『MAD探偵 7人の容疑者』(2007年)
画家ゴッホが刑事だったら?というアイデアから生まれた作品。
MADな要素の一つに、確かにゴッホが!
そして特殊能力。
持っててもちっとも嬉しくない能力ではあるが…
なんせ、多重人格者の全ての人格が見えるという才能。
要らんな、こんなパワー。
まるで悪夢のようなスキルは、
犯人も自分も追い詰めてしまうという…
それじゃプラマイ・ゼロだがや。。。な状況。
更に追い討ちをかけるような奇妙な捜査方法。
犯人や被害者と同じ状況、同じ気持ちになるという手法。
階段から転がり落ちたり、土に埋まってみたり。
容疑者と同じメニューを延々と、
何かを見出すまで繰り返し食べ続ける…
無茶だしょー。
無理でしょー。
な訳でMAD探偵。
エキセントリックな捜査で有名だったバン刑事。
異常な行動が原因で職を失った彼の元に、ホー刑事が尋ねてくる。
ある刑事が失踪し、彼の銃が犯罪に使われているという一連の事件。
解決に協力して欲しいと依頼されたバンは、捜査を開始。
失踪した刑事の相棒コウ刑事を探りだすが、
なんと彼には+7人の人格が…
愛した女の中に見出す人格。
切なく悲しいラブ・ストーリー。
本来の人格が森に置き去りにされる無力感が寂しいコウ刑事。
ホー刑事は、捜査に行き詰まり不安と恐怖で少年の人格が…
人の内面が、見たくなくても見えてしまう不幸を背負った男。
生き抜く為に、他の人格を生み出してしまうハード・ライフ。
欲を言えば。
映像がも~っとスタイリッシュだったらなぁーというとこか。
美しさとまでは言わんが…
それか、サントラに力をいれるとか?
まぁ、お洒落さは求めんが…
ある程度のクールさは欲しいところ。
デヴィッド・フィンチャーとかがリメイクしたりしない?
映像特典のインタビューが充実。
内容が濃く、聞き応えあり。
『MAD探偵 7人の容疑者』(2007年)
製作・監督:ジョニー・トー、ワイ・カーファイ、脚本:オー・キンイー、ワイ・カーファイ
出演:ラウ・チンワン、ラム・カートン、ケリー・リン、アンディ・オン