■2011年2月8日
翌朝起きると、窓から明るい光がさしています。ガイドから「晴れてるよ」との言葉。
外に出てみると、まさかの快晴。
まだ早朝のため、ほとんど誰も外出しておらず、昨晩降り積もった雪が早朝の太陽で輝く美しい銀世界!
超テンション上がります。
やった!やったー!と跳ね回りたい気分。
しかも、町からカイラス山頂が少し見える!
カイラス山、、、なんと、神々しい姿なんだ・・・。
そして、なんて贅沢な朝のひととき・・・。しばらく、カイラスを見ながら佇みます。
宿に戻って、ガイドと今日の作戦会議。
ガイドいわく、晴れてるとはいえ、雪が積もっているから、コルラは無理とのこと。
まあ、それは仕方がない。少しでもカイラスを見れたことで、かなり精神的な余裕が出てきました。
しかし、カイラス山を近くに見れるところまでは行こう、ということで、ガイドと小トレッキングに出発しました。
登山ポイントまで車で少し走っている時に、四方360度何もない雪原に、突然現れた羊を放牧している人。
超ビビった。こんな最果ての荒野のような場所で放牧して暮らしている。チベット人ってまじですごい。
降り積もった雪のせいか、ガイドも道がわからないらしく、水を汲みに来ている地元の女の子に道を聞いていました。大丈夫か・・・?
小高い丘からタルチェンの町を見下ろす
誰もいない雪山をガイドと二人で登っていく。
そして、カイラスをかなり近くで見ることが出来ました。
間近で見るカイラス山は、まずその巨大な山容の迫力がすごいです。
圧倒されます。
そして、本当に神聖な佇まいをしており、神々しいという言葉がぴったり。
はるばるここまで来る価値はありました。
長時間のドライブをしてくれた、ドライバーとガイドに感謝。
そして、快晴の天気にも感謝。
カイラスとパチリ
周囲に誰もおらず、風の音だけがする中、カイラス山を堪能しました。
その後、宿に戻ってきて、この日は、タルチェンでゆっくりと過ごすことに。
終日天気が良くて、本当に素晴らしい一日。
これまでの旅でのモヤモヤが一気に晴れた気がします。
宿でおかみさんや、巡礼中のお坊さん、ガイドやドライバーたちとチベットのバター茶を飲みながら、のんびりと過ごしました。
お昼寝する犬の親子。可愛い。
泊まった宿のレストラン兼客室。このソファ席にガイド、ドライバーらと雑魚寝する、という斬新なスタイルの宿。前述した通りトイレなし。
宿に来ていた巡礼者のお坊さんと。
ガイドさんに通訳してもらって少し話をしたが、なんと、中国のチベット自治州(四川省のあたり)から、徒歩でカイラスまでやってきたそう。確かに、その風貌は、そういった激烈な巡礼の旅を経てきたことが納得できるような生命力に溢れるタフガイでした。
角がかっこいい羊がうろついていた。
この日の夜はビールで祝杯。ガイド、ドライバーだけではなく、宿を経営している家族達含めて賑やかな宴会に。
もちろん、言葉は通じないので、疎外感は感じつつも、宿の子供とおもちゃで遊んだりして、チベットに来て初めて、心が暖かくなった。
外に出てみると、圧倒的な星空。宿の子供とキャッキャ言いながら一緒に写真を撮った。
標高も高く、空気も澄んでいるので、星が瞬く様子が明瞭に見れた。
そして、この日の夜、この旅で最も印象に残る出来事がありました。
それは、前日夜は我慢していたトイレ(大)なのですが、ビールを飲んだこと、寒い夜空の下で長々と星空撮影をしたことで、どうしても我慢できないのではないか?というレベルまで、便意が高まってきたことから始まります。
何度も言いますが、この宿にはトイレが無いので、野う○こをしないといけないのです。
念の為、宿の人に再度トイレについて確認しましたが、野う○こしろ、との一言で一蹴されました。
世界一周旅行以来の野う○こ・・・。
世界一周では、途上国の現地人と変わらない風貌で変わらないライフスタイルを送っていた私ですが、日本に戻り2年間が経過し、まっとうな社会生活にすっかり馴染んでいた私が、まさかの野う○こ。数十万円のツアー料金を払ってリッチな旅行をしているはずなのに、まさかの野う○こ。
今日は晴れていて星空の明かりが素晴らしく、外灯のないタルチェンでも視界は良好です。しかも見晴らしの良いタルチェンの町なので、家や物置の影に隠れないと、丸見えの状態です。
しかも、雪が積もっていて、綺麗な純白の雪をオレのう○こで汚すなんて、絶対にイヤだ・・・。
しかし、ついに私の直腸は限界を迎えました。
お腹を押さえて「トイレに行く!」と切羽詰まった表情でみんなに宣言して、外に飛び出しました。
本当は誰からの視界にも入らない鉄壁の死角を探してからしたかったのですが、もはや我慢の限界に達していた私は、適当に宿の隣の建物の物置らしきものの物陰に隠れて、かろうじて宿からは死角になる場所を確保しました。
慌てる手付きでズボンとパンツを下ろし、急いでう○こを出しました。
すると、、、
なんと、さっきまで静かだったタルチェンの町に、犬の鳴き声が響き始めたのです。
それはだんだんと大きくなっていきました。
怖い!怖すぎる!
そして、気がつくと、私の周囲に野犬が7~8匹集まってきており、私と私のう○こに向かって、激しく吠え立てているのです。
チベットという辺境の国のタルチェンという最果ての町で犬に襲われる・・・。
もし噛まれたりした場合、ラサなどの町に戻って治療するまでに最低2泊はかかる・・・。
狂犬病とかになったら、どうなるんだろう・・・。
激しく吠えながら近寄ってくる犬を前に、私は恐怖でどうすればよいかわからず、混乱の極みに達し、思考が完全に停止しました。
すると、いつの間にか背後に迫ってきていた一匹の犬が鼻先を私の剥き出しのお尻にくっつけて来ました。
「ぎゃーーーーー!!!」
と私は叫んで、飛び上がりました!
そして、犬に向かって
「おらーーー!!!あっちいけ!ごらーーー!!!ころすぞーーーー!!!」
と力の限りに叫んで、睨みつけました。
考えるよりも先に体が動いていたのですが、おそらく気迫で犬を追い払おうとしたのです。
しかし、犬はあまり怯まない。
さすがチベットの野犬。しかも、多勢に無勢。
(過去、トルコやイランで、何度か野犬と向き合った時は、この方法で撃退できていたのですが・・)
瞬間的に一度は距離を取った犬たちですが、再度、ジリジリと距離を詰めて来ます。。。
絶対絶命・・・。
しかし、まさに、その時。
宿で一緒に遊んだり写真を撮ったりした子供が現れたのです!!
彼は、私を助けるために小さい体で棒を振り回したのですが、なんと、それで犬は退却したのです。
とはいえ、5メートルくらいのところでこちらを見ているのですが・・・。
その隙に私と子供は、急いで宿に戻りました。
途中で後ろを振り返ると犬たちは、私のう○この周りに群がっていました。目当てはそれか。。。
それにしても、彼の勇気と親切心には、本当に感謝です。あの小さな体と棒切だけで、野犬たちに立ち向かうなんて、凄すぎる。
彼は私にとってのヒーローです。
この出来事は、一時は震え上がるほどの恐怖の出来事だったのですが、最終的には最高の出来事として記憶されています。
(まあ、彼に私の野う○こ姿を見られるという恥ずかしさがあるので、若干マイナスはありますが・・・)
今夜のヒーロー
この日、私は、この旅で初めといってもいい良い気分で眠りにつきました。いや、むしろ最高の気分です。
私が寝る時間になっても、夜遅くまでテレビで「チンギス・ハーン」を見るチベット人達。
<続く>
翌朝起きると、窓から明るい光がさしています。ガイドから「晴れてるよ」との言葉。
外に出てみると、まさかの快晴。
まだ早朝のため、ほとんど誰も外出しておらず、昨晩降り積もった雪が早朝の太陽で輝く美しい銀世界!
超テンション上がります。
やった!やったー!と跳ね回りたい気分。
しかも、町からカイラス山頂が少し見える!
カイラス山、、、なんと、神々しい姿なんだ・・・。
そして、なんて贅沢な朝のひととき・・・。しばらく、カイラスを見ながら佇みます。
宿に戻って、ガイドと今日の作戦会議。
ガイドいわく、晴れてるとはいえ、雪が積もっているから、コルラは無理とのこと。
まあ、それは仕方がない。少しでもカイラスを見れたことで、かなり精神的な余裕が出てきました。
しかし、カイラス山を近くに見れるところまでは行こう、ということで、ガイドと小トレッキングに出発しました。
登山ポイントまで車で少し走っている時に、四方360度何もない雪原に、突然現れた羊を放牧している人。
超ビビった。こんな最果ての荒野のような場所で放牧して暮らしている。チベット人ってまじですごい。
降り積もった雪のせいか、ガイドも道がわからないらしく、水を汲みに来ている地元の女の子に道を聞いていました。大丈夫か・・・?
小高い丘からタルチェンの町を見下ろす
誰もいない雪山をガイドと二人で登っていく。
そして、カイラスをかなり近くで見ることが出来ました。
間近で見るカイラス山は、まずその巨大な山容の迫力がすごいです。
圧倒されます。
そして、本当に神聖な佇まいをしており、神々しいという言葉がぴったり。
はるばるここまで来る価値はありました。
長時間のドライブをしてくれた、ドライバーとガイドに感謝。
そして、快晴の天気にも感謝。
カイラスとパチリ
周囲に誰もおらず、風の音だけがする中、カイラス山を堪能しました。
その後、宿に戻ってきて、この日は、タルチェンでゆっくりと過ごすことに。
終日天気が良くて、本当に素晴らしい一日。
これまでの旅でのモヤモヤが一気に晴れた気がします。
宿でおかみさんや、巡礼中のお坊さん、ガイドやドライバーたちとチベットのバター茶を飲みながら、のんびりと過ごしました。
お昼寝する犬の親子。可愛い。
泊まった宿のレストラン兼客室。このソファ席にガイド、ドライバーらと雑魚寝する、という斬新なスタイルの宿。前述した通りトイレなし。
宿に来ていた巡礼者のお坊さんと。
ガイドさんに通訳してもらって少し話をしたが、なんと、中国のチベット自治州(四川省のあたり)から、徒歩でカイラスまでやってきたそう。確かに、その風貌は、そういった激烈な巡礼の旅を経てきたことが納得できるような生命力に溢れるタフガイでした。
角がかっこいい羊がうろついていた。
この日の夜はビールで祝杯。ガイド、ドライバーだけではなく、宿を経営している家族達含めて賑やかな宴会に。
もちろん、言葉は通じないので、疎外感は感じつつも、宿の子供とおもちゃで遊んだりして、チベットに来て初めて、心が暖かくなった。
外に出てみると、圧倒的な星空。宿の子供とキャッキャ言いながら一緒に写真を撮った。
標高も高く、空気も澄んでいるので、星が瞬く様子が明瞭に見れた。
そして、この日の夜、この旅で最も印象に残る出来事がありました。
それは、前日夜は我慢していたトイレ(大)なのですが、ビールを飲んだこと、寒い夜空の下で長々と星空撮影をしたことで、どうしても我慢できないのではないか?というレベルまで、便意が高まってきたことから始まります。
何度も言いますが、この宿にはトイレが無いので、野う○こをしないといけないのです。
念の為、宿の人に再度トイレについて確認しましたが、野う○こしろ、との一言で一蹴されました。
世界一周旅行以来の野う○こ・・・。
世界一周では、途上国の現地人と変わらない風貌で変わらないライフスタイルを送っていた私ですが、日本に戻り2年間が経過し、まっとうな社会生活にすっかり馴染んでいた私が、まさかの野う○こ。数十万円のツアー料金を払ってリッチな旅行をしているはずなのに、まさかの野う○こ。
今日は晴れていて星空の明かりが素晴らしく、外灯のないタルチェンでも視界は良好です。しかも見晴らしの良いタルチェンの町なので、家や物置の影に隠れないと、丸見えの状態です。
しかも、雪が積もっていて、綺麗な純白の雪をオレのう○こで汚すなんて、絶対にイヤだ・・・。
しかし、ついに私の直腸は限界を迎えました。
お腹を押さえて「トイレに行く!」と切羽詰まった表情でみんなに宣言して、外に飛び出しました。
本当は誰からの視界にも入らない鉄壁の死角を探してからしたかったのですが、もはや我慢の限界に達していた私は、適当に宿の隣の建物の物置らしきものの物陰に隠れて、かろうじて宿からは死角になる場所を確保しました。
慌てる手付きでズボンとパンツを下ろし、急いでう○こを出しました。
すると、、、
なんと、さっきまで静かだったタルチェンの町に、犬の鳴き声が響き始めたのです。
それはだんだんと大きくなっていきました。
怖い!怖すぎる!
そして、気がつくと、私の周囲に野犬が7~8匹集まってきており、私と私のう○こに向かって、激しく吠え立てているのです。
チベットという辺境の国のタルチェンという最果ての町で犬に襲われる・・・。
もし噛まれたりした場合、ラサなどの町に戻って治療するまでに最低2泊はかかる・・・。
狂犬病とかになったら、どうなるんだろう・・・。
激しく吠えながら近寄ってくる犬を前に、私は恐怖でどうすればよいかわからず、混乱の極みに達し、思考が完全に停止しました。
すると、いつの間にか背後に迫ってきていた一匹の犬が鼻先を私の剥き出しのお尻にくっつけて来ました。
「ぎゃーーーーー!!!」
と私は叫んで、飛び上がりました!
そして、犬に向かって
「おらーーー!!!あっちいけ!ごらーーー!!!ころすぞーーーー!!!」
と力の限りに叫んで、睨みつけました。
考えるよりも先に体が動いていたのですが、おそらく気迫で犬を追い払おうとしたのです。
しかし、犬はあまり怯まない。
さすがチベットの野犬。しかも、多勢に無勢。
(過去、トルコやイランで、何度か野犬と向き合った時は、この方法で撃退できていたのですが・・)
瞬間的に一度は距離を取った犬たちですが、再度、ジリジリと距離を詰めて来ます。。。
絶対絶命・・・。
しかし、まさに、その時。
宿で一緒に遊んだり写真を撮ったりした子供が現れたのです!!
彼は、私を助けるために小さい体で棒を振り回したのですが、なんと、それで犬は退却したのです。
とはいえ、5メートルくらいのところでこちらを見ているのですが・・・。
その隙に私と子供は、急いで宿に戻りました。
途中で後ろを振り返ると犬たちは、私のう○この周りに群がっていました。目当てはそれか。。。
それにしても、彼の勇気と親切心には、本当に感謝です。あの小さな体と棒切だけで、野犬たちに立ち向かうなんて、凄すぎる。
彼は私にとってのヒーローです。
この出来事は、一時は震え上がるほどの恐怖の出来事だったのですが、最終的には最高の出来事として記憶されています。
(まあ、彼に私の野う○こ姿を見られるという恥ずかしさがあるので、若干マイナスはありますが・・・)
今夜のヒーロー
この日、私は、この旅で初めといってもいい良い気分で眠りにつきました。いや、むしろ最高の気分です。
私が寝る時間になっても、夜遅くまでテレビで「チンギス・ハーン」を見るチベット人達。
<続く>