の、その島に伝わる唄があり島の心がある。
それらを「島唄」と呼んでいる。