安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

未来への扉

2021年09月22日 | 月刊ブログ

 

 9月になり朝晩はすっかり秋の気配です。今年の夏は雨ばかりでせっかく買った夏用の帽子はまだ部屋に置いたままです。

 コロナ禍が続く中、相変わらずの閉鎖的な日常ですが、ワクチン接種が進んでいることもあり、また、PCR検査や抗原検査キットも自販機で購入できるようになったことで、気持ち的には少しだけ余裕ができてきたのではないでしょうか。ここ数日は、感染者数も減少の兆しです。

 

 ハッピーマンデー制度によって9月15日の敬老の日が第3月曜日になり、秋分の日と合わせて、今週はシルバーウイークの連休になりました。

 子供たちが小さいころ、離れて暮らす私や夫の両親に向けて、敬老の日のプレゼントを一緒に作っていました。子供たちのわずかなお小遣いでは買えるものも限られていて、私は日頃から集めていた包装紙やリボン、可愛い箱を持ってきて、プレゼントを作ろうよと提案をしていました。靴下やハンカチ、琥珀色のべっ甲飴や甘いチョコレートなどを用意して、子供たちは覚えたてのひらがなでメッセージカードを書きました。

 目を細めて喜んでくれる様子を見て、どんな高価なスカーフより、自分たちでラッピングしたこのささやかなプレゼントが数百倍の価値があることを、子供たちも学んでくれていたのではないでしょうか。

 

 そんな遠い昔のことを思い出しながら、大きな中秋の名月を、前日でしたが、ベランダから見上げていました。中秋の名月をめでる習慣は、平安時代に中国から伝わったといわれます。農業の行事と結びつき、「芋名月」と呼ばれることもあります。今年は、実は中秋の名月と満月の日付が8年ぶりに同じになるそうです。お団子、お供えしていたよね、と夫もまた昔を懐かしんでいるようでした。

 いよいよ公務員試験も9月第4週の県職員、国家公安系職種の試験が迫ってきています。この後は、10月第3週の警察官採用試験を残すのみです。

 9月本試験が始まる前に、学校では、決起集会を開きました。それぞれの先生から励ましの言葉をもらい、みんなで「エイエイ、オー!」と士気を鼓舞するように大きな声で拳を突き上げました。

 

 私の担当している文章理解の授業では、一部分の抜粋ではありますが、たくさんの作家、たくさんの作品を読んでいきます。作者が何を言いたかったのか、訴えたかったのかを「主旨」として解いていくのです。

 先日の地方公務員の過去問題では、畑村洋太郎氏の『決定版 失敗学の法則』からの出典でした。

 著者は、失敗を防ぐ大きな力となるのが「山勘」であると述べています。「山勘」というのは、もはや「知」でもなくその人がやってきたすべての経験や行動の結果体得した、状況さえ入れれば答えが直接出てくるような超高速の判断回路のことなのです。まるで現代版AIですね。

 よく、勘が働いた、とか、勘が当たったなどと私たちも言いますが、それは偶然に当たったものではなく、それまでのその人の経験に裏打ちされた的確な判断であることが多いというのです。

 私たちは、学生たちによく、勘も実力のうち、運も実力のうち、と言います。それはこれまで一生懸命頑張ってきたことを肯定する意味で、あなたたちには十分力が付いているから、あなたがこれだと思う答えが、正解に違いないのだ。自分の力を信じなさい、という意味で使っているのです。ここまでいろいろ失敗もしたけれど、これまでの経験が経験知となって合格へと繋がるのです。とにかく勘も運もすべて使ってでも、合格することです!

 

 決起集会では、私は学生たちに、これからの1カ月余りの試験期間中は、決して後ろを振り向かないこと、終わった試験の結果を引きずらないこと、次の試験のことだけ考えて、前を向いてやるべきことをやるように、と話をしました。さあ、この場所で、この時に、未来の扉が開かれるのですよ。

 

 今月の花は、愛らしい、雨露をまとったバラです。

 photo by Mizutani  

 


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