木のぼり男爵の生涯と意見

いい加減な映画鑑賞術と行き当たりばったりな読書によって導かれる雑多な世界。

《Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち》

2013-02-09 23:48:02 | 日記


『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(2011年)

舞踏家ピナ・バウシュの代表的な舞台から厳選されたシーンの数々。
そして、ダンスは劇場の外へ。
公園、工場、プ、プール?駅、道路、さ、砂漠?
ありとあらゆる景観を従え踊る人々。
空間と身体表現を同時に楽しむという贅沢さ。
本作製作中でのピナの急逝。
ダンサー達の、彼女との思い出や彼女への思いが綴られる。

いきなり倒れる。
突如、しなだれかかる。
この、委ねっぷりがハンパない。
身体を使っての対話。

砂まみれ、水浸しで踊るダンサーたち。
え?酔拳?
ちょっと似てる動きもあるさ。
あれ?貞子?
そういう時もあるさ。
パラノーマル・アクティビティ?
まあね。。。

土を敷き詰めてのダンスは迫力満点。
そうかと思うと、春夏秋冬をとてもささやかな動きで表現したり。
(この動きはちょっとマネしたくなる)
雨水豪快ぶっかけダンス。
(ぶっかけって言葉を教えてあげたい…)
障害物ダンスでは、椅子をどけてもらいながら踊る。
まるでゲーム。
まさに人間関係。
さすがに、お魚になって池に飛び込んだ時は仰天したぜよ。

ピナ自身が踊る姿は、カリスマ性がスゴい。
存在が発散する表現力。
身体が語る美しさ。
そう言えば、
アルモドバル監督の『トーク・トゥ・ハー』(2002年)で踊ってました。

創造する、生み出すってのは、スゴイ事なんだ、と実感。
ダンスファンの為、というよりクリエイター、表現者へのメッセージに思える作品。

個人的には、あまり好きでないダンスも有るが、
スゴイと思うし、面白いとも思う。

『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』(2011年)
製作・監督・脚本:ヴィム・ヴェンダース、振付:ピナ・バウシュ、撮影:エレーヌ・ルヴァール、音楽:トム・ハンライヒ
出演:ピナ・バウシュ、ヴッパタール舞踊団