4月15日 中国新聞天風禄より
ひらりはらりと桜の花びらが落ちる速さは1秒間に1メートルほど。「落花の雪」の例えもあるように、雪片の落下速度とほぼ同じという。風があれば宙に舞う。「中空に とまらんとする 落花かな」(中村汀女)。花の命が惜しまれる一瞬だろう。
咲くたびに「春が来た」と感じるのは梅か桜まで、やがてフジ、ツツジの開花で「行く春」を思うー。お天気博士の倉嶋厚さんは季節の移ろいを花木に託す。寒の戻りで、とどまっていた春。花が散り始め、ようやく次の場面に移ろうとしている。
7ヵ月余り前、政権交代の花を咲かせた鳩山内閣はどうだろう。政治とカネの問題が幹を揺すり、樹勢は見る影もない。小鳥の枝移りよろしく、あの案この案と迷走してきた普天間移設問題。オバマ大統領に会った首相は「5月末決着」をと約束してきた。
どこまで命がけで動いてきたのか、移設先のめどは全く立っていない。政権のつまずきの石になりそうで、政変説もささやかれる。このまま散り果てて河面を漂い、「花筏 流れを変へし 石一つ」(安原久雄)ではくやまれよう。
太田川沿いの路面に散った落花の雪。顔を上げれば樹上はもう若葉だ。花に続き、実もたわわに付き、惜しまれて去る。そんなトップが育ちにくい政治の土壌が気になる。
何時も天付録のタイトルは自分が勝手に付けています。
今日の写真 サクラ
ひらりはらりと桜の花びらが落ちる速さは1秒間に1メートルほど。「落花の雪」の例えもあるように、雪片の落下速度とほぼ同じという。風があれば宙に舞う。「中空に とまらんとする 落花かな」(中村汀女)。花の命が惜しまれる一瞬だろう。
咲くたびに「春が来た」と感じるのは梅か桜まで、やがてフジ、ツツジの開花で「行く春」を思うー。お天気博士の倉嶋厚さんは季節の移ろいを花木に託す。寒の戻りで、とどまっていた春。花が散り始め、ようやく次の場面に移ろうとしている。
7ヵ月余り前、政権交代の花を咲かせた鳩山内閣はどうだろう。政治とカネの問題が幹を揺すり、樹勢は見る影もない。小鳥の枝移りよろしく、あの案この案と迷走してきた普天間移設問題。オバマ大統領に会った首相は「5月末決着」をと約束してきた。
どこまで命がけで動いてきたのか、移設先のめどは全く立っていない。政権のつまずきの石になりそうで、政変説もささやかれる。このまま散り果てて河面を漂い、「花筏 流れを変へし 石一つ」(安原久雄)ではくやまれよう。
太田川沿いの路面に散った落花の雪。顔を上げれば樹上はもう若葉だ。花に続き、実もたわわに付き、惜しまれて去る。そんなトップが育ちにくい政治の土壌が気になる。
何時も天付録のタイトルは自分が勝手に付けています。
今日の写真 サクラ