ブダイは沖縄で食用とされているもっとも
ポピュラーな魚である。
ブダイといってもたくさんの種類がある。
青ブダイ、ヒブダイ、ニシキブダイ、ナンヨウブダイ… などなど
また同じ種類のブダイであっても地域によって名前が異なる。
たとえばナンヨウブダイのことを
ゲンナー(頭が金槌ゲンノーに似ているから)
グドンバツ(動き鈍そう愚鈍)、
青バツ(青いから)同じブダイなのに3つも4つも
呼び名がある。
それが理由であるのか定かではないが0沖縄ではブダイを総称して
「イラブチャー」という。
ブダイは海藻やサンゴを主食としているので釣りには適さない。
沖縄ではもっとも食用としてポピュラーな魚であるのに、ブダイを専門に
釣っている漁師はいない。
ブダイを捕獲するには網で一網打尽にするか、海に潜って銛で突く。
ブダイは特殊な生態をしていて、夜は身体から膜を出して自分の身体を
包み込んで寝る。
この膜がレーダーのような役割をして外的から身を守っていると
考えられている。食用としてポピュラーな魚であるけれども、
白身で特有のの臭みがあり、昔と比べて圧倒的に捕獲量が少ないので、
ブダイを買ってまで食べる人は少なくなった。
沖縄に生まれて沖縄で暮らして、ブダイを食べたことのない人の
方がおそらく多いだろう。
モチモチとした食感がたまらないというブダイ好きな人、
その食感が嫌いだという人に別れる。
青ブダイにはフグ毒以上の毒が肝にあると言われているが、漁師たちは
ブダイの刺身をその肝で和えて食べるのを好む人もいる。
ブダイの毒にあたって亡くなったという話しを聞いたことがない。