■「第1回記念九州支部・団体交流戦」熱戦譜-A級3R▲清田健一VS△早咲誠和（平成19年8月12日）

★「第１回記念九州支部・団体交流戦」熱戦譜
　［Ａ級３回戦］▲清田健一　対　△早咲誠和
　（平成１９年８月１２日：熊本日日新聞社）

※指し手解説　早咲誠和氏

手前（左）清田　（右）早咲

▲清田健一（八代）
△早咲誠和（大分中央）


　　▲７六歩　　△８四歩　　　　　（Ａ）四間飛車を選択。
　　▲６六歩　　△６二銀　　　　　（Ｂ）緩急両用の銀。
　　▲６八飛（Ａ：第１図）
　　　　　　△３四歩
　　▲４八玉　　△４二玉
　　▲３八玉　　△３二玉
　　▲２八玉　　△８五歩
　　▲７七角　　△５四歩
　　▲７八銀　　△５三銀（Ｂ）
　　▲３八銀　　△５二金右（第２図）



　　▲１六歩　　△３三角　　　　　（Ｃ）早い角交換狙い。先手だけに早い動き
　　▲６五歩（Ｃ）　　　　　　　　　　　を狙っている。
　　　　　　　　△４四歩（Ｄ）　　（Ｄ）角交換もあるがじっくりとした戦いを
　　▲７五歩　　△７二飛（Ｅ）　　　　　選択。
　　▲６七銀　　△２二玉　　　　　（Ｅ）手筋の飛車寄り。▲６六飛には△７四
　　▲７八飛（Ｆ：第３図）　　　　　　　歩で後手ペースになりやすい。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（Ｆ）戦いの筋に飛車を転回するのは振り飛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　車の基本。





　　　　　　　　△８二飛（Ｇ）　　（Ｇ）△７四歩▲同歩△同飛には▲４四角
　　▲９八香　　△３二金　　　　　　　　（参考１図）がある。
　　▲１五歩　　△４三金右（Ｈ）　（Ｈ）後手も離れ駒がなくなり一安心。強い
　　▲６八角　　△８四飛　　　　　　　　戦いができる。
　　▲７六飛（Ｉ）　　　　　　　　（Ｉ）先手は石田流へ。
　　　　　　　　△９四歩　　　　　（Ｊ）先手が不備なことに目をつけての開
　　▲９六歩　　△４五歩　　　　　　　　戦。一歩交換だけではなく、このまま
　　▲７七桂　　△６四歩（Ｊ：第４図）　決戦にしてしまうことが狙い。
　　　







　　▲６六銀（Ｋ）　　　　　　　　（Ｋ）形は悪いがこの一手。
　　　　　　　　△６五歩　　　　　（Ｌ）急所の垂れ歩。これでペースが掴める
　　▲同　銀　　△６六歩（Ｌ）　　　　　とみている。
　　▲５八金左　△６四銀（第５図）









　　▲５六銀（Ｍ）　　　　　　　　（Ｍ）銀交換しては銀の打ち込みが厳しすぎ
　　　　　　　　△９五歩　　　　　　　　ていけない。柔らかくかわしてじっと
　　▲同　歩　　△５五銀　　　　　　　　耐える。
　　▲４五銀（Ｎ）　　　　　　　　（Ｎ）かわして後手に手がなければ▲５九角
　　　　　　　　△８六歩　　　　　　　　とできるのだが。
　　▲同　歩　　△９五香（Ｏ）　　（Ｏ）狙いの香捨て。▲同香は△６七歩成▲
　　▲５六歩　　△４四銀（Ｐ）　　　　　同金△６六歩（参考２図）で終了。
　　▲８五歩（Ｑ：第６図）　　　　（Ｐ）銀をぶつけて銀取りと香取りが受から
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ないようにみえる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（Ｑ）間一髪のこの手でバランスを取る。飛
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　車の行動範囲が広がったのが大きい。




　　　　　　　　△４五銀（Ｒ）　　（Ｒ）じっと飛車を逃げる手もあったが強く
　　▲８四歩　　△６七銀　　　　　　　　踏み込む。
　　▲８六飛　　△５八銀成（Ｓ）　（Ｓ）角ではなく金を取るのが急所。終盤は
　　▲同　金　　△５六銀　　　　　　　　金を取ることが第一目的にあるといっ
　　▲１四歩（Ｔ）　　　　　　　　　　　てよい。
　　　　　　　　△同　歩（第７図）（Ｔ）もう先手に受けはない。受けがないと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　きは受けないというのがセオリー。先
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　手も受けながら駒をもらったので反撃
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　に期待できる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　▲６一飛　　△６七歩成　　　　（Ｕ）飛車を引かせてじっと駒を補充する。
　　▲同　金　　△同銀成　　　　　　　　難しいところだが駒得と先手玉の薄さ
　　▲同飛成　　△９八香成（Ｕ）　　　　が大きく、後手有利といえる。
　　▲１三歩（Ｖ）　　　　　　　　（Ｖ）端攻めしか手はない。
　　　　　　　　△同　香　　　　　（Ｗ）得した香車が受けに使えては形勢は
　　▲１五歩　　△同　歩　　　　　　　　はっきりしてきた。
　　▲１四歩　　△同　香
　　▲２五銀　　△１一香（Ｗ：第８図）




　　▲１三歩　　△同　香　　　　　（Ｘ）角切りの強襲。しかし先手玉の薄さが
　　▲同角成（Ｘ）　　　　　　　　　　　気になる。
　　　　　　　　△同　玉　　　　　（Ｙ）冷静に玉を引いておけば後続が難し
　　▲１四銀　　△２二玉（Ｙ）　　　　　い。先手玉は△４八金だけで受けにく
　　▲４九香　　△７九角（Ｚ）　　　　　くなるので一旦は受けるしかなさそう
　　▲６八歩（ａ）　　　　　　　　　　　だ。
　　　　　　　　△９七角成　　　　（Ｚ）難しい角打ち。ここからのマジック
　　　　　　　　　　　（第９図）　　　　を解くのは難しい。しかしこの角打ち
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　が打てる人は少ないだろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（ａ）時間のない中でこの歩は打ちたくなる
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ところだが打たないほうがよかった。



　　▲２六飛　　△７五馬（ｂ）　　（ｂ）マジックのような馬の位置。歩を使っ
　　▲２五香（ｃ）　　　　　　　　　　　たので▲６六歩とも打てない。先手玉
　　　　　　　　△１三金（ｄ）　　　　　の最急所の３九の地点を睨んでいるた
　　▲同銀成　　△同　桂　　　　　　　　め受けるしかないが。
　　▲１四銀　　△３九銀（ｅ）　　（ｃ）詰めろで打ってみたい香だが敗着。
　　▲１七玉（第１０図）　　　　　　　　じっと▲４八香打とするしかなかっ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　た。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｄ）強く銀当たりに金を打つのが好手。銀
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　が入れば△３九銀がある。
　　　　　　　　　　　　　　　　　（ｅ）この銀が入っては美濃囲いは持たな
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　い。




　　　　　　　　△１六金　　　　　（ｆ）以下は詰み。
　　▲同　飛　　△同　歩（ｆ）
　　▲同　玉　　△１五飛
　　▲２六玉　　△５三馬（最終図）
　　まで１０６手で早咲さんの勝ち









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