安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

8月のこと

2021年08月20日 | 月刊ブログ

 8月8日、たくさんの感動を残して東京オリンピックが閉会しました。出場した選手たちは口々に、様々な障害の中、開会を決意し運営をしてくれたたくさんの方々に感謝をしたいと述べていました。閉会式では、ボランティアの方々が笑顔でセレモニーを盛り上げてくれていました。

 開催された競技の中には、馴染みのないものもありましたが、どうしても自国の選手が出ているとついテレビを付けて応援してしまいます。メダルに届かなくても、見ている方も選手と同じ気持ちになって、嬉しかったり、悔しかったり、また感動で涙を流したりもしました。

 地元出身の選手が出ているとさらに注目度が増します。陸上の廣中璃梨佳選手は、高校駅伝の時から応援していた選手です。体操の内村航平選手は、さらに前回のオリンピックから実績を残している選手なので、大きな期待を抱いていました。しかし、結果は、落下という最悪の状況となりました。「土下座して謝りたい」と会見で述べていましたが、このような状況での選手自身を思うと居たたまれない気持ちになります。自分が出場する代わりに出場できない人がいて、その人の分まで頑張らなければ、また支えてくれたスタッフに対しても同じ気持ちだったに違いありません。

 ソフトボールの藤田倭選手は、私の子供たちと校区が同じということでよく知っていました。だから当然応援にも力が入ります。そして期待通りの結果を出してくれました。家族全員でその活躍に歓喜しました。

 たくさんの感動をありがとう、と出場した選手にはもちろんのこと、陰となって活躍してくれた方々にも感謝したいです。

 

 8月は、また平和を祈る時でもあります。今年は9日が振替休日で、家でゆっくりと長崎の原爆式典を見ることができました。式典中継が始まる前に、キャスターの池上彰氏と長崎の平和大使の高校生が対談をしていました。長崎市を中心に平和活動をしている高校生は、被爆者が少なくなっている現状から、自分たちが次の世代にこの悲惨な戦争を語り継いでいかなければならない、それが私たち若い世代の使命です、とまっすぐな目線で述べていました。高齢となった被爆者が、本当は思い出したくないだろう体験を語っている様子に、私は目頭が熱くなりました。

 被災地という土地柄でもあるかもしれませんが、そういう場所だからこそ平和についてきちんと考え行動できる若い人を育てていかなければならないのだと思います。原爆投下の11時2分に黙とうを捧げた若者がどれだけいたのだろうか、と考えてしまいます。

 

 学校では、初級公務員試験を来月に控えて緊張の時間に入っています。夏期講座や夜間講座の現役高校生も、市町村自治体の受験申込や、ネットで申し込んだ国家公務員試験の受験票のダウンロードで、ここの教務室を訪ねてきています。

 オリンピックなどでのスポーツは、勝ち負けの世界ですが、公務員試験も合格不合格という勝ち負けの世界です。1点に泣き1点に笑う厳しい世界です。後悔のないように、今の時間を頑張ってほしいです。

 

 8月は、大雨が多く各地で被害が出ました。一方、子供たちは海やプールにも行けず、つまらなそうです。それでも公園の木々からはセミが自らを主張していてさらに暑さを感じます。学校の私の席からも、公園のセミの声が聞こえてきています。店頭にはスイカの切り売りが並び、夏はちゃんと訪れています。来なくてもいい私の誕生日も訪れました。

 

 お盆を過ぎて赤トンボが飛び交ようになりました。夏の間高地の山で過ごし、秋の訪れとともに繁殖期を迎えて平地の田んぼや町に下りてくるアキアカネという赤トンボは、お彼岸にあわせて山から下りてきたご先祖様の姿のように見立てられ、「彼岸トンボ」とも呼ばれていました。また、この西日本では、少し黄色がかったウスバキトンボを「精霊(しょうろう/しょうりょう)トンボ」「盆トンボ」と呼び、ご先祖様が化身をしてお盆に訪れたものだとする民間信仰があったそうです。そういえば8月は父の命日です。大雨でお盆にはお参りに行けなかったのですが、童謡が好きだった父の方から、赤トンボに身を代えて訪ねて来てくれているのかなと思います。雨上がりに夏の盛りを過ぎたことを感じて、力が抜けてくるような気持ちになりました。

 しかし、気持ちを切り替えて、新しい季節を迎えることに胸を膨らませ、学生たちと運命を決める時を全身で迎えていきたいと思います。

 

Photo by Mizutani


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