安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

大丈夫!

2021年01月19日 | 月刊ブログ

 先週は、数年ぶりの大雪に見舞われ、県内の交通は完全にストップしてしまいました。学校では、本科の授業や夜間講座、説明会なども延期とせざるを得ない状況でした。一歩も外に出られない状況で、私は、お正月の片付け物をしたり、撮りためておいた録画を見たりしてゆっくりと過ごす時間に充てることができました。

 

 昨年は、NHKの朝ドラでは「エール」という番組が放送されました。作曲家の古関 裕而さんの生涯を扱った作品でしたが、時期を合わせたようにコロナ感染症や自然災害などで大きな被害が出て、その時たくさんの人たちが、その「エール」の番組や歌に励まされたといいます。

 歌や音楽には、人をひきつけ人を感動させる力があります。番組内で流れた全国高校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」のアカペラでの熱唱には、きっとたくさんの方々が感動し涙したことと思います。昨年は、高校球児が青春をかけてきた「夏の甲子園大会」が中止になったからでした。

 現在もコロナ禍で世界中が様々な恐怖と戦っていますが、みんなでこの危機を乗り越えようと頑張っているたくさんの方々にエールが届きますように。

 

 最近「大丈夫」という言葉をよく使うようになりました。本来、「大丈夫」は「丈夫」という言葉に強調の接頭語がついてできた言葉です。「丈夫」は一人前の男子のことで、それが転じて健康なさまやしっかりしていて壊れない様子のことを意味していました。また大丈夫(だいじょうふ、だいじょうぶ)は、「丈夫」にさらに物事が優れていることを意味する「大」をつけたもので「一人前の男子のなかでも、とりわけ優れている者」をさし、転じて、「危なげがなく非常にしっかりした様や間違いのない様」を意味していると国語辞書にも記されています。

 このように古来から使われてきた「大丈夫」が、今は様々な場面で頻繁に使われるようになりました。言葉は、時代とともに少しずつ、その用い方や込められた意味が変化していくといいます。

 「大丈夫」も本来の強いもの、確実なもの、という意味から、間違いがないことにも使うようになりました。

 現在、私たちがよく聞く「大丈夫」は、「よろしいです」、「結構です」の代わりに使っている例です。「いかがですか?」など、何かものをすすめられた時の断りの返答に「結構です」を使わず「大丈夫です」と言って、穏やかに対応することができるのです。イエスもノーも要・不要も、この言葉ですべて対応することができるのです。

 また、問題がない、できる・できないなどにも用います。はっきりと意思表示をするのが苦手な日本人には、瞬く間に本来の意味から派生した使い方が広がっていったようです。

 

 この「大丈夫」という言葉は、時には、相手を気遣い励ます言葉としても用いられます。

「あなたはきっと大丈夫!あなたならできるよ。」など「エール」と同じ意味で応援する言葉としても、今は使われることがあります。

 多くのアスリートが自分の応援ソングとしている、大阪出身ボーカルユニット「ベリーグッドマン」の「大丈夫」という曲が「みんなのうた」で応援ソングとして流れていました。
「誰にも言えない悩みを抱え、苦しんでいる人も多いだろう。でも「桜(おう)梅(ばい)桃(とう)李(り)」の人生を歩んでいこうよ!と歌います。
―桜は桜らしく。梅は梅らしく。桃は桃らしく。李(すもも)は李らしく。そしてあなたは…あなたらしく。そのままでいい。いや、そのままがいい。」(「みんなのうた」紹介文より) 

 

 先日、夜間講座に来ていた高校生が、遅くなりましたが、と言って福岡県警最終合格の報告に来てくれました。何度も「ありがとうございました。お世話になりました。」と笑顔で言ってくれていました。

 学校としては、勉強も面接対策もやるだけのことをやったら、あとは応援すること、励ますことしかできません。

 私たちは受験に行く学生たちに、何度「大丈夫!!」と言ったかわかりません。最後はそれしかできないからです。励まし、安心させ、それまでの努力を振り返らせ称えることしかできないからです。

 その時の「大丈夫」には、本来持つ言葉の意味に重ねてたくさんの「エール」が含まれているのでした。

 

 今年度初級の卒業年次生の1次試験は100%の合格でした。まだ最終合格が出ていない自治体や、1月に実施した自治体もあって、最終合格まではあと一息です。

 

 今月の写真は「オステオスペルマム」です。「オステオスペルマム」は、南アフリカを原産とするキク科の多年草です。太陽の光を受けて花を開き、夜間や曇り・雨の日には閉じる性質をしています。耐寒性がとても高いため、冬場の厳しい寒さでも元気に育ち美しい花を咲かせます。

 Photo by Mizutani


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