宮古島の最東端に、絶景、東平安名崎がある。
東平安名崎は日本の都市公園百選にも選ばれている国指定名勝地である。
全長2キロにわたって細長く伸びる岬にはいつも心地よい風が吹いている。
北側が東シナ海、そして南側が太平洋。
北側のリーフ内に幅6m~8mほどある巨岩がごろごとたくさんあるのは
1771年明和の大津波で打ち上がった岩である。
琉球石灰岩のカルスト地形に固有の海岸植物群が展開する独特の
自然環境とともに悲恋の故に身を投じた女性の伝承がある。
昔、東平安名崎がある保良村(ぼら)にマムヤという絶世の美女がいた。
ある日、毎日のようにいいよってくる若者たちに嫌気がさし、
とうとう村から姿を消した。身を隠したマムヤは、東平安名崎の洞穴で
機を織って暮らしていた。ところが妻子ある野城按司が洞穴を探し当て、
1夜をもってマムヤと恋仲になる。
妻子があるとは知らずに嫁いだマムヤは、本妻から毎日ひどい仕打ちを受けた。
たえられなくなったマムヤが野城按司に
「自分と本妻のどちらが大切か?」とたずねると按司の答えは
「もちろん二人の子がいる本妻」との返事。
それを聞いたマムヤは岬の断崖絶壁から身を投げたと伝えられている。
マムヤの母は悲しみのあまり「二度とこの村に美しい女は
産まれないように神に祈り続けた」という話しがある。