安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

バタフライ エフェクト

2022年02月16日 | 月刊ブログ

 私は、この学校に、どれだけの足跡を残せたのだろうかと考えることがあります。

 この学校を卒業する学生は、これから自分の人生を歩み、その自らの道程に足跡を残していきます。振り返ってみたときに、この道が、自分が辿った人生だと誇らし気に話すことができるのでしょうか。いろんなことがあっても、今の自分が自分自身であれば、それが成功者であり、自分の人生に深く足跡を残すことができたことになるのではないかと思います。

 

 立春が過ぎ、暖かくなるはずが、一転、全国に寒波が押し寄せています。中国北京では、冬季オリンピックが白熱しています。コロナ感染の中、選手スタッフは細心の注意を払って参加しています。国際情勢がいろいろあっても、スポーツの祭典「オリンピック」は、世俗を超えての神聖な別物です。国際大会では、開催国の価値観や様々な民族の文化を超えた平等で公正な評価がなされるべきです。これまでこの日のために努力を重ねたアスリートたちの力がこの晴れの舞台で存分に発揮できることを祈っています。そして、彼らの輝く姿から、次世代に繋がっていくことを予感しています。

 

 学校では、学年末試験が終了し、第1回の卒業認定が発表されました。翌日から出席日数が足らなかった学生に対して、補講が行われています。まずはこのような状況になったことの経緯と反省を作文にしてもらいます。ここを卒業すると皆社会人になるわけで、その心構えをしっかりつけてほしいと思います。

 卒業に向けては、アルバムづくりも行われています。本校では、アルバムは、クラスごとにそれまでに撮りためていた写真を使って自分たちで作っています。今回は本校最後の卒業式となります。いつもは在校生が作っているウェルカムボードを、私たち職員がサプライズで、作ろうということになりました。写真のほとんどはマスク顔ですが、アルバム用にマスクを外した写真を撮っておいたのをレイアウトすると、見慣れない顔々が並んでいきました。2年生でも、入学してからずっとマスク生活だったから、本当のハンサム顔や、美人顔が、卒業のこの時にやっと見ることができました。

 

 先日、「バタフライエフェクト」という言葉を聞いて、そのミステリアスなイメージに心魅かれて、その意味を辿ってみました。本来はカオス理論の用語だそうですが、“蝶の羽ばたきが、巡り巡って竜巻を起こす”という自然気象の分野での言葉として使われています。科学的な微小な誤差が巡り巡って大きな変化を引き起こす。自然現象は時間の経過に従ってその状態を変えていく変化の法則なのです。歴史は、このバタフライエフェクトの積み重ねと言ってもいいかもしれないと、解説してありました。

 

 私たちの日常でもこのようなことが起こりうるかもしれません。一人の何気ない言動によって、社会全体に大きな波紋を広げたり、それによってある人の人生が変わったり、偶然の出会いでその人の未来が大きく開けたりすることもあります。これもバタフライエフェクトと言えるのではないでしょうか。

 以前、高校のガイダンスで、私の話を聞いてこの学校を選んだと話をしてくれた人がいました。この学校で、目標を見つけて努力を重ね、夢を叶えることができたと、卒業の時に初めてその話をしてくれました。あの時、ガイダンスで出会わなければ、この学校に来ることもなかったと聞いて、縁を感じるとともに、ポピュラーな意味での「バタフライエフェクト」ではないかと思いました。

 何年も、親しくさせてもらっている年上の友人たちも、ある講座でたまたま同じグループになったことからのお付き合いになりました。その後、私はそのお二人からたくさんの影響を受け、新たな学びに挑戦することができました。

 日本では、「縁」という言葉で表すこともあります。この出会いや出来事によって、歴史が大きく変わっていったことも、現在から俯瞰すると長い年月の間で証明されています。

 

 この学校で、たくさんの人との関わりで、私たちの言動は少なからず影響を与えてきたのだろうと思います。この学校を通過していったたくさんの人たちの記憶の中に、私たちはいくつの足跡を残すことができたのだろうかと、振り返る日々です。

 

 今月の写真は、蝋梅(ロウバイ)です。紅梅白梅より一足先に、甘い香りを私たちに届けてくれます。蝋のように艶のある肉厚な黄色い花びらは、「梅」という文字がついていますがロウバイ科の落葉低木です。雪中四友(せっちゅうしゆう)と呼ばれる雪の中で咲く 四つの花のひとつです。寒い冬、春がもうすぐやってきそうな気がします。蝋梅(ロウバイ)のよい香りにときめきながらたくさんの植物が芽吹く季節を待つことにします。

 

Photo by Mizutani


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。