『皆殺しのジャンゴ』(1968年イタリア)
マカロニ、きた~!!
というか、くる~!!
タランティーノのジャンゴ観る前に、
いっちょう他のジャンゴをチェックしとくか。
なんとも安直な映画鑑賞術。
気にしない、気にしない。
とは言え、久々のマカロニ。
期待し過ぎ厳禁、と自分に言い聞かせつつ…
厳かに鑑賞。
始まるやいなや、
あっけなくもイッキにマカロニ気分。
オープニング・クレジットからして、GOOD。
いかにもな歌にテンション上昇。
申し分の無いマカロニ・ウエスタンに酔う。
マカロニ・ワールドにどっぷり。
いい湯だな、アハハ~ン状態。
ジャンゴ役のテレンス・ヒルは普通に見映えが良く整った顔立ち。
悪役も粒ぞろい。
ニヒルな悪役顔が有りがたや。
そして、バカに出来ない脚本。
しびれるセリフ。
心得た音楽の使い方。
実力作!!
金(ゴールド)を輸送中に強盗団に襲われ、
銃撃で妻を亡くしたジャンゴ。
それから、五年─。
絞首刑執行人として働くジャンゴは、秘かに仲間を集めていた。
復讐の時を待つジャンゴに、ついに機会が訪れるが…
基本的に裏切りありき、な展開。
オウムに話しかける素朴な男、ジャンゴ。
野心あふれる政治家デイヴィッドの抜け目無さ。
ギャングのボス、ルーカスの荒々しさ。
苦労人ガルシアの欲に目が眩んだ姿。
それを悲しく受け入れる妻。
なんだかんだ言ってジャンゴに協力する郵便局のオヤジ。
どの役も見所が有るという見事さ。
やり過ぎない演技に過剰な事態がなんとも魅力。
過剰な事態!これこそがマカロニのマカロニたる証し。
二言目にはビンタが飛び、
鞭がしなり、炎が燃え上がり、
銃の腕前やら性能無視で展開する銃撃戦。
マカロニ魂、炸裂~!!
ここでジャンゴのせりふをば少し。
“俺に分かるのは1つ。お前は俺を裏切った─”
“五年間に渡る強盗と殺人。その罪は重い。俺からの助言だ─償え”
どーゆー顔して言ったらいいんすか~?こんなセリフ!
底なしの単純バカに見える危険度高し。
聞いてるこっちが、こっぱずかしいわぃ!なストレートさ。
色んな意味で痺れる~。
仲間の集め方がワザ有り。
そして、ピストルを渡すの時の驚きの小ワザ。
ラストの驚愕の大ワザ。
泣く子も黙る…というかそれどころじゃなくなる皆殺しジャンゴ!!
充実のマカロニ体験。
しかも、
イタリア語と英語を収録。
言葉が違うと雰囲気がガラリと変わり、これまた楽しいのさ。
『皆殺しのジャンゴ』(1968年イタリア)
監督・脚本:フェルディナンド・バルディ、脚本:フランコ・ロゼッティ、音楽:ジャンフランコ・レヴェルベリ
出演:テレンス・ヒル、ホルスト・フランク、ジョージ・イーストマン、ホセ・トーレス
挿入歌:"You'd Better Smile" Nicola Di Bari(ニコラ・ディ・バリ)