トックリキワタが咲き始めた。
トックリキワタは秋の花。10月に入ると島のあちこちで
ピンクの花を咲かせる。
原産地はブラジル、ボリビア、パラグアイ、
アルゼンチンなどの南米だそうだ。
本土では熱帯植物園などで見られるそうだが、沖縄では
街路樹や公園樹として普通に見られる。
トックリキワタを日本で最初に栽培したのは、当時まだ米軍の
軍政下にあった沖縄である。
琉球政府の農業技術者であった天野鉄夫という人が
1964年、沖縄沖縄県民が多数移住したボリビアの沖縄移住地で開かれた
ボリビア移住10周年記念式典に参加した際に
ボリビアから種子を持ち帰って帰国後、自宅で種子から苗木を育て、
1970年に初めて開花に成功させたとある。
その後沖縄各地に植樹されたそうだ。
沖縄への導入経緯からトックリキワタを南米ザクラと呼び、
鑑賞木として親しまれている。
沖縄モノレールのおもろまち駅にあるトックリキワタが
天野さんが自宅で栽培した「天野株」で現存している。
花が咲き大ぶりの実ができると、その中から綿状の物に
包まれ種が入っていて、風に飛ばされていく。
昔はこの綿を集めて枕や布団に詰めたという。
南米ではパラボラッチョと呼ばれている。
Paloborracho スペイン語で Palo(樹) borracho(酔っぱらい)
木の形がぼてっとお腹が突き出た酔っぱらいのように見えることから
酔っぱらいの木という意味であるとか。
島のあちこちで綺麗なピンクの花を咲かせる。