「ソラリスの陽のもとに」スタニスワフ・レム
こむつかしそう、と思いきや、
読みやすい。
惑星ソラリスの広大な海。
思考する海との、未知との遭遇。
ソラリスの研究を続ける人類。
新たにクルーに加わったケルビン博士。
到着早々、宇宙ステーションの様子がおかしい。
そして、ある朝目覚めると、亡き妻が目の前に…
まったくコミュニケーションが取れない知的物質に手をやく人類。
発見から、探索、研究の歴史をはさみつつ。
ものすごく、ラブストーリー。
人間の脳内まで観察しているらしい不気味な海。
何を考えているのか、まるで謎。
そして得体の知れない、かつての身近な人物。
彼女では無いけれど、彼女そのもの…
精神的に追い詰められるクルーたち。
もはや、サイコサスペンス。
その上、切ない愛の物語。
物質は違っても、愛は存在するんですな。
何度でも繰り返される複製。
まるでソラリスが人間を実験しているよう。
人間だって、研究と言えば同じ事をさんざ繰り返し、記録し、分析するが…
知能はあっても、意思の疎通が図れない恐ろしさ、不気味さ。
タコ足の宇宙人の方が、よっぽどコミュニケーションとれそう。
他の学者たちの前に現れた人物が気になってしょーがない。
どういう関係だった人なのか、分からないのが、残念。
タルコフスキー監督版、『惑星ソラリス』(1972年)は、
地球恋しい~という映画だと思った記憶が…
かなり昔に観たので、詳細は覚えてないけど。
地球に対する望郷を描いた作品だと思ったような…
ソダーバーグ監督バージョンの『ソラリス』(2002年)は
予告編が良かった事しか、覚えてない始末。
本編観たはずなんだがなぁ。。。
なんか映画だけだと、理解及ばずな点が多いなぁ。
SFは特にそうなのかもしらんが。
原作読んで改めて映画観たら、違う感想になるな。