木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

《ムーンライズ・キングダム》

2013-02-14 19:17:35 | 日記


『ムーンライズ・キングダム』(2012年)

『ファンタスティック Mr.FOX』(2009年)を、そのまま人間に置き換えたような作品。
セット、ファッション、小道具と全て揃って幸せ~な画面作り。
どこを切っても、どのシーンも全てポストカードになりそう。
捨てるトコ無しの、ませガキ・トレジャー・ボックス。

一匹狼のサムはボーイスカウトを脱走し、
猟奇的なガールフレンド、スージーと合流。
問題児扱いされる事に嫌気がさしたふたりは、逃亡。
キャンプしながら(ボーイスカウト・スキル、フル活用!)の駆け落ち。
警察、ボーイスカウト、保護者、福祉局を巻き込み島は大騒ぎ。
時同じくして、かつてない大規模ハリケーンが島に迫っていた…

独特のテンポでおくるウェス・アンダーソン監督ワールド炸裂。
最初から最後まで、面白いとも言えるし、
ちっとも面白くならない、とも言える。
ちょっと面白い事が、興味深く展開するというべきか。
風変わりなまったり感。
1テンポ外したのんびり感。
心地好いと感じる人、面白いと感じる人、真綿で首を絞められてると感じる人。
観る人によって、かなり受け止め方は違うはず。
良い悪いではなく、感覚の違いですな。

映画としては、監督のベスト作品では無いものの。
個人的には、(もしDVD買ったとしたら)流しっぱなしにしときたい映画。
画面の幸福度、高し。


『ムーンライズ・キングダム』(2012年)
監督・製作・脚本:ウェス・アンダーソン、脚本:ロマン・コッポラ、プロダクションデザイン:アダム・ストックハウゼン
出演:ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド
ティルダ・スウィントン、ジャレッド・ギルマン、カーラ・ヘイワード、ジェイソン・シュワルツマン