伊良部島ではミャークヅツが盛大に行われ、
来間島では同じ時期にヤーマスプナカが2日間にわたって行われる。
ヤーマスプナカは子孫や家の繁盛を祈願して行われる祭事。
ヤーは家、マスは増す、プナカは大きな庭の意で転じて祭事を表す。
ヤーマスプナカは来間島に伝わる始祖伝説に由来する。
川満集落のキサマ按司の娘が朝の太陽の光を浴びて孕み、
3年目に卵を3つ産み、卵から孵ったのは3人の男の子で、
大食いでたちまち成長し、按司の教えで来間島に渡った。
島祭事を怠ったために島人が赤牛にさらわれ無人となっていた。
3人の兄弟は赤牛と格闘し打ち負かして片角をもぎ取る。
逃げた赤牛を追って海の底の神の家を訪ね、片耳のない神(赤牛=豊穣神)
と会い、角を返して祭事を行うことを約束し、ただ一人生き残っていた娘を
返してもらった。
長男がその娘と結婚し、子をニ男、三男の嫁にして、それから子孫が繁盛した。
ヤーマスプナカの祭事は、その三軒の元家である、
ヤーマスヤー、ナカウプヤー、スムリヤーの子孫を中心にして行われる祭りで
あると伝えられている。
この時期、旧暦9月に祭事が集中しているのは、昔、
税を納め終わったのがこの時期だからだそうだ。