今回は、10回にわけて投稿したチベット旅行のまとめ記事となります。
旅行出発前の意気込みの記事がこちらです。
↓
チベット旅行へ
出発前に考えていたことは、大きくは以下の3点。
・2週間の会社の休みで、チベットに行く。
・目的は、カイラス巡礼とチベット文化を味わう、という二つ。
・一人旅ではあるが、カイラスへの足の確保が不安だったので、事前に、高額な現地ツアー会社を使って移動と宿を手配しておく。
最大の目的としてカイラス巡礼を上げています。
2006年~2008年に世界一周をしている時、たしかインドでチベットの旅行人ガイドブックを購入しました。色んな旅人からチベットの良さを聞いていたので。インド→バングラ→ネパール→再インド→パキスタン→中国→チベットというルートを考えていたので、事前に買っておいて旅への気持ちを盛り上げようと思ったのです。それから、日々そのガイドブックを持ち歩き読みました。そして、このガイドブックに載っている素晴らしい写真や、旅情をこれでもかと掻き立てられる紹介記事により、カイラスに完全に心酔していったのです。それにもかかわらず、いよいよチベット訪問が見えてきていたネパール滞在時に、あの2008年のチベット動乱(※)が発生しました。結果、チベット、そして、カイラスへの道が完全に閉ざされてしまったのです。当時の僕は、そのニュースを聞いて、のたうち回るほど悔しがりました。
※チベット動乱
※旅行人ーチベット。ぜひ、一度読んでみてください。僕が手にした中では、史上最高のガイドブックです。
その後、北京オリンピックも無事終わり、3年の年月が過ぎて、チベットにも旅行できるぞということが伝わってきたので、すでに就職していた僕ですが、なんとか2週間の休みを確保して、3年越しの念願のチベット旅行を企画したのでした。
そういう熱い想いを持って企画したチベット旅行だったのですが、仕事が直前までフル稼働していたことや、出発前夜のPJ打ち上げ飲み会で深酒し、完全に疲れ切っていて、頭がぼーっとした状態で出発することになりました。
そういう状態で北京に到着した際に、春節の花火という非常に幻想的な光景を着陸直前の飛行機から見たことで、さらに僕の頭の中は、夢と現実の境目が曖昧な状態に陥っていったのでした。あれは、本当に夢のような光景でした・・・。
そして、すぐに富士山並みの高所(3650m)であるラサに到着し、薄い酸素の中で、僕の脳みその曖昧模糊とした状態はさらに続くのでした。。。
さらに悪いことには、当時のラサは昼間は日差しが強烈で、そのせいで視界はチカチカとし、疲労も蓄積していき、コンディション的には、ほとんど旅行を楽しめる状態では無くなりました。
さらにその上、いきなり「カイラスは雪のために行けないと思う」とガイドに言われ、テンションはダダ下がりとなりました。
この前後のラサ観光の記憶は、ほとんどありません。ポタラ宮やセラ寺という超弩級の観光名所に行ったはずなのですが、イマイチ思い出せないのです・・・。
その後、カイラスに向けてランクルでの旅が始まりだすと、徐々に頭の疲れは取れていき、また、刺激的な風景やチベット文化に触れることにより、そこからの出来事・風景・人の顔・食事・空気感など、旅行で感じたことは、鮮明に頭に刻まれていきました。
そして、旅のハイライトとなるカイラスとの対面で痺れるほど感動し、地元の子供たちとのときめく出会いで心も満たされ、エベレスト謁見で神聖な気持ちになり、旅のテンションは最高に上がっていきました。
残念ながら、カイラスのコルラ(山の周りを一周する巡礼)は出来ませんでしたが、自分の中で、気持ちの区切りはつきました。
ラサに帰還後は、疲れのためしばらくはゆっくりとしましたが、その後、ジョカン寺とバルコルを訪れ、宗教の聖地が持つ迫力というかオーラに圧倒されました。ラサという場所が、エルサレムやバラナシなどに匹敵する宗教的な聖地であることを体感できました。ラサは本当に素晴らしい場所でした。
ということで、チベット旅行の行程としては、カイラスのコルラは出来なかったものの、カイラスを間近に見れたし、コルラが出来なかったことを補う様々な刺激的な出来事もあったことで、結果的には満足いくものとなったのでした。
次にチベット文化について思うところを、とりとめもなく書いてみます。
チベット文化って、現在の世界において、本当に特殊な存在だと思います。ここまで欧米文化の影響を受けずに独自文化を保ったまま21世紀を迎えている国(というか地域)ってあまり無い気がします。パッと思いつくのはインドとエチオピアの2つくらいじゃないでしょうか。町並み、服装、食べ物、など、全てが独特で、物凄く刺激的でした。
※注:2011年当時のことです。2019年現在、どうなっているのかはわからないです・・・。既にかなり中国化しているかもしれません。
【食べ物】
・モモ
ネパール滞在していた際に、かなりお世話になったモモ。丸っこい水餃子というか、汁なし小籠包というか、そういう感じの食べ物なんですが、ネパールでは美味しくて安いので、週に4回くらいは食べていました。日本のインド料理屋さん(ネパール人経営の)でも食べられますよね。そのモモなんですが、実は起源はチベット料理らしく、チベットでも食べてみました。しかし、チベットで食べたモモは、ネパールで食べたモモと違い、めちゃくちゃ肉臭かったです。たぶん、羊なんだと思いますが。1人前頼むと、写真のように山盛りで出てくるのですが、食べきることはできませんでした。ラサ滞在の初日に食べたのですが、これ以降、チベットでは一度もモモを注文することはありませんでした。
・トゥクパ
その後、お世話になったのは、トゥクパです。こちらは、日本人の口にもあうような癖の無い味付けで、とてもおいしかったです。麺料理で日本のうどんに近いのですが、うどんよりはちょっと粉っぽくてパスタ的な食感も併せ持っています。塩で味付けされており、野菜や肉が具材として使われていて、栄養源としても優秀です。本当に毎日のように食べていました。
それ以外だと、やっぱり中華料理ですね。チベット人ガイド達も中華料理は好きみたいで、しょっちゅう中華料理屋にいきました。そこで、麻婆豆腐を何回か食べたのですが、最高に美味しかったです。
また、DICOSという中国版ケンタッキーというべきファーストフード店にも行きましたが、フライドチキンが脂っこすぎて、高所で働きの鈍っている僕の胃では消化しきれず腹痛に悩まされることになりました。
・建物
正方形の中庭、壁一面の大きな窓、角ばった大きなソファ、赤を基調としたインテリア、など、独特の建物もチベットの大きな魅力です。どこか神秘的な雰囲気があります。また、神棚のようなところにダライ・ラマ始めとする高僧の写真が飾られており、お坊さんがスターという扱いなのかな、と思いました。
・服装
男性は、物凄く袖の長い上着が特徴的です。チベット人って、体格が良くて肌の色が浅黒い、かなり男くさいタイプのイケメンが多いのですが、そんな彼らが着ると、とても格好いいですね。
女性は光沢のある着物がとても可愛いです。日本人に比べて目力が強いです。体格も良いですが。
チベットで出会った味のある人達
・宗教
チベット仏教は密教です。大勢の出家したお坊さんがお寺に住み込んで真剣に修行しています。暗くて荘厳な雰囲気の境内には、男性の太くてよく通る声で鬼気迫るような調子で読み上げられるお経が響いており、鳥肌が立つほどの神秘的な雰囲気を感じました。
慧海師のチベット旅行記を読んだ後なので、修行僧の全員が真剣では無いというのは知識としてあったのですが、ライブで目の当たりにすると、その迫力は凄かったです。
最後に、このブログを書きながら思ったこと。
8年前の旅行のことを、ようやくブログに書きました。
今まで書けなかった理由は、旅行からの帰国後、何かの呪いのように仕事が忙しくなったためです。
それが、最近は、ちょっと時間が取れるようになったので、この機会にと一気に書きました。
書き始める前は、15日程度の旅行なので1~2の記事にまとめて投稿できるのではと思っていたのですが(世界一周中のブログの更新がそれくらいだった)、どんなに頑張っても2記事程度にまとめられそうになく、ブログを書こうとパソコンに向かう度に無力感を感じて、書くことを放棄する、ということをしばらく繰り返しました。それは、旅の思い出が短期間の割には、あまりにも多いから。あまりにも色んな景色に出会い、あまりにも多くの刺激を受けていたのです。
なので、投稿数がどれだけ増えても構わないので、思うことを全て書こうと開き直ったことで、ようやく筆が進み始めました。結果、この投稿を合わせると11記事になりました。
書く中で、8年前の写真を全てざっと見てみました。すると、あの時の記憶はびっくりするくらい鮮明に蘇りました。出発当初の仕事の疲れでぼーっとしていた頭や、モモの肉臭い匂いや、ラサの埃っぽさや、地元の人達の迫力や、カイラスを目指したランクルの未舗装の道を走る音。
やはり、旅行って良いですね。
また、機会があれば、チベットにはもう一度行ってみたいです。そして、次こそは、カイラスのコルラを完遂したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
旅行出発前の意気込みの記事がこちらです。
↓
チベット旅行へ
出発前に考えていたことは、大きくは以下の3点。
・2週間の会社の休みで、チベットに行く。
・目的は、カイラス巡礼とチベット文化を味わう、という二つ。
・一人旅ではあるが、カイラスへの足の確保が不安だったので、事前に、高額な現地ツアー会社を使って移動と宿を手配しておく。
最大の目的としてカイラス巡礼を上げています。
2006年~2008年に世界一周をしている時、たしかインドでチベットの旅行人ガイドブックを購入しました。色んな旅人からチベットの良さを聞いていたので。インド→バングラ→ネパール→再インド→パキスタン→中国→チベットというルートを考えていたので、事前に買っておいて旅への気持ちを盛り上げようと思ったのです。それから、日々そのガイドブックを持ち歩き読みました。そして、このガイドブックに載っている素晴らしい写真や、旅情をこれでもかと掻き立てられる紹介記事により、カイラスに完全に心酔していったのです。それにもかかわらず、いよいよチベット訪問が見えてきていたネパール滞在時に、あの2008年のチベット動乱(※)が発生しました。結果、チベット、そして、カイラスへの道が完全に閉ざされてしまったのです。当時の僕は、そのニュースを聞いて、のたうち回るほど悔しがりました。
※チベット動乱
※旅行人ーチベット。ぜひ、一度読んでみてください。僕が手にした中では、史上最高のガイドブックです。
その後、北京オリンピックも無事終わり、3年の年月が過ぎて、チベットにも旅行できるぞということが伝わってきたので、すでに就職していた僕ですが、なんとか2週間の休みを確保して、3年越しの念願のチベット旅行を企画したのでした。
そういう熱い想いを持って企画したチベット旅行だったのですが、仕事が直前までフル稼働していたことや、出発前夜のPJ打ち上げ飲み会で深酒し、完全に疲れ切っていて、頭がぼーっとした状態で出発することになりました。
そういう状態で北京に到着した際に、春節の花火という非常に幻想的な光景を着陸直前の飛行機から見たことで、さらに僕の頭の中は、夢と現実の境目が曖昧な状態に陥っていったのでした。あれは、本当に夢のような光景でした・・・。
そして、すぐに富士山並みの高所(3650m)であるラサに到着し、薄い酸素の中で、僕の脳みその曖昧模糊とした状態はさらに続くのでした。。。
さらに悪いことには、当時のラサは昼間は日差しが強烈で、そのせいで視界はチカチカとし、疲労も蓄積していき、コンディション的には、ほとんど旅行を楽しめる状態では無くなりました。
さらにその上、いきなり「カイラスは雪のために行けないと思う」とガイドに言われ、テンションはダダ下がりとなりました。
この前後のラサ観光の記憶は、ほとんどありません。ポタラ宮やセラ寺という超弩級の観光名所に行ったはずなのですが、イマイチ思い出せないのです・・・。
その後、カイラスに向けてランクルでの旅が始まりだすと、徐々に頭の疲れは取れていき、また、刺激的な風景やチベット文化に触れることにより、そこからの出来事・風景・人の顔・食事・空気感など、旅行で感じたことは、鮮明に頭に刻まれていきました。
そして、旅のハイライトとなるカイラスとの対面で痺れるほど感動し、地元の子供たちとのときめく出会いで心も満たされ、エベレスト謁見で神聖な気持ちになり、旅のテンションは最高に上がっていきました。
残念ながら、カイラスのコルラ(山の周りを一周する巡礼)は出来ませんでしたが、自分の中で、気持ちの区切りはつきました。
ラサに帰還後は、疲れのためしばらくはゆっくりとしましたが、その後、ジョカン寺とバルコルを訪れ、宗教の聖地が持つ迫力というかオーラに圧倒されました。ラサという場所が、エルサレムやバラナシなどに匹敵する宗教的な聖地であることを体感できました。ラサは本当に素晴らしい場所でした。
ということで、チベット旅行の行程としては、カイラスのコルラは出来なかったものの、カイラスを間近に見れたし、コルラが出来なかったことを補う様々な刺激的な出来事もあったことで、結果的には満足いくものとなったのでした。
次にチベット文化について思うところを、とりとめもなく書いてみます。
チベット文化って、現在の世界において、本当に特殊な存在だと思います。ここまで欧米文化の影響を受けずに独自文化を保ったまま21世紀を迎えている国(というか地域)ってあまり無い気がします。パッと思いつくのはインドとエチオピアの2つくらいじゃないでしょうか。町並み、服装、食べ物、など、全てが独特で、物凄く刺激的でした。
※注:2011年当時のことです。2019年現在、どうなっているのかはわからないです・・・。既にかなり中国化しているかもしれません。
【食べ物】
・モモ
ネパール滞在していた際に、かなりお世話になったモモ。丸っこい水餃子というか、汁なし小籠包というか、そういう感じの食べ物なんですが、ネパールでは美味しくて安いので、週に4回くらいは食べていました。日本のインド料理屋さん(ネパール人経営の)でも食べられますよね。そのモモなんですが、実は起源はチベット料理らしく、チベットでも食べてみました。しかし、チベットで食べたモモは、ネパールで食べたモモと違い、めちゃくちゃ肉臭かったです。たぶん、羊なんだと思いますが。1人前頼むと、写真のように山盛りで出てくるのですが、食べきることはできませんでした。ラサ滞在の初日に食べたのですが、これ以降、チベットでは一度もモモを注文することはありませんでした。
・トゥクパ
その後、お世話になったのは、トゥクパです。こちらは、日本人の口にもあうような癖の無い味付けで、とてもおいしかったです。麺料理で日本のうどんに近いのですが、うどんよりはちょっと粉っぽくてパスタ的な食感も併せ持っています。塩で味付けされており、野菜や肉が具材として使われていて、栄養源としても優秀です。本当に毎日のように食べていました。
それ以外だと、やっぱり中華料理ですね。チベット人ガイド達も中華料理は好きみたいで、しょっちゅう中華料理屋にいきました。そこで、麻婆豆腐を何回か食べたのですが、最高に美味しかったです。
また、DICOSという中国版ケンタッキーというべきファーストフード店にも行きましたが、フライドチキンが脂っこすぎて、高所で働きの鈍っている僕の胃では消化しきれず腹痛に悩まされることになりました。
・建物
正方形の中庭、壁一面の大きな窓、角ばった大きなソファ、赤を基調としたインテリア、など、独特の建物もチベットの大きな魅力です。どこか神秘的な雰囲気があります。また、神棚のようなところにダライ・ラマ始めとする高僧の写真が飾られており、お坊さんがスターという扱いなのかな、と思いました。
・服装
男性は、物凄く袖の長い上着が特徴的です。チベット人って、体格が良くて肌の色が浅黒い、かなり男くさいタイプのイケメンが多いのですが、そんな彼らが着ると、とても格好いいですね。
女性は光沢のある着物がとても可愛いです。日本人に比べて目力が強いです。体格も良いですが。
チベットで出会った味のある人達
・宗教
チベット仏教は密教です。大勢の出家したお坊さんがお寺に住み込んで真剣に修行しています。暗くて荘厳な雰囲気の境内には、男性の太くてよく通る声で鬼気迫るような調子で読み上げられるお経が響いており、鳥肌が立つほどの神秘的な雰囲気を感じました。
慧海師のチベット旅行記を読んだ後なので、修行僧の全員が真剣では無いというのは知識としてあったのですが、ライブで目の当たりにすると、その迫力は凄かったです。
最後に、このブログを書きながら思ったこと。
8年前の旅行のことを、ようやくブログに書きました。
今まで書けなかった理由は、旅行からの帰国後、何かの呪いのように仕事が忙しくなったためです。
それが、最近は、ちょっと時間が取れるようになったので、この機会にと一気に書きました。
書き始める前は、15日程度の旅行なので1~2の記事にまとめて投稿できるのではと思っていたのですが(世界一周中のブログの更新がそれくらいだった)、どんなに頑張っても2記事程度にまとめられそうになく、ブログを書こうとパソコンに向かう度に無力感を感じて、書くことを放棄する、ということをしばらく繰り返しました。それは、旅の思い出が短期間の割には、あまりにも多いから。あまりにも色んな景色に出会い、あまりにも多くの刺激を受けていたのです。
なので、投稿数がどれだけ増えても構わないので、思うことを全て書こうと開き直ったことで、ようやく筆が進み始めました。結果、この投稿を合わせると11記事になりました。
書く中で、8年前の写真を全てざっと見てみました。すると、あの時の記憶はびっくりするくらい鮮明に蘇りました。出発当初の仕事の疲れでぼーっとしていた頭や、モモの肉臭い匂いや、ラサの埃っぽさや、地元の人達の迫力や、カイラスを目指したランクルの未舗装の道を走る音。
やはり、旅行って良いですね。
また、機会があれば、チベットにはもう一度行ってみたいです。そして、次こそは、カイラスのコルラを完遂したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。