★「第1回記念 九州支部・団体交流戦」熱戦譜
[A級4回戦]▲田代将 対 △山口孝貴
(平成19年8月12日:熊本日日新聞社)
※指し手解説 早咲誠和氏
◆対局者棋歴
<田代将氏>
今年の支部名人戦福岡県代表、朝日アマ北部九州大会代表2回、
アマ名人戦福岡県代表3回。福岡県トップクラスの強豪。
<山口孝貴君(小4)>
2007年JT将棋日本シリーズ熊本こども大会高学年の部優勝
2006年JT将棋日本シリーズ熊本こども大会低学年の部準優勝
※本ブログからリンクを貼っているブログ「EMIとタボの将棋世界」で
日々将棋に打ち込むTABO君の姿を見ることができます。中1の
お姉さんも有段者、本大会にも参加しています。将来女流プロに
なるかもしれません。
▲田代将 (福岡筑紫野支部A)
△山口孝貴(都城・三股支部)
▲7六歩 △3四歩 |(A)三間飛車が有力。しかしまだ決まった
▲7五歩(A) | わけではない。
△4四歩(B) |(B)相振り志向。
▲7八飛 △4二銀 |(C)先手は経験の差でゆさぶりをかける。
▲7四歩 △同 歩 |(D)交換した歩を打つ手は普通だが相振り
▲同 飛 △4三銀(第1図)| の場合はすぐに打たないほうが得の場
▲9六歩(C) | 合が多い。ここは△3ニ飛が有力。
△7三歩(D) |(E)ここだと△3ニ飛が回れない。(▲2
▲7六飛 △3三角(E: | 六飛があるため)
第2図)|
▲9七角(F) |(F)この手が好手。これで後手はダイレク
△5二飛 | トに向飛車にできなくなった。△7三
▲6八銀 △6二玉 | 歩の罪。
▲8六歩(G) |(G)機敏な手。この手で後手は穴熊にも美
△7二玉 | 濃囲いにもしづらい。
▲8五歩 △8二銀 |(H)後手1手損向飛車へ。こうしないと飛
▲4八玉 △6二金 | 車の活用ができない。先手リードの序
▲3八銀 △2二飛(H: | 盤戦。
第3図)|
▲3六歩(I) |(I)作戦の一つであるがこうした駒組を進
△2四歩 | める展開になると後手の手損が響きに
▲3七銀 △5二金上 | くい。ここは美濃囲いのまま攻撃態勢
▲3八金 △4五歩 | を整えるほうが後手は手が間に合わな
▲7七桂 △5四銀 | いのでつらい。
▲5八金 △4四角(J) |(J)ここまで進むと後手の角銀の働きが先
▲3九玉(第4図) | 手よりもよくなっている。形勢は振り
| 出しに。
△3五歩(K) |(K)先手の飛車の横利きが通っている段階
▲同 歩 △同 角 | でこの手は疑問。△3三桂から端歩を
▲3六飛(L) | 突いて充分の形。
△3二飛(M) |(L)すかさず反撃。この手があるので歩交
▲2八玉 △3四飛(第5図)| 換は疑問だった。
|(M)狙いの手だが(▲2六銀に△5七角
| 成)、普通に▲4八金左△2五歩とす
| ればやはり先手ペース。
▲7五角(N) |(N)▲2六銀には△4六角があるので先ほ
△3三桂(O) | どの玉上がりはあまりいい手ではなか
▲8四歩(P) | った。
△同 歩 |(O)次の△2五桂跳ねを受けづらい。
▲同 角 △2五桂 |(P)のんびりと歩交換している場合ではな
▲2六銀 △4六角(Q: | い。
第6図)|(Q)王手飛車が決まる。後手有利。
▲同 歩 △3六飛 |(R)勝負手だが、先手劣勢。
▲3七歩 △4六飛 |(S)急所の歩で攻め続けるが飛車を成って
▲6六角(R) | おく手もあった。
△3六歩(S) |(T)鋭い攻め筋。斜めのラインは受けにく
▲4七歩 △3七歩成 | い。
▲同 桂 △6六飛 |(U)手筋の歩突き。大駒は近づけて受け
▲同 歩 △3六歩 | よ。後手快調のようだが自陣のコビン
▲2五桂 △6四角(T) | に借金を抱えているため決めそこなう
▲4六歩(U:第7図) | と大変。
△同 歩(V) |(V)疑問。△2五歩▲同銀△4六角で充
▲7六桂(W) | 分。
△5五角 |(W)厳しい手。これで形勢不明に。
▲5六歩 △4七歩成 |(X)痛烈。大駒3枚持っているのは大き
▲5五歩 △3八と | い。
▲同 玉 △2五歩 |(Y)鋭い手。攻防に利いている。
▲8三歩(X) |
△7一銀 |
▲4一飛(Y:第8図) |
△4六桂(Z) |(Z)つらい手。本来なら△2六歩と詰めろ
▲同飛成 △2六歩 | で銀を取りたいが、▲8四桂△8三玉
▲8四桂 △6一玉 | ▲5六角(参考1図)と詰めろ逃れの
▲3六竜 △2七歩成 | 王手を打たれては負け。
▲同 竜(a) |(a)冷静に玉の周りを掃除する。局面をよ
△8九飛 | くしてからの指し方に注目してもらい
▲7二歩 △8四飛成 | たい。
▲7一歩成 △同 玉 |
▲8二角 △6一玉 |
▲2一竜 △4一歩(第9図)|
▲9一角成 △4六桂 |
▲2七玉 △5五銀 |
▲4一竜 △5一金打 |
▲2一竜 △3一歩 |
▲8二歩成 △2六歩 |
▲同 竜 △4一金 |
▲8一馬 △3八銀 |
▲3七玉 △4四竜 |
▲5七金 △4九銀不成 |
▲4七銀(第10図) |
△4五歩 |
▲7一馬 △5一玉 |
▲7二と △2五歩 |
▲同 竜 △2四歩 |
▲3六竜 △7二金 |
▲同 馬 △3二歩 |
▲3四金 △8四竜 |
▲4三桂 △同 金 |
▲同 金 △4二金 |
(第11図) |
▲5二金打 △同 金 |
▲同 金 △同 玉 |
▲3二竜 △4二金 |
▲6二金(最終図) |
まで、139手で田代さんの勝ち|
◆関連リンク
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」結果(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-入賞チーム(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-A級1回戦(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-A級2回戦(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-A級3・4回戦(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-B級(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-開会式(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-熱中編(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」熱戦譜-[A級3回戦]▲上原亮 対 △後藤伊織(平成19年8月12日:熊本日日新聞社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」熱戦譜-[A級3回戦]▲清田健一 対 △早咲誠和(平成19年8月12日:熊本日日新聞社)
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[A級4回戦]▲田代将 対 △山口孝貴
(平成19年8月12日:熊本日日新聞社)
※指し手解説 早咲誠和氏
一番手前 (左)田代 (右)山口 |
◆対局者棋歴
<田代将氏>
今年の支部名人戦福岡県代表、朝日アマ北部九州大会代表2回、
アマ名人戦福岡県代表3回。福岡県トップクラスの強豪。
<山口孝貴君(小4)>
2007年JT将棋日本シリーズ熊本こども大会高学年の部優勝
2006年JT将棋日本シリーズ熊本こども大会低学年の部準優勝
※本ブログからリンクを貼っているブログ「EMIとタボの将棋世界」で
日々将棋に打ち込むTABO君の姿を見ることができます。中1の
お姉さんも有段者、本大会にも参加しています。将来女流プロに
なるかもしれません。
▲田代将 (福岡筑紫野支部A)
△山口孝貴(都城・三股支部)
▲7六歩 △3四歩 |(A)三間飛車が有力。しかしまだ決まった
▲7五歩(A) | わけではない。
△4四歩(B) |(B)相振り志向。
▲7八飛 △4二銀 |(C)先手は経験の差でゆさぶりをかける。
▲7四歩 △同 歩 |(D)交換した歩を打つ手は普通だが相振り
▲同 飛 △4三銀(第1図)| の場合はすぐに打たないほうが得の場
▲9六歩(C) | 合が多い。ここは△3ニ飛が有力。
△7三歩(D) |(E)ここだと△3ニ飛が回れない。(▲2
▲7六飛 △3三角(E: | 六飛があるため)
第2図)|
▲9七角(F) |(F)この手が好手。これで後手はダイレク
△5二飛 | トに向飛車にできなくなった。△7三
▲6八銀 △6二玉 | 歩の罪。
▲8六歩(G) |(G)機敏な手。この手で後手は穴熊にも美
△7二玉 | 濃囲いにもしづらい。
▲8五歩 △8二銀 |(H)後手1手損向飛車へ。こうしないと飛
▲4八玉 △6二金 | 車の活用ができない。先手リードの序
▲3八銀 △2二飛(H: | 盤戦。
第3図)|
▲3六歩(I) |(I)作戦の一つであるがこうした駒組を進
△2四歩 | める展開になると後手の手損が響きに
▲3七銀 △5二金上 | くい。ここは美濃囲いのまま攻撃態勢
▲3八金 △4五歩 | を整えるほうが後手は手が間に合わな
▲7七桂 △5四銀 | いのでつらい。
▲5八金 △4四角(J) |(J)ここまで進むと後手の角銀の働きが先
▲3九玉(第4図) | 手よりもよくなっている。形勢は振り
| 出しに。
△3五歩(K) |(K)先手の飛車の横利きが通っている段階
▲同 歩 △同 角 | でこの手は疑問。△3三桂から端歩を
▲3六飛(L) | 突いて充分の形。
△3二飛(M) |(L)すかさず反撃。この手があるので歩交
▲2八玉 △3四飛(第5図)| 換は疑問だった。
|(M)狙いの手だが(▲2六銀に△5七角
| 成)、普通に▲4八金左△2五歩とす
| ればやはり先手ペース。
▲7五角(N) |(N)▲2六銀には△4六角があるので先ほ
△3三桂(O) | どの玉上がりはあまりいい手ではなか
▲8四歩(P) | った。
△同 歩 |(O)次の△2五桂跳ねを受けづらい。
▲同 角 △2五桂 |(P)のんびりと歩交換している場合ではな
▲2六銀 △4六角(Q: | い。
第6図)|(Q)王手飛車が決まる。後手有利。
▲同 歩 △3六飛 |(R)勝負手だが、先手劣勢。
▲3七歩 △4六飛 |(S)急所の歩で攻め続けるが飛車を成って
▲6六角(R) | おく手もあった。
△3六歩(S) |(T)鋭い攻め筋。斜めのラインは受けにく
▲4七歩 △3七歩成 | い。
▲同 桂 △6六飛 |(U)手筋の歩突き。大駒は近づけて受け
▲同 歩 △3六歩 | よ。後手快調のようだが自陣のコビン
▲2五桂 △6四角(T) | に借金を抱えているため決めそこなう
▲4六歩(U:第7図) | と大変。
△同 歩(V) |(V)疑問。△2五歩▲同銀△4六角で充
▲7六桂(W) | 分。
△5五角 |(W)厳しい手。これで形勢不明に。
▲5六歩 △4七歩成 |(X)痛烈。大駒3枚持っているのは大き
▲5五歩 △3八と | い。
▲同 玉 △2五歩 |(Y)鋭い手。攻防に利いている。
▲8三歩(X) |
△7一銀 |
▲4一飛(Y:第8図) |
△4六桂(Z) |(Z)つらい手。本来なら△2六歩と詰めろ
▲同飛成 △2六歩 | で銀を取りたいが、▲8四桂△8三玉
▲8四桂 △6一玉 | ▲5六角(参考1図)と詰めろ逃れの
▲3六竜 △2七歩成 | 王手を打たれては負け。
▲同 竜(a) |(a)冷静に玉の周りを掃除する。局面をよ
△8九飛 | くしてからの指し方に注目してもらい
▲7二歩 △8四飛成 | たい。
▲7一歩成 △同 玉 |
▲8二角 △6一玉 |
▲2一竜 △4一歩(第9図)|
▲9一角成 △4六桂 |
▲2七玉 △5五銀 |
▲4一竜 △5一金打 |
▲2一竜 △3一歩 |
▲8二歩成 △2六歩 |
▲同 竜 △4一金 |
▲8一馬 △3八銀 |
▲3七玉 △4四竜 |
▲5七金 △4九銀不成 |
▲4七銀(第10図) |
△4五歩 |
▲7一馬 △5一玉 |
▲7二と △2五歩 |
▲同 竜 △2四歩 |
▲3六竜 △7二金 |
▲同 馬 △3二歩 |
▲3四金 △8四竜 |
▲4三桂 △同 金 |
▲同 金 △4二金 |
(第11図) |
▲5二金打 △同 金 |
▲同 金 △同 玉 |
▲3二竜 △4二金 |
▲6二金(最終図) |
まで、139手で田代さんの勝ち|
◆関連リンク
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」結果(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-入賞チーム(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-A級1回戦(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-A級2回戦(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-A級3・4回戦(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-B級(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-開会式(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」写真集-熱中編(平成19年8月12日:熊本日日新聞社本社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」熱戦譜-[A級3回戦]▲上原亮 対 △後藤伊織(平成19年8月12日:熊本日日新聞社)
→「第1回記念 九州支部・団体交流戦」熱戦譜-[A級3回戦]▲清田健一 対 △早咲誠和(平成19年8月12日:熊本日日新聞社)
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