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厄介者が取り持った離島の縁

2010-04-05 18:10:40 | 話題 ニュース 
干物なのに、鮮魚のようなみずみずささ。焼いて口に入れるとしっかりしたうま味が広がり、すこぶるご飯も進む。瀬戸内海の真ん中、岡山県笠岡市の北木島で住民達が手作りし、通信販売を始めた「灰干し」である。

島の漁師が捕った旬のタイやシタビラメ、タコなどを開き砂粒のような火山灰の中にすっぽり埋める。冷蔵庫で寝かせて二日間。水分を吸わせながら熟成を待つ。中国地方では余り見かけることのない製法だ。日や風に当てないので脂の変化が少なく、魚本来の滋味が凝縮するという。

その灰ははるばる600キロ離れた東京都の三宅島から運ばれてきたと知って驚いた。度重なる噴火によって大量に降り注いだ灰や石。「干物作りに役立てられないか」それを聞きつけ助け舟を出したのが北木島の人たちだった。

此方は古くから「北木石」で知られている土地柄、石を加工したり火山灰の塊を細かく砕いたりするのはお手のものだ。とはいえ北木島にも灰干しのノウハウはない。地元の魚を使って試行錯誤を重ねながら、一年半かけて商品化にこぎ着けた。

三宅島やほかの島でも、これを手本にして事業に取り組む動きが広がっている。「厄介者」が取り持った離島の縁。誕生した特産品の味わいは、ことのほか深い。(4月5日中国新聞天風禄参照)


今日の写真 スイセン







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