「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

トランプ氏の本質は何か❓欧米のオールド・メデイアでは分からない⇒改革者<2025・01・30

2025-01-30 13:11:10 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

既に日記に何回か書きましたが、日本に伝わるトランプ像はアメリカの米民主党支持マスコミや反トランプで凝り固まっているヨーロッパのマスコミの情報を、そのまま垂れ流したものです。時には、日本のマスコミが更に悪意を持って酷くします。
つまり、「トランプ=独裁者、民主主義の破壊者」のイメージしか報道されません。

去年の大統領選の途中まで私も欧米の米民主党支持メデイアの報道を半信半疑ながら信用していました。
しかし❓と、疑問がわいてきました。
欧米の伝える「トランプ=独裁者、民主主義の破壊者」のトランプ氏が、大統領選を互角か優位に進めています。
日本の米民主党支持のマスコミも「チラホラ」とハリスの実像を、細切れに伝えます。
トランプ氏が本当に「トランプ=独裁者、民主主義の破壊者」であるなら、50%近い支持率があるのは、どう考えてもおかしいでしょう❓

トランプ氏の主張も相当歪められて報道されます。しかし、冷静に読んでみると今のアメリカの抱えている緊急性の高い問題の対処を主張していることが分かります。それが、どうして「トランプ=独裁者、民主主義の破壊者」になるんだ❓

そして、良く考えなくても「バイデン=米民主党」のスローガンは、ワンパターンで同じです。
「民主主義を守るために・・・」
プーチン氏やロシアに対しても、全く同じ論理です。
プーチン氏とトランプ氏が、同じだってか❓
どう考えても違うでしょう。

アメリカの最大の国内問題は、不法移民問題です。
通常の手段では、どうにもならないから第1次トランプ政権時代にトランプ氏は、メキシコの壁の建設を開始しました。これは2016年大統領選の公約でもあります。
それを米民主党は、人権がどうのこうの・と嘲りながら大批判しました。
その後、バイデン政権時代に不法移民が更に急増して、ついには批判したはずの壁の建設を続行することになりました。それは当然間に合わず、一時はメキシコとの間の鉄道を止める事態になりました。
日本で報道されるのは、こんな程度です。しかし、これだけでも大問題では、あります。

一方で、トランプ氏の外交政策で最も重視しているのは中国との関係です。
第1次政権時代、ヨーロッパとの関係を見直そうとしました。簡単に言うと東西冷戦時代から継続していたヨーロッパ優遇政策を対等の関係(主に費用負担)に改めようとしました。ヨーロッパ側の負担額が増える話ですから、ヨーロッパからは拒否と批判の嵐でした。これに関しては、第1次政権時代は変えられませんでした。

ごく少数の例ですが、ここにトランプ氏の政策の本質が見えます。
ヨーロッパの左派的な政権と米民主党(やはり左派)が行ってきた従来の政策の変更を目指すのが、トランプ氏の意図するところだと分かります。内政でも外交でも同じです。

特に第1次政権時代は、EUは中国ベッタリの国ばかりでした。中国に厳しい対応をしようとするトランプ氏とは、バッテイングします。対ロシア関係でも同じです。特にドイツは、ロシアと共存的外交でした。
トランプ氏は、ロシアに対しては結構厳しい態度で臨んでいます。これは当然、当時のドイツ・メルケル首相の反感を招き、ほぼ敵同士のようでした。
簡単な例を挙げると、ドイツとロシアの海底ガスパイプラインの建設です。
余りにロシアの天然ガスに依存しすぎだという理由で、2本目のパイプラインのノルド・ストリーム2の建設をトランプ氏は強引にストップさせました。
次のバイデン政権は、これを許可しました。
ノルド・ストリーム2が完成し、これからドイツにガスが流されようという寸前に、ウクライナ紛争が勃発しました。
ガス供給は停止され、その後ノルド・ストリームは何者かが爆破しました。
この辺りは、スパイ小説の世界です。

しかし、トランプ氏が何をしようとしているのかは分かります。
これまでEUと米民主党が行ってきた政治(政策)の全面的見直しをしようとしています。
特にEU(と言うよりドイツ)の環境極左やジェンダー等の行き過ぎと言うより変態的権利保護などは、トランプ氏が最も嫌うところです。ジェンダーは世界的には否定的な国が多いです。アメリカですらそうです。ほぼ西ヨーロッパと米民主党だけが推進しているマイナーな政策です。

このようにEUと米民主党が行ってきた政治(政策)の全面的見直しをしようとすれば既得権益層と全面的な摩擦が起きます。特に極左的な環境政策には、多くの国で膨大な税金が投入されています。これにぶら下がっている有象無象は数えきれないと思います。世界的な巨大すぎる利権構造が出来上がっています。しかも、その政策は普通に見ても大した効果があるとは思えません。

今の世界を見て(特に欧米)おかしいと思わない人は、相当欧米左派に洗脳されていると思います。普通の人が常識的に考えることを否定して、変態的思想ともいえるジェンダー思想を強制しようとしています。そんなの御免だ!という意見の方が、世界では圧倒的多数です。これは一例にすぎませんが、他にも欧米左派が世界に強要しようとしている政策は結構あります。そして、それを他人に強要するばかりで改善や改革は見られません。

欧米左派が、おかしな方向に変えてしまった欧米の常識を元の正常な位置に戻そうというのが、大雑把に言うとトランプ氏の考えていることだろうと思います。

今、欧米を大混乱に陥れている不法移民問題を考えてください。
一旦、移民を制限して落ち着かせないと社会の大混乱は収まりません。それを制限しようというのがトランプ氏であり欧州の右派政党です。これも「極右」とか「ポピュリスト」とか批判して排斥しようとします。
メルケル氏の始めた移民政策を正当化しようとするのが、欧州左派です。しかし現実には移民制限の方向に動いています。
左派政党の最大の欠点は、自分たちの誤りを認めず自分たちを正当化します。
そして反対するものを排除し、封殺しようとします。これは左派思想に内在する性質であり、やがては言論統制から独裁に移行します。結局、旧ソ連型社会が生まれるでしょう。
ヨーロッパでは、相当言論統制が見られます。特にドイツは酷いですね❓

第2次トランプ政権は、改革政党であると言えます。
J・D・ヴァンス副大統領 40歳
キャロライン・レビット大統領報道官 27歳
イーロン・マスク 53歳
マルコ・ルビオ国務長官 53歳
ピート・ヘグセス国防長官 44歳

もちろん、ベテランも起用しています。
しかし、年齢層が若いです。
年寄りには柵があって改革などできません。
少なくともトランプ氏には、現状を変えようという意思は見えます。
もちろん、それが正解かどうか、成功するのか・は、4年が経過した後でないと分かりません。

しかし、米民主党政権がもう4年続いていたら欧米の変調は修復できないほどになり、変調が乱調になっていたでしょう。今ですら欧米の世界政治に占める割合は低下しています。ウクライナ紛争は、それを加速させました。
その事が旧式の東西冷戦思考の欧米左派政治家には、どうしても理解できません。
東西冷戦思考で頭の中が凝り固まっていて、世界の変化を理解することが出来ないのです。

欧米の世界政治に占める割合の低下を防ごう、あるいは遅らせようと思えば、自分たちが時代の変化に合わせて変わるしかありません。左派の苦手なところは、変化に合わせて自分たちの改革が出来ない点にあります。旧ソ連の崩壊を見れば、それが良く分かると思います。
一方で、中国式共産主義は違います。

どちらにしてもトランプ氏は、現状の大改革を考えており、既得権益(特に政治やマスコミの部分)と大衝突します。現にしていると言えるでしょう。
その既得権益のマスコミが、欧米の米民主党支持のマスコミです。
それが日本にそのまま伝わるのですから、日本まで来るとトランプ像は「極悪」になっているという構図があります。

産経新聞 2025/1/30 09:00
トランプの復讐が始まった 米官僚システムを知り尽くした悪知恵で用意周到 宮家邦彦
宮家邦彦のWorld Watch

ここまで悪く書けるか❓という記事タイトルです。
別にトランプ氏を褒めたたえろ・とは言いません。
しかし中立の立場で公平に伝えることは、「最低限!」必要ではないでしょうか❓

バイデン氏が「極悪」であれば、トランプ氏は「正義の味方」になるんですよ❓
そうであれば、飛んでもない間違いをしているのかもしれませんね❓
異端者は常に既得権益から叩かれ潰そうという力が働きます。だから、異端者が正しくないという分けではありません。
双方の主張を聞いて、よく考えてみないとどっちが正しいかなど分かりません。


※関連日記目次
項目「アメリカ合衆国」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/6ea78b12b6512e36fbdc6eebd50f97ce


外国メデイアが日本語版の記事を調整している例<2025・01・30

2025-01-30 11:01:47 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

BBCウクライナ語版
①「前線を安定させる必要がある」トランプ大統領の将来の顧問、ウクライナに動員年齢の引き下げを要請
2025 年 1 月 13 日
https://www.bbc.com/ukrainian/articles/ce3lw34qpgzo

ロイター英語版
②ウクライナ汚職対策機関、調達紛争で国防大臣を調査
ダン・ペレスチャック
2025年1月29日午後9時10分 GMT+9 1時間前に更新
https://www.reuters.com/world/europe/ukraine-anti-graft-agency-investigates-defence-minister-amid-procurement-dispute-2025-01-29/
③調達をめぐる内紛でウクライナ国防省高官が解任される
ダン・ペレスチャック
2025年1月29日午前7時06分 GMT+9 15時間前に更新
https://www.reuters.com/world/europe/top-ukrainian-defence-official-sacked-amid-infighting-over-procurement-2025-01-28/

この3本の記事は、現在確認したところでは日本語版には掲載されていません。
過去にもそんな例はあります。外国語版に掲載されている記事は、選択されて日本語版に掲載されます。
どういう基準かは、ご自分で考えてください。
(普通に考えると日本政府の政策に合わない記事を、カットしているのかもしれません。)
何しろ無料で見られるのは、BBCとかロイターとかイギリスのメデイアが中心ですので、ここを操作されると情報量がかなり少なくなります。

外国の記事、特にウクライナの新聞までチェックしている航空万能論には、両方とも記事の中で取り上げられています。
①の記事については、私は航空万能論の記事から引用して何本かの日記に中で書いています。④の記事が、そうです。

2025.01.13
④トランプ次期政権も動員年齢引き下げを要求、ウクライナも全力を尽くせ
https://grandfleet.info/us-related/trump-administration-also-demands-lowering-of-military-age-ukraine-should-also-do-its-utmost/

2025.01.27
⑤第110旅団は包囲から脱出、ゼレンスキーはドネツク方面の司令官交代を発表
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/110th-brigade-escapes-from-encirclement-zelensky-announces-change-of-command-in-donetsk-region/

②と③のウクライナ国防省の汚職に関しては⑤の記事の後半で書いています。
むしろ、google翻訳した記事より⑤を読んだ方が簡単で分かりやすいと思います。

日本のネットで見るマスコミの記事には、どれも出ていません。
つまり、外国の情報や国際情勢に関しては日本語で読める記事は、かなり情報が制限されているのが分かると思います。私が、外国の情報や国際情勢に関しては日本のマスコミの記事を読まない方がいいというのは、このような情報の偏り(もっと分かりやすく言うなら偏向と情報統制)が、あるからです。それで視聴者や読者が正しい判断を出来るわけがないことは、理解できると思います。

外国もメデイアもやはり偏向や情報統制(または一方的な情報のみ伝える)が、あります。先進国の国民は軒並み新聞やテレビに対する信頼度が低いです。30%~40%の間です。アメリカで30%くらい。イギリスなら20%程度。

マスコミが巧妙に嘘をつくのは、どこの国も同じです。
日本のマスコミは、更に信頼性は外国の情報や国際情勢に関しては低いと言えます。
ほとんどが、外国メデイアの転載である上に、更に情報を勝手に選別して流しているからです。
日本の報道の自由度世界70位。
https://eleminist.com/article/3483
これは平均値です。事柄によっては、もっと酷いと言うことです。
一般的に言うなら国内に関しては、大体独自の取材が多いですから信頼度は、やや向上するでしょう。
では、独自の取材のほとんどない外国の情報や国際情勢に関しては❓
普通に考えるなら70位より、もっと低いのでないですか❓
※ただし、このランキングが正確であるわけではありません。一般的な傾向程度の信頼度です。
かなり偏向と自己規制が強いと思われるドイツが10位です。これは明らかにランキングに偏向が見えます。
相当、戦時で情報統制がひどいウクライナが61位です。
おっとっと、ランキングですね❓

しかし、イエスかノーしかないアメリカですら55位ですから、日本は61位~55位の間くらいかもしれませんね。

☆今、Google Chromeで閲覧するとほとんどの記事は、翻訳機能で翻訳できます。
正確ではないですが、大体の内容は分かります。外国語で書かれたニュースを読むことは簡単にできます。
私が時々引用するTASS通信は英語版です。Google Chromeの翻訳機能を利用して読んでいます。
自動で「翻訳しますか」のウインドウが出ます。出なければ右上の小さな点が縦に三つ並んでいる部分をクリックすると機能が表示されます。その中に「翻訳」があります。そこをクリックすると「翻訳しますか」のウインドウが出ます。

☆産経新聞 2025/1/29 16:12
『史上最年少27歳の米大統領報道官が初会見 動画発信を重視、新興メディア「歓迎」』
https://www.sankei.com/article/20250129-4JF7DOZJYJI33CLFOPJP3SKSYA/
産経新聞はレビット米大統領報道官(27)が美人だから写真をたくさん大サービスしています。
編集委員は、オッサンですね❓
しかし、既存メデイアの偏向ぶり(特に左派メデイア)を是正するために・・・
『 「独立系ジャーナリストやポッドキャストの配信者、SNSのインフルエンサーら(の会見参加)を歓迎する」と述べた。新興メディアを通した動画発信などを重視する姿勢を鮮明にした。

 レビット氏は歴代最年少でホワイトハウス報道官に就任した。会見で、「TikTok(ティックトック)クリエーターやブロガーらの取材申請も認める」と説明。これまでホワイトハウス職員らが使っていた壇上脇にある席を「新たなメディア席」と名付け、新興メディアに割り振ると表明した。』

このように取材を、ほぼ全てのメデイアなどに開放しました。
日本でも昔民主党が一時記者クラブ以外のメデイアやフリージャーナリストに取材を許可したことがあります。
いつの間にか、なくなりました。
しかし、今の時代を考えるなら共和党の試みは正しいと思います。
ほんと!最近オールド・メデイアは機能が劣化しすぎていると思います。


※関連日記目次
項目「ヨーロッパ」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d


イギリスとウクライナの「100年パートナーシップ協定」の意味を考えてみる&ウクライナ紛争勃発までの流れ<ウクライナ紛争2025・01・29

2025-01-29 20:02:04 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

(1)ウクライナ紛争勃発までの流れ
イギリスがウクライナ支援にのめり込む異常さについては、既に何回か書きました。ウクライナ紛争を招き寄せたのは、バイデンさんだと思います。バイデンさんがロシアを煽りたて、唆しに乗ったゼレンスキーが2021年10月東部独立派への攻撃を激化させたのを見て、ロシアはウクライナ軍事侵攻を決断しました。この時期の前後にアメリカはウクライナに対してジャベリンやステインガーなどを大量にウクライナに供与しています。

Reuters
『ロシア、ウクライナNATO加盟確約撤回を要請 EUは侵攻なら代償と警告』
2021年12月11日午前 5:57 GMT+92年前更新
https://jp.reuters.com/article/idUSKBN2IP1WZ/
②『コラム:NATOはプーチン大統領をどう苛立たせたか』
2016年6月13日午前 10:47 GMT+98年前更新
https://jp.reuters.com/article/idUSKCN0YW0CP/

『ウクライナ紛争の本質をズバリ!書いた記事(遠藤誉筑波大学名誉教授/理学博士)<2023.11.29』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/fdadeb86a7e5ad079199e3e835525ee8
その記事
『バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛』
遠藤誉中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
2022/2/25(金) 11:22
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/cf3953f7d8ec2af5f55ce6ce9bd242fba987b2be
(別リンク、記事のリンクが切れた場合の予備https://kitanoyamajirou.hatenablog.com/entry/2025/01/20/005127
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
遠藤誉氏の記事が、読んだ中では一番ウクライナ紛争ぼっ発までの簡単な流れを過不足なく書いていると思います。
もっとも、私の立場は違います。立場は違いますがウクライナ紛争までの流れを知るには、良い記事だと思います。だから別リンクまで用意して記事が閲覧できるようにしています。

ロイターの②の記事が、遠藤誉氏の記事で書かれていることを一部補強しています。
つまり、2014年以前は、ウクライナのNATO加盟を支持しているウクライナ人は5人に1人程度しかいなかったと書いています。
『ウクライナの場合、NATOは煙幕だ。この旧ソ連構成共和国のNATO参加は、決して真剣に議論されたことはなかった。また、ロシア侵攻前に行われた世論調査では、ウクライナ人の5人に1人しかNATO加盟を支持していなかった。』

そして②の記事は、遠藤誉氏の記事以前のことを書いています。
つまり、ウクライナのNATO加盟問題は2014年ウクライナクデター後、キエフ政府が国策として持ち出したことが分かると思います。結局のところ、現在に至るウクライナ紛争の原因は、アメリカのウクライナNATO取り込み政策の帰結であると言えます。
もし、アメリカが2014年クーデターを起こさなければ、その後のドンバス戦争は起きませんし、結果として現在のウクライナ紛争は起きるはずもありません。
【この部分を書いている記事は、ほとんど見たことがありません・】
西側のプロパガンダの「嘘」を示しているからです。ロシアの主張の(一部)妥当性を裏付けてもいます。
そして、2014年ウクライナクーデターへのアメリカの関与は当時の大統領であるオバマ氏が2015年CNNとのインタビューの中で認めています。

そのブスブスと燻っていた火を煽り立てたのがバイデンさんで、火に油を注いだのがゼレンスキーです。
よくそれで被害者ズラが出来るな❓と、ゼレンスキーのツラの皮の厚さには感心します。
人を騙したり自分を正当化する天性の才能に恵まれているのでしょうね❓

こうして戦争のキッカケ(2014年クーデター)を作り出し、更に2021年戦争を煽り立てたバイデンさんは、ロシアに極悪の烙印をバッチリ!押して、「民主主義を守るための戦いだ!」と喚きました。
民主主義には、この程度の価値しかないようです。

それを受けてゼレンスキーは、「世界の民主主義を守るためにウクライナは戦っています!」とぶち上げました。
これを真に受けている人は、相当騙されやすいと言えます。
西側政府とマスコミが総出で騙していますから、無理もないですが❓
「3年近く経つのですから、いい加減気が付けよな!」と思う次第です。

(私も2023年秋まで騙されていた一人です)
この話は書けば延々と続くので、ここまで。

(2)イギリスとウクライナの「100年パートナーシップ協定」の意味を考えてみる
これが、今日の本題です。
ロイター
『スターマー英首相、ウクライナを訪問 支援を強化』
2025年1月16日
https://www.bbc.com/japanese/articles/c0jn12060ezo
CNN
『英首相、ウクライナ首都を訪問 安保協力で協定に署名』
2025.01.17 Fri posted at 12:50 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35228366.html

不思議でしょう❓
ウクライナ紛争停戦に動こうとしているトランプ氏の大統領就任の直前にわざわざイギリスのスターマー首相がキエフを訪問して16日に両国間の「100年パートナーシップ協定」に署名しています。
何だかボリス・ジョンソンが2022年4月に突如キエフを電撃訪問して、ロシアとの停戦協定をぶち壊したのと似ています。

ここまでしてイギリスがウクライナ支援に深く関与し戦争継続を意図する理由は何か❓
西側の報道では一切これに触れたり説明したりする記事は見たことがありません。
こういう時に役に立つのが、ロシアの報道です。
それらしきのが、ありました。
(これを書きたかったのです。ここまで来るのが長かったですね❓)
TASS通信
1月29日 00:00
London intends to make Ukraine its colony with by concluding 100-year treaty — aide
(日本語訳)ロンドンは100年条約を締結してウクライナを植民地にするつもりだと補佐官
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(一部引用)
『「ロンドンは、キエフとの最近の100年間のパートナーシップ協定の締結によって、実際には崩壊したウクライナの領土に最新の植民地を建設したいと考えている」と彼はロシースカヤ・ガゼータ紙のインタビューで語った。

パトルシェフ氏によれば、「この文書によって英国は、国際法を露骨に無視する不道徳な政策を隠蔽し、キエフのネオナチ政権を全面的に支持していることを証明しようとしている」という。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この記事の伝えることが事実かどうかは不明です。
イギリス政府に問い合わせても否定するに決まっています。
ボリス・ジョンソン時代からイギリスのウクライナ政策は一切変更がありません。
それは現在のイギリスのウクライナ政策が不変の国策であることを示しています。
植民地までは行かなくてもウクライナを傀儡化して資源やエネルギーの権益に大きなポジションを占めようと考えているのだろうと思います。今、ロシアの占領地になりましたが、イギリスのBPが鉱山の権益を持っていました。今それは正体不明の会社に売却しています。
相当、ロシアが占領したとは言え、ウクライナは地下資源の宝庫です。
黒海には、天然ガスや石油が眠っていてウクライナは鉱区を持っています。
イギリスが、やたらウクライナ海軍を組織してクリミア攻撃をやらせているのは、クリミアをウクライナが奪還すると黒海のウクライナの鉱区が大きく拡大するのと、無関係ではないでしょう。

実は、イギリスはこのような資源やエネルギービジネスに食い込むのが得意です。

【バクー・トビリシ・ジェイハンパイプライン】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%93%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3

この案件は、イギリスが企画してアメリカの「ふんどし」で相撲を取ったような話です。
「BTCパイプラインは、運営者であるBP(以前のブリティッシュ・ペトロリアム)の主導するコンソーシアムによって所有されている。コンソーシアムが設立した操業会社 BTC Co. の株主構成を以下に示す。」
BPの持ち分、最大の30・1%、アメリカ系より遥かに多いです。

どうもイギリスは、アメリカを遠ざけてキエフ政府に「ガッチリ!」食い込んでいるようです。
イギリスが主導してウクライナに残されている地下資源や黒海のエネルギー資源を食い物にする計画かもしれません。
どさくさに紛れて最大の取り分を確保するのは、上の「BTCパイプライン」の例が示す通りです。

【ウクライナは鉱物や天然資源の宝庫】
https://joinjapan.jp/ukrainian-news/ukraine-kobutsu/
ウクライナ紛争の背景にあるエネルギー事情(その2)
ー天然ガスを巡るウクライナとロシアの確執ー2022/03/31
https://ieei.or.jp/2022/03/expl220331/

これほど、イギリスがウクライナに食いつくには、「世界の民主主義を守るため!」以外にも深い!理由がありそうですね❓
(ちなみにウクライナは欧米に借金漬けにされていて、担保に●●を取られています。今やウクライナのものは、何もないと言えるでしょう・・農地すら外国に売り払っています・・代理戦争をやって、国中のめぼしいものは担保に差し押さえられ・・)



※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


アメリカ国務省の新規の対外援助一時停止のウクライナへの影響<ウクライナ紛争2025・01・29

2025-01-29 16:54:46 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

BBC 2025年1月25日
米国務省、ほぼすべての対外支援事業の停止を指示 開発・軍事援助などに影響か
https://www.bbc.com/japanese/articles/cr53vy1q9d9o
AFPBB
米援助凍結でウクライナに広がる不安 人道支援停止相次ぐ
2025年1月28日 16:10 発信地:キーウ /ウクライナ [ ウクライナ ロシア・CIS ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3560339?cx_part=top_category&cx_position=5

アメリカ国務省は、新規の対外援助を一時停止するよう政府関係者や世界各地の米大使館に指示した模様です。
食料援助と、イスラエルとエジプトへの軍事援助は停止されません。
米政府のデータによると、世界最大の国際援助国であるアメリカは、2023年に680億ドルを拠出しています。

バイデン政権時代にアメリカの支出は、激増して政府債務も急拡大して今や、アメリカ政府の財政がひっ迫しています。
バイデン政権は、内外とも膨大な「ばらまき」を行ってきました。アメリカのインフレ高進は、これが大きな理由です。アメリカ経済は好調なのに、更に巨額の財政出動を続けてきました。インフレが激化するのは当然です。

そのような事情があり、トランプ政権の最初の課題は、いかに無駄な支出を削減するかです。
海外援助の精査は、その一環です。

『この(米国務省の)通達は、ドナルド・トランプ大統領が20日に、対外開発援助の効率性と外交政策との一貫性評価を行うため、90日間の援助停止を命じる大統領令に署名したことを受けてのもの。』

AFPの記事
『USAID(米国際開発庁)のウェブサイトによると、ロシアが侵攻を開始した2022年2月以降、USAIDはウクライナに対し、人道支援で26億ドル(約4000億円)、開発援助で50億ドル(約7700億円)、直接的な予算支援で300億ドル(約4兆6000億円)を提供している。』
3年間で5兆7700億円です。これはUSAID(米国際開発庁)の予算分だけです。他に国防省や他の省庁の支出もあります。推計では3年で15兆円を超えるのではないかと思います。最近は、ウクライナへの支援金額は検索しにくくなって、どれだけ供与されているのか、良く分かりません。千億円単位の援助や支援の話が、ボロボロ出てきます。

ともあれ武器支援はともかく、資金に関してはUSAID(米国際開発庁)経由の分は、一旦停止され精査されることになりました。ウクライナとしては、不足する分はEUに泣きつくのでしょうね。
国防省経由の分も怪しくなりつつあります。
アメリカの「一抜け」に備えてNATOのルッテ事務総長は予防線を張っています。

ロイター
ウクライナ向け米製兵器は欧州が費用負担、NATO事務総長表明
2025年1月23日午後 7:46 GMT+96日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/NIC5LLUW7RL3JGI2KHUF42SJPI-2025-01-23/
『「ウクライナについては、米国も関与し続ける必要がある」と指摘。「もしトランプ新政権が米国の防衛産業基盤からウクライナへの供与を続けるつもりなら、そのツケは欧州が払う。私はこのことに完全に納得しており、われわれは喜んでそうしなければならない」と語った。』
アメリカが供与する武器代金をEUが支払うから武器供与を継続するべきだ・という趣旨です。
これでトランプ氏は、武器の費用についてはEUに押し付けることが可能になりました。
アメリカの武器がなければ、EUだけの武器供給では到底ウクライナの需要に足りないからです。

まあ、このようにトランプ政権は資金の面からウクライナをジワジワと締め上げる姿勢を見せています。
アメリカは、これまでウクライナ支援の約半分を負担しています。これをEUが肩代わりするとEU諸国の経済は、ほぼ潰れるでしょうね❓今ですら、相当軋みが出ています。

戦争を始めて煽り立てると、止めるのも簡単ではありません。
EUにしてもEU諸国にしても負担が軽くはないウクライナ支援の理由を選挙民に説明する義務があります。
アメリカの場合は、この点は楽です。
実際その通りですが、バイデンさんと米民主党に全部責任を押し付けてトランプ氏と共和党は責任回避できます。

不純な動機(ロシア叩き)で戦争を煽って負けると、あとが大変です。
結局、今わかることはNATOは戦争費用の回収は、ロシアの海外資産と、勝つことを前提にロシアに親NATO政権(=傀儡政権)を作ってロシアの資源・エネルギー権益を支配することであったのだろうと思います。
ウクライナが負けると、この資金回収と権益獲得プランは、全部「ナシ!」になります。
それどころかロシアの海外資産の利息分を一部盗んでいます。ペナルテイ付きで返還を請求されるでしょう。
ノルドストリーム(海底ガス・パイプライン)の爆破に伴うロシアの被害もあります。これも実行者はウクライナにするのだろうと思います。(アメリカがやったという説もあります)

このように考えると、戦争終結にはロシアに対する補償も必要です。
ウクライナが負担できるはずはありません⇒既に財政破綻しています。
誰が、負担するのか❓(アメリカは、逃げるでしょう・・・)

 

※そうそう、タイトルの答え。ウクライナは、金に詰まる。

金の面からウクライナを締め上げて停戦に合意するよう仕向ける。



※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


イギリスは、どれほど深くキエフ政府に食い込んでいるのか❓とヴェリカノボルシカの戦闘<ウクライナ紛争2025・01・28

2025-01-29 09:16:51 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

TASS通信 2025年1月27日 19:03
【Ukraine cannot just remove Vladimir Zelensky from power to find peace — politician】
(日本語訳)ウクライナは平和を見つけるためにウラジミール・ゼレンスキーを権力から排除することはできない - 政治家

TASS通信が元ウクライナ野党政党党首でロシアに亡命中のヴィクトル・メドヴェドチュク氏のSmotrim.ruメディアプラットフォームの独占コラムでの発言を伝えています。
ウクライナの反政府的な政治家は逮捕されるか亡命しています。親ロシア派は一掃されました。ウクライナ国内の政治は、親アメリカ派と親ロシア派の均衡の上でバランスを取ってきました。2014年クーデターの後でも親ロシア派の政治家や勢力は残っていました。それが内戦の激化を防いでいたと言えます。現在は、西ウクライナ民族主義者の独裁政権のようになっていて誰が出てこようと、コップの中の争いにすぎません。そういった部分について話しています。

<ゼレンスキーに対する評価>
『メドヴェドチュク氏はまた、西側諸国がゼレンスキー氏に与えた餌の役割が、今や「つつかれた虫」の役割に変わったと強調した。「ゼレンスキー氏はもはや、(ロシア大統領の)ウラジーミル・プーチン氏に対する西側諸国の集団的な釣り餌ではなく、すでにつつかれ、間もなく潰される単なる虫に過ぎない」と同氏は結論付けた。』
意味は、役に立たなくなった欧米の代理人は、やがて排除されるだろう・と言う意味です。
もう一つ興味深いことを述べています。

『「今日、ロンドンとワシントンの支援を受けた戦争派以外にグループは存在しない」と同政治家は述べた。ゼレンスキー氏の解任後、同派内で激しい競争が起こるだろうとメドベドチュク氏は述べ、「英国と米国のロビー団体間の戦争は、おそらく激化する局面を迎えるだろう」と付け加えた。メドベドチュク氏は、「ゼレンスキー氏はまだ権力にしがみついている。一般的に言えば、彼が生きているのは、米国がまだ英国をキエフから追い出すだけの力を持っていないからだ」と主張した。』

イギリス政府は、保守党から労働党に政権交代しようと全くウクライナ支援を停止したり変更したりする様子は見えません。そして2022年4月、突然当時イギリス首相のボリス・ジョンソンがキエフを訪問し、当時成立しかけていた和平合意をぶち壊しました。イギリスが、ウクライナ紛争を本格的な戦争に激化させた部分が大きいと思います。
イギリス政府とアメリカ政府は、別々の思惑で動いているのは明らかです。
西側の戦車供与でも真っ先にイギリスが供与を決定し、それに煽られてアメリカ・ドイツの順番で戦車供与が決定されました。(数が足りなくて武器商人の倉庫に眠っていた型落ちのオンボロ戦車レオパルトⅠを100両を供与するオチも付いています。予算消化のためです。おっとっと❓どこまで行ってもこの戦争は胡散臭いでしょう❓)
中距離ミサイルの供与でも同じです。イギリスが最初に供与を決定し、即実行しました。それにフランスが続き、かなり遅れてアメリカも供与しました。
中距離ミサイルでのロシア領攻撃も、積極的に主張していたのはイギリスです。
イギリスは、明らかに戦争を煽り立て激化させ、そして継続しようとしています。
それを裏付ける発言です。

そして現在、キエフで主導権を握っているのはイギリスだと発言しています。どうもアメリカは排除されているようです。
戦争継続に拘るイギリスと、終わらせたいトランプ氏の間には、政策の不一致があります。
この対立は今後激化するでしょうね❓

メドヴェドチュク氏の見解では、イギリス勢力がキエフから排除されたらゼレンスキーも排除されるだろうと述べています。

イギリスが、深くキエフ政府に食い込んでいるのは、どうやら可能性が高いようです。

イギリスは、何故ウクライナ紛争に深く関与するのか❓<2025・01・14
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8f216d97467be72dc74764190ca655a1

この日記でも書いた通りイギリスがアメリカの意思に逆らってまでウクライナに深く関与する理由は、表の情報で調べる限り何も出てきません。理由が分からないのです。ただ2022年4月か、その前からイギリスが深く関与しているのは確かです。ロシアが軍事侵攻を開始した時には、既にイギリスの特殊部隊が大統領府にいたようでした。余り当てになりませんが、ゼレンスキーのその後の発言では亡命の支援のためにいた・と言うことです。その後もゼレンスキーの身辺警護をしているのはイギリスの特殊部隊だという「ウワサ」があります。
ウクライナ紛争におけるイギリスの振る舞いは、謎です。
とにかくイギリスとしては、ウクライナ紛争が続いてくれないと困るようです。
なぜ、困るんでしょうね❓
保守党も労働党も、どっちも同じですから何か余程大きな事情が隠されているのだろうと思います。
イギリス政府とトランプ氏のバトルの行方も目が離せません。
ほとんでスパイ小説の世界です。スパイ小説より面白いと思います。
結末が、全然分かりません。
トランプ氏の剛腕が勝つのか❓
イギリスの悪知恵が勝つのか❓


(2)ロシア側から見たヴェリカ-ノボルシカの戦闘、TASS通信の記事から
①2025年1月27日 20:54
Ukrainian forces kill 15 of their own for refusing to fight in Velikaya Novoselka
(日本語訳)『ウクライナ軍、ヴェリカヤ・ノヴォセルカで戦闘を拒否したとして自軍15人を殺害』
②2025年1月27日 21:28
Velikaya Novosyolka residents helped Russian forces spot Ukrainian positions, officer says
(日本語訳)『ヴェリカヤ・ノヴォショルカの住民がロシア軍にウクライナ軍の陣地発見を手伝ったと将校が語る』
地域住民がロシア軍に協力してウクライナ軍の詳細な情報を提供しています。それがロシア軍の短い時間での市街地占領に役に立ったのは間違いありません。一番の驚きは市街の中央を一気に突破して南北に分断したことです。それが可能だったのは地域住民の情報でしょう。
そして、これまではこのような話は聞いていません。地域住民のキエフ政府からの離反が始まっているのかもしれません。
①では戦闘を拒否したウクライナ兵が15人まとめて射殺されています。今後は、このようなことが増えるのかもしれません。
どちらにしても東部限定で言えば、兵士も地域住民もキエフ政府から離れていくでしょうね❓
(最近、植民地を解放するロシア軍に見えてしまいます。腹いせに自分の植民地を破壊するウクライナ軍❓同族相争う戦争は、本当に良くないと思います。そう仕向けたのは、誰❓)


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


ウクライナ国防省ブダノフ中将が最高議会の派閥指導者らに深刻な警告をした模様<ウクライナ紛争2025・01・28

2025-01-28 17:58:44 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

航空万能論 2025.01.27
ブダノフ中将、早く交渉を開始しないとウクライナ自体の存在が脅かされる
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/lieutenant-general-budanov-ukraines-very-existence-is-threatened-if-negotiations-do-not-begin-soon/

ウクライナ国内には、二つの政治の流れがあるようです。
徹底抗戦派と停戦派です。
もちろん徹底抗戦派は、キエフ政府です。
一方で停戦論が出てくるときに名前が出てくるのが国防省情報総局・局長のブダノフ中将です。
ウクライナ大統領府で権力を握っているのは、アンドリー・イェルマーク大統領府長官であるらしいことは、以前書きました。

ウクライナの政治模様と二つのウクライナ<2025・01・21
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/fe02976cc78b8a670f67f0475e1da305

そのライバルと目されているのがブダノフ中将です。

背後にいる政治家は、前大統領のペトロ・ポロシェンコやキエフ市長のビタリ・クリチコだろうと思います。どっちも反ゼレンスキーです。

ビタリ・クリチコ

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%81%E3%82%B3

その実働部隊がブダノフ中将だろうと思います。どこを切ってもウクライナでは西ウクライナの過激民族主義者しか出てきません。ウクライナの不幸は、「まともな」政治家がいないことです。国民や国家のために奉仕する政治家がいません。独立後、ずっとそうです。私利私欲や党派抗争をするのが常です。そもそも国家意識すらないのではないか❓と、個人的には思います。

 

実は、去年の5月にもウクライナで一時停戦論が持ち上がったことがあります。
この時もブダノフ中将は、「ウクライナ軍には予備兵力が枯渇している・・・」などと戦争継続が不利である趣旨の発言をしていました。

その後、8月にウクライナ軍はクルスク侵攻作戦を発動し、1か月は占領地を拡大して成功しました。
これによりゼレンスキーの支持率は回復し、躍り上がって喜んだウクライナ人からは停戦論など消え去りました。
この意味でクルスク侵攻作戦は、政治的意味の濃い作戦であると思われます。反対の言い方をすると軍事的合理性に欠けると言うことです。
クルスク侵攻作戦の負の影響は大きく、ドネツク州ではウクライナは敗勢です。他の戦場でもジリジリと領土を削られています。これは誰にでも分かります。
航空万能論が引用するウクライナの軍事サイトのDEEP STATEの情報は、敵味方問わず公開されています。ウクライナ国内でも、この情報をもとに戦況判断されています。国防省の発表は、誰も信頼していないでしょう。
そう言った意味もあって「最高議会の派閥指導者らが本当の戦況を把握するため軍司令部の指導者を招いた非公開の会合を開催した」と言うのが、ウクライナの新聞のUkrainska Pravdaが報道した内容です。
記事には、多少「尾ひれ」が付いているようです。
あるいは、会議に参加した誰かがリークしたのかもしれません。

最高議会のオレクシー・ホンチャレンコ議員のコメント
「ブダノフ中将はウクライナ自体の存在が脅かされるとは言わなかった。彼は何も変わらなければ戦線が崩壊して問題が起きるかもしれないと言った」
これは表向きの話で、実際には相当突っ込んだ意見を述べていると思います。

それ以前の話としてキエフ政府には、トランプ政権から非常に厳しい要求が届いています。

2025.01.13
トランプ次期政権も動員年齢引き下げを要求、ウクライナも全力を尽くせ
https://grandfleet.info/us-related/trump-administration-also-demands-lowering-of-military-age-ukraine-should-also-do-its-utmost/
安全保障問題担当補佐官に指名されているウォルツ下院議員
『13日「重要なのは戦場の安定化だ。我々がウクライナに求めるものの一つが兵力で、彼らは18歳からではなく26歳(実際は25歳でウォルツ議員の誤認)から徴兵している。ウクライナが民主主義のため全力を尽くせと我々に言うなら、ウクライナにも民主主義のため全力を尽くしてもらう必要があり、人的問題が解決されるのを見届ける必要がある」と述べ、ロシアと交渉を始めるには前線の安定化が必要で、そのためには新たな援助や武器パッケージだけでは不十分=兵士の数が重要だと主張した。』

ポイントは、この部分です。
【ロシアと交渉を始めるには前線の安定化が必要】
つまり逆の言い方をすると、前線が安定化しない限りロシアとの交渉を開始しない・とも聞こえます。

そして『ウクライナ人ジャーナリスト、ロマン・ボチカラ氏は「ペンタゴンでウクライナを担当していた人は全員解雇された。完全に再起動だ。必ず変化はあるだろう」』との情報もあります。(Hara blg X投稿)※この情報は根拠を確認していません。ペンタゴンのウクライナ担当の人員の総入れ替えは、当然必要でしょう。戦争を遂行するスタッフから停戦するためのスタッフへの入れ替えです。下院の重要ポストも複数、ウクライナ支援支持議員から支援反対議員に入れ替わりました。

トランプ氏は、マスコミへのリップサービスでロシアに厳しいことを言っているように見えます。実際には即・出来るようなことは発言していません。口先で軽く脅しているだけです。既にバイデンさんが相当厳しい制裁を発動しているので、更に出来ることは限られています。
トランプ氏の口先とは反対にウクライナに対する支持体制は、停戦に移行する体制に変化しています。ウクライナもトランプ政権に対してはロビー活動をしていますから、戦争継続支持は得られないことを知っていると思います。(ロビー活動は失敗しています⇒色好い反応はない)

このままゼレンスキーが主張するように戦争を継続すれば、トランプ政権は「前線の安定化が出来ていない」ことを理由にロシアとの停戦交渉開始を遅らせることは、十分あり得ます。
シカゴ大のジョン・ミアンシャイマー教授の推測では、ウクライナの継戦能力は、6~7か月程度だろうという話です。

『ウクライナの継戦能力について(シカゴ大ジョン・ミアンシャイマー教授)<ウクライナ紛争2025・01・08』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/f7f1c10bf204015297f9f06378b3f7a1


アメリカ軍(ペンタゴン)内部の冷静な状況判断も似たようなものだろうと思います。

このような事をブダノフ中将は、軍事音痴の議会の派閥幹部に詳細に説明したのであろうと思います。
夏を過ぎて無条件降伏するのか❓
今すぐ停戦交渉を始めて、多少なりとも自分たちの取り分を確保するのか❓

政治的な部分ではロシアは譲歩しないと思いますが、今なら領土的な部分は4州割譲で折り合えるかもしれません。
数か月後にはロシアは4州以上の領土を占領するのではないか・と思います。
ウクライナ取っては事態は、それほど切迫していると言うことです。
一番、いいのはゼレンスキーに因果を含めて大統領を辞任させることでしょうね❓
今すぐ始めるには、これしかないと思います。
(ゼレンスキーが法律で停戦交渉を禁止しています。自分が法律で禁止しておいて、今更自分で停戦交渉に臨むのは無理でしょう❓ゼレンスキーが恐れているのは、ゼレンスキーを外して停戦交渉が行われることです。この部分に対しては異常に猜疑心が強いです。)


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
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ヴェリカ・ノボルシカ防衛で取り残されたウクライナ軍が降伏、その他の戦場<ウクライナ紛争2025・01・27

2025-01-27 19:02:45 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

(1)ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)
TASS通信 1月27日 14:46
【Ukrainian soldiers surrender in Velikaya Novosyolka in Donetsk region】
日本語訳『ウクライナ軍、ドネツク州ヴェリカヤ・ノヴォショルカで降伏』

「ウクライナ第110独立機械化旅団の軍人グループが降伏した」とありますから兵士がパラパラ降伏したのではなく取り残された部隊の指揮官が降伏を決めて部隊ごと降伏したのだろうと思います⇒ここは私の推測。
ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)のウクライナ軍は東西南の三方向からロシア軍包囲され北には、モクリ・ヤリー川が流れていて脱出しても砲撃やドローン攻撃で相当な損害を被ったと思います。
市街は、南北に分断されていたので降伏したのは南側で完全に包囲されていた部隊かもしれません。
北側にいた部隊も川を越えての逃亡ですから降伏していなければ、大きな損害を出していると思います。

降伏せず徹底抗戦したエリアが、クラホヴェ(Kurakhove)方面です。戦場は市街地と南の広い郊外です。ロシア国防省によれば、このエリアを守っていたウクライナ軍は約15000名で死傷率が80%と言う話でした。ほぼ全滅に近いと言えます。包囲されて徹底抗戦すれば、このような悲惨な結果になります。ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)は、あるいは一部の部隊かもしれませんが、そうならなくて本当に良かったと思います。

航空万能論 2025.01.27
『第110旅団は包囲から脱出、ゼレンスキーはドネツク方面の司令官交代を発表』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/110th-brigade-escapes-from-encirclement-zelensky-announces-change-of-command-in-donetsk-region/

第110機械化旅団の報告
「気象条件を利用して包囲の危険があった地域から撤退した」
「ヴェリカノボシルカ周辺での戦闘を継続している」

こうなっていますが、アウデイーイウカ攻防戦ののち、参謀本部は撤退命令を出しましたが遅すぎてどれだけのウクライナ兵が撤退できたかは、今も不明です。約1000人位の捕虜がいました。この数も不明なままです。どの程度が戦死したかも不明です。しかし多くの将兵が戦死したことは確かです。
ともあれヴェリカ・ノボシルカ市街での戦闘はロシア軍の勝利に終わりました。市街地の陥落が早かったのでウクライナ軍が戦闘より撤退を優先したのは確かだろうと思います。

もっとも違う見方もあり、市街地からは撤退したが北側の川の内側(郊外)で戦闘を継続しているのではないか・という説があります。これは最悪です。最後は川幅平均40メートルくらいの川を渡らないと北西方向の開けた地域に撤退できません。

(2)ポクロウシク(Pokrovsk)西南方面
西南と言うより西に近くなってきました。
1本目の鉄道と幹線道路T-0406を超えコトリーネ(Kotlyne)を制圧してロシア軍は、占領地を広げながら更に北に向かって進撃しています。最短距離5km弱に2本目の鉄道路線と主要幹線道路のE-50があります。
ロシア軍が、ここを制圧するとポクロウシク方面は西にのドニプロ市から来る補給路を失います。
既に危機的な状況と言えます。

(3)クラホヴェ(Kurakhove)西方面
幹線道路E-50の北側からロシア軍が大きく西に前進しました。
多少は要塞として機能するのではないかと期待されていたアンドリイフカ(Andriivka)は早くも東からロシア軍が迫り市街地に侵入し始めています。
この様子では南のルートE-50沿いにあるウクラリーとコンステイアンテイノビルも、そう抵抗できそうもありません。

もう、南ドネツクには要塞になりそうな集落や都市はありません。防衛ラインが用意してあるとも思えません。
ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)方面のロシア軍とクラホヴェ(Kurakhove)西方面のロシア軍は、両方とも周辺のウクライナ軍の拠点を制圧しながら、ドニプロペトロウシク州とドネツク州の州境付近を北上して、ポクロウシク包囲戦に参加するのではないか・と思います。

もう、南ドネツクと中部ドネツクは、現地のウクライナ軍は守りようがないと思います。
本来なら大きく後方に後退して、あるのなら防衛ラインでロシア軍を迎撃するべきです。
キエフ政府や国防省のやり方を見ていると、多分ないと思います。

(4)航空万能論の記事の後半では、またお約束のような国防省の汚職の話が書いてあります。
国防相交代後、ほぼ無能を発揮してきたウメロフ国防相は汚職に関しては能力を発揮しているようです。
これは評判の良かった前任の国防相を解任して、ゼレンスキーの肝いりの人事です。

その他にもウクライナの腐りきった話は山ほどあります。それが分かっていてこれまで欧米は、ゼレンスキーを徹底的に支持してきました。ゼレンスキー他キエフ政府と国防省の幹部を総入れ替えすれば、少なくとも今よりは「マシ!」になると思います。
ほんと!上から下までウクライナは、腐りきっていますね。特に上の方が悪質です。ここに新興財閥が絡んで金を抜き取る構図は、昔からです。ウクライナの救いようのない病根です。

こんな政府のためにこの戦争で死傷したウクライナ兵は、ロシア国防省の発表では100万人を軽く超えています。
バイデンさんは、飛んでもない悪事を犯したと思います。バイデンさんによるバイデンさんのための戦争です。
ご本人は、大統領候補から引きずり降ろされてさっさと逃げ出しました。


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「ヴェリカ・ノボルシカをロシア軍が制圧」ロシア国防省発表、速報する産経新聞<ウクライナ紛争2025・01・27

2025-01-27 15:55:23 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)は既にウクライナ側軍事サイトのDEEP STATEがロシア軍の市内全域への進撃を報告しています。だから制圧は時間の問題でした。ロシア国防省が制圧を発表したのが26日です。まだ英語版TASS通信は記事にしていません。

産経新聞
ウクライナ、ロシア製油施設に無人機攻撃 東部ドネツク州では攻防続く
2025/1/27 07:13
https://www.sankei.com/article/20250127-FOTIIR4H35PLNJDJNK2ZJCHVOQ/
「ロシア国防省は26日、ドネツク州西部の集落ベリカノボシルカを制圧したと発表した。」と何故か産経新聞が速報しています。
TASS通信のロシア語版を転載したのか、直接ロシア国防省の発表を速報したのかどちらかです。
記事の大部分は、共同通信からの転載です。
共同通信 2025年01月27日 09時22分
ロシア製油施設にドローン攻撃 ウクライナ、ドネツクでも攻防
https://www.47news.jp/12081381.html

ところが共同通信は、「ベリカノボシルカを制圧」については報道していません。
だから、この部分は産経新聞の独自報道です。
最近、産経新聞が時々ロシア国防省の発表を速報します。
従来は、他の日本のマスコミと同じでウクライナ支持報道に偏向していました。
なぜ、ロシア国防省の報道を速報するようになったのか❓

ウクライナ支持偏向報道は相変わらず続けています。
以前にも書きましたが、そこにロシア国防省の発表の速報を混ぜるのは、トランプ政権への配慮かもしれません。そしてウクライナ支持偏向報道の軌道修正かもしれません。
今まで散々ウクライナ絶対支持的報道をして戦争を煽りまくってきました。
トランプ(=アメリカ)が、その姿勢を変えれば、さすがに都合が悪いのは確かです。
どう言う事情なのか、または変化なのか注目しています。

※その後、読売新聞も報道していました。
『 ロシア軍、ドネツク州南西部の集落を制圧…ウクライナ反転攻勢の起点まで押し戻す』
2025/01/27 11:05
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250127-OYT1T50042/
これは、やはり「トランプ効果」かもしれませんね。
ウクライナ不利を報道して停戦の雰囲気作りをしているのかもしれません。


(2)ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)は守りようもなく、もっと早くウクライナ軍は撤退するべきでした。キエフ政府の命令で最後まで戦ったのだろうと思います。現地の将兵は、哀れ・と言うしかありません。

占領後の後始末にしばらく時間がかかります。
しかし、その後方面軍の任務が空きます。つまりヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)方面を攻撃していたロシア軍の他への転戦が出来るようになります。
方向は二つあり、西のザポリージャ州方面。もう一つが、このままザポリージャ州とドネツク州の州境付近を北上するルートです。個人的な予想は、北上してポクロウシクの西を目指すと思います。やはり今ロシア軍の第一目標は、ドネツク州の完全制圧でしょう。
ルガンスク州でもロシア軍は州全域の制圧を目指す動きを見せています。

こうなるとポクロウシク方面のウクライナ軍には、方面軍が一つ増えることになりロシア軍の数が最低でも数万人増えます。

航空万能論 2025.01.25
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-soldiers-raise-the-russian-flag-with-military-flags-in-velikanovosilka/

今ですらロシア軍は、ポクロウシク西部のウクライナ軍の補給路を遮断しようと言う動きを見せています。北側にある2本目の鉄総路線と幹線道路E-50まで5km弱まで迫っています。

クラホヴェKurakhoveの西方面にまだウクライナ軍の拠点が、いくつか残っていますがこのエリアも長くは、もたないだろうと思います。ヴェリカ・ノボルシカを攻撃していたロシア軍が北上を始めれば、そう長くかからず南ドネツクはロシア軍が全域制圧するだろうと思います。
この方面のロシア軍も加わって、ポクロウシク方面の攻撃が始まればロシア軍の総数は2倍以上に増えます。
ポクロウシクが、大きく三方向から包囲されるのも時間の問題と言えるでしょうね。

停戦を拒否したいゼレンスキーですが、停戦が遅れるほどウクライナ軍将兵の犠牲は増えていき、ロシア軍の占領地も拡大していきます。
クルスク作戦に血道をあげたり、ロシア領をドローンやミサイルで攻撃したところで、ドネツク州でのロシア軍の進撃を遅らせることは出来ません。

(3)ルガンスク州方面
TASS通信 1月27日 13:10
Russia eliminates 7,200 Ukrainian soldiers, mercenaries on LPR borders in week — expert
(日本語訳)『ロシアは1週間でLPR国境のウクライナ軍兵士と傭兵7,200人を排除したと専門家が発表』
※これはロシア国防省の発表ではありません。軍事専門家アンドレイ・マロチコ氏によるとロシア軍はハルキウ州で大きな戦果を挙げたようです。場所は書いていませんがクピャンスク方面か、リマン~クレミンナ方面のどちらかでしょうね。両方かもしれません。

※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


西ウクライナと東ウクライナの戦いに変化したウクライナ紛争とヴェリカ・ノボルシカの市街戦<2025・01・26

2025-01-26 22:01:51 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

(1)ヴェリカ・ノボルシカの市街戦
航空万能論 2025.01.25
『ロシア軍兵士がヴェリカノボシルカでロシア国旗を軍旗を掲げる様子が登場』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-soldiers-raise-the-russian-flag-with-military-flags-in-velikanovosilka/
(追記、その後の記事)
2025.01.26
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-for-velika-novosilka-russian-forces-occupy-over-90-of-the-city/

戦況図では、まだ市街地の南側のウクライナ軍は抗戦しています。
その前に市街地はロシア軍が中央を突破して南北に分断されています。
南側は完全に包囲されています。一部、情報では南の市街地は既にロシア軍が制圧した模様です。

※追記⇒市内はロシア軍がほとんど制圧して、掃討戦が行われているようです。

完全に補給を絶たれていますから、本来は撤退か降服しかありません。北側も川を渡って北西に逃げるしかありませんから絶望的です。もっと早く撤退するべきですが、参謀本部がそれを許しません。

ヴフレダルVuhledarのの要塞を巡る戦いからウクライナ軍の戦いが徹底抗戦に変化したように見えます。
元々、ウクライナ軍にはその傾向はありました。アウデイーイウカ要塞を巡る攻防戦でも、ほぼロシア軍の包囲が完成してから撤退命令を出しました。負傷兵は置き去りにして、市街戦が行われている中での撤退(逃亡)ですから撤退路(西)から離れた位置にいた兵士は、余り生き延びられなかっただろうと思います。

何故、こうなるかと言うとゼレンスキーが寸土に拘るからです。2024年は、それが理由で撤退命令は、ほとんど出ません。出ても遅すぎるから多くの将兵が犠牲になります。2024年の半ばくらいから投降も許されないようです。逃げるものは射殺命令が出ている気配があります。撃ち殺すだけでなくドローンで追跡して殺そうとします。

1か月ぐらい戦ったクラホヴェKurakhove方面の戦いは、ウクライナ軍にとって悲惨としか言いようがありません。ロシア軍の発表によればこの方面のウクライナ軍は約15000人だったそうです。そのうちの死傷率は80%と言うことです。全滅に近いような死傷率です。
なんだか昔の旧帝国陸軍と似ています。降伏も撤退も許されず最後まで徹底抗戦命令が出ているようです。
キエフ政府や参謀本部の言い訳でしょう。
「最後まで戦ったが、・・・・・」
将兵の使い捨てをやっています。
キエフ政府や参謀本部の言い訳のために現地の将兵を見殺しにするようでは、もうダメだと思います。よくウクライナ軍が反乱を起こさないものだ・と思います。

この記事では、トレツクТорецькの市街戦も取り上げています。ここは市街地の面積が広くロシア軍は包囲せず市街戦を戦っているのでウクライナ軍は去年の9月から交戦していますが、部隊の増援も少なく時間とともに消耗しますので力戦むなしく、市街地の全域が戦闘地域になっています。こうなっては、もう補給は無理ですから掃討戦に近い状況でないかと思います。

(2)西ウクライナと東ウクライナの戦いに変化したウクライナ紛争
キエフ政府に東部を守ろうという意思は感じません。
クルスク侵攻作戦がそれを示しています。自分たちの都合で、ほぼドネツク州の防衛は放棄(放置)したと言えます。
東部を守らず、まるで無関係なロシア領攻撃に残り少ない予備選力を全部投入しています。
結局、西ウクライナの民族主義者にすると東部は植民地のような感覚なのだろうと思います。
内戦のころには、ドネツク州とルガンスク州の独立派の地域に無差別砲撃をしていました。当然、多くの市民がジェノサイドの犠牲になっています。西ウクライナが、東ウクライナの市民を虐殺する構図がありました。ロシア軍が侵攻した後も同じです。時々ドネツク州は無差別砲撃の対象になっていました。

【ドネツク州クラホベ解放とドネツク市にある「天使の並木道」<ウクライナ紛争2025・01・11】
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/cf8d1013e372fa6a49cfff6f7d3e6e00

それが最近は酷くなってきました。西側はキエフ政府の暗い部分は隠します。
しかし、ネット上には様々な噂(動画や映像付き)が出回っています。
クルスクでは、民間人の殺害や略奪があるようです。今は略奪する物が枯渇したと思いますが。
ロシア領への越境攻撃では平気で民間人も対象にしています。

東部戦線では、ロシア兵に保護を求めたウクライナ女性2人をウクライナの狙撃兵が射殺する事件がありました。保護しようとしたロシア兵も射殺されたそうです。
セリダブSelydoveでは、ウクライナが支配していた時に民間人の一家が見せしめのために他の市民が見ている前で殺されたそうです。


TASS通信 1月25日 02:31
Ukrainian troops killed entire families in Selidovo — activist
(日本語訳)ウクライナ軍がセリドヴォSelidovoで家族全員を殺害したと活動家が語る
https://tass.com/politics/1904007
<一応、記事の一部抜粋引用>
『ウクライナのネオナチとその共犯者の犯罪に関する国際公衆法廷の議長でロシア市民会議のメンバーであるマクシム・グリゴリエフ氏は、ウクライナ軍がドネツク人民共和国のセリドヴォ市Selidovoで、多くの場合民間人の目の前で家族を殺害したと述べた。

「セリドヴォの住民は、町がウクライナ軍の支配下にあったとき、自分たちの母親、父親、息子、娘、友人、隣人がウクライナ軍兵士に射殺された様子を詳細に語ってくれた。こうした殺害は、私たちがインタビューした町民の目の前で行われることが多かった」と、彼は「戦場外でウクライナ軍が民間人に対して犯した残虐行為」というテーマで行われた国連安全保障理事会メンバーによるアリア方式の会議で語った。「これらの民間人への射殺は、まさに路上、個人の家やアパートで起こったことに私は注目している。ウクライナ軍が家族全員を殺害することは珍しくなかった」と彼は指摘した。

グリゴリエフ氏は、「キエフ政権がセリドヴォで組織した民間人虐殺は、ジュネーブ条約の明白かつ甚だしい違反であり、時効のない国際人道法の下では戦争犯罪に該当する」と強調した。同氏はこれに先立ち、ウクライナ軍の銃撃によりセリドヴォ市の民間人100人以上が殺害されたと述べている。』

余りにひどいと思ったのでTASS通信の記事を転載しました。
Google Chromeで閲覧すれば翻訳機能を利用して日本語訳を読めます。
転載したのは、その翻訳文です。

戦争ですからどちらも残虐行為はしています。
しかし、ウクライナ軍の行っているのは自国民に対しての残虐行為です。
見せしめのために市民を、市民の見ている所で公開処刑のように殺害するのは、もう犯罪行為と言うしかありません。
ロシア軍がセリダブSelydoveを制圧したのは去年の10月だと思います。
その直前の事件でしょうね。ロシア側が調査を終え公表したのが昨日なのだろうと思います。

キエフ政府やウクライナ軍が、東部を自国領とは見なしていないことの証明だと思います。占領地・植民地だからこんなことが出来るのだろうと思います。
私は、これがロシアの捏造記事だとは思いません。事実だろうと思います。
もっと小規模で似たような事例が過去に何度も記事になっているからです。
しかし、これほど悪質なのは初めて読みました。
そのため、記事を転載しました。

ウクライナを支援するからと言って、あまりに酷いキエフ政府の残虐行為を見逃すのは犯罪を隠ぺいするのと同じです。
しかも、自国民に対してです。裏切者は殺してよい・という考えが如実に出ています。
それこそロシアが言う通り、「ナチ」でしょう。これは西ウクライナの民族主義者の体質です。古い思想ですから昔の残虐性が遺伝子のように残されているように見えます。
私がキエフ政府を批判的な視点で見ているのは、これが理由です。


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


トランプ式交渉術とウクライナ和平の行方<2025・01・24

2025-01-24 20:06:35 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

トランプ氏は、就任間もないのでウクライナ和平の方は、後回しにすると思っていましたが、どうもそうではないようです。
「口撃」を乱発してロシアをけん制し始めました。

トランプ式交渉術を見ていると二通りあるようです。
①吹っ掛けて値段を吊り上げる

ガザ紛争
ハマスを脅して和平合意を飲ませました。一方イスラエルにも因果を含めて合意を飲ませました。
イスラエルは戦後の復興資金がいります。武器も相当消費しましたから補充が必要です。その支援をネタに多分、合意させたのだろうと思います。
中国
高関税をネタに脅しました。中国も折れて折り合うようです。トランプ氏の出した条件に合意したのだろうと思います。

②思いっきり吹っ掛けて、値切る
ウクライナ紛争

多分、ウクライナ紛争は②のやり方をするのだろうと思います。
値切るのは、ロシアの停戦条件です。
もう少し緩くしてほしいのがトランプ氏の希望でしょう。
だから「思いっきり」吹っ掛けて、条件闘争をしようと言うのだろうと思います。

現状では、ロシアが戦場で優勢ですから普通は中々ロシアは折り合わないと思います。
⇒ロシアの条件を通す

これでは困るから、ロシアの条件を緩くしようという考えのように思います。

ウクライナの方は①で行くのだろうと思います。思いっきり脅し上げて、多少の不利は飲ませるでしょう。
飲まない場合に都合の良い状況が生まれました。

ロイター
ウクライナ向け米製兵器は欧州が費用負担、NATO事務総長表明
By ロイター編集
2025年1月23日午後 7:46 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/NIC5LLUW7RL3JGI2KHUF42SJPI-2025-01-23/

③<ルッテ事務総長が、うっかり口を滑らせました。>
「ウクライナについては、米国も関与し続ける必要がある」
「もしトランプ新政権が米国の防衛産業基盤からウクライナへの供与を続けるつもりなら、そのツケは欧州が払う。私はこのことに完全に納得しており、われわれは喜んでそうしなければならない」
「ロシアが勝利しないことが重要だと指摘」
「ウクライナ支援を縮小することなく、さらに強化しなければならない」

多分、トランプ氏はこの発言を実行させると思います。武器代金はヨーロッパもちです。
アメリカは、多少資金供与する程度で済ますでしょう。
ヨーロッパの方は、①で成功しました。

この後、どうするのかは不明です。
多分、速いうちにプーチン氏と直接会談するのでないですか❓
どうも、モスクワに出かけそうな雰囲気です。
ロシアと条件闘争して、多少「おまけ」してもらって、その後ゼレンスキーと交渉でしょう。
交渉と言うより脅し上げですね。
プーチンさんも、ここまで勝てば、この後は余り熱心に戦争を続けたいような雰囲気は、ないように見えます。ロシアの条件がある程度、通れば折り合いそうな気がします。元々、ウクライナのNATO加盟阻止が一番大きな理由です。これが通れば領土的には現状での停戦で特に不満は、ないと思います。

プーチン氏と合意した内容を、有無を言わせずゼレンスキーに飲ませると思います。
飲まなければ、③にして(ヨーロッパに丸投げして)、取り敢えず一旦手を引くでしょう。

こうして最悪、アメリカはウクライナのゴタゴタから手を引くのだろうと思います。トランプ氏にすればアメリカの金が出て行かなければ、どっちでもいいでしょう。
③を見て、「一抜け」のチャンスと見たのでしょうね❓

④トランプ式交渉術その3
「ゴタゴタは人に押し付けて、逃げる」
ウクライナが折り合わなければ、「後は、勝手にしろ!」と放り投げそうな気がします。
結局、トランプ氏にしてみるとウクライナ紛争はバイデンさんの戦争ですから、多分どうなろうとそれ程気にしていないと思います。アメリカにとって、一番大切なことは、さっさと手を引くことです。ベトナム戦争や20年続いたアフガンの二の舞は、ご免でしょう。アメリカの国益とは、ほとんど関係のないバイデンさんの個人的な戦争だからです。

★ご参考
日本のマスコミの流すニュースは、米民主党寄りのメデイアのニュースばかりです。
では、共和党寄りのFOXニュースは、どんな報道をしているのか❓
スプートニク日本
【ゼレンスキーは天使ではない……紛争が終わらなかったのはこの男が原因=トランプ大統領】
2025年1月24日, 12:05 (更新: 2025年1月24日, 13:12)
https://sputniknews.jp/20250124/19524913.html
どうもトランプ氏は、共和党支持のFOXニュースに取材にこのようにコメントしたようです。
西側は都合が悪いので、多分スプートニクしか報道していないのでしょうね❓
スプートニクが、まるで捏造ニュースを流すとは思えませんから、多分本当なのだと思います。
つまりトランプ氏は、ゼレンスキーをこのように見ていると言うことだろうと思います。

 

※ロシア側の基本的な主張は、2022年4月のイスタンブール合意がベースだと言っています。1月24日にロシア外務次官がコメントを述べています。これが、ロシアの最低条件でしょうね。ロシアは、ここから上積みしたい。トランプ氏は、イスタンブール合意を値切りたい。この交渉になると思います。

TASS通信 1月24日 18:42

(日本語訳)【ロシアはキエフに対しNATO不参加の「確固たる」保証を求めると外交官】

【Russia to seek 'rock-steady' guarantees of non-participation in NATO for Kiev — diplomat】

1月24日 19:31

(日本語訳)【クレムリンはゼレンスキー氏が「取引」に応じる準備ができているとは考えていない】
【Kremlin does not believe Zelensky is ready for 'deal'】

(英文で検索すればTASSの記事が出てきます。Google Chromeで閲覧し翻訳機能を使えば大まかな翻訳文を読めます)


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


トランプ氏のロシア「口撃」一発目とクルスク戦線でロシア軍が進撃<ウクライナ紛争2025・01・23

2025-01-23 21:11:11 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

二つまとめて書きます。記事を分けるほどのことは無いからです。

(1)トランプ氏のロシア口撃一発目
産経新聞 2025/1/23 09:11
『トランプ氏「ばかげた戦争やめろ」 露との取引不成立なら「高関税・制裁」とSNSに投稿』
https://www.sankei.com/article/20250123-FZM7DDZ2M5IPVBL3PRQTSXGPCI/

これが本当かどうか確認するには、TASS通信を見るのがいいです。

TASS通信
Trump threatens to curb Russia’s exports if no deal on Ukraine reached
1月23日 02:00
(日本語訳)トランプ大統領、ウクライナ問題で合意に至らなければロシアの輸出を制限すると警告

どうやら本当で、自分のSNSの投稿記事です。
TASS通信の記事から引用
『「もし我々(ロシア)がすぐに『合意』を結ばなければ、ロシアが米国や他の参加国に販売するあらゆるものに高水準の税金、関税、制裁を課す以外に選択肢はない」とトランプ氏は自身のTruth Socialページに書いた
さらに、米国大統領はロシア側に「非常に大きな恩恵」を与える用意があると述べた。「今すぐ和解し、この馬鹿げた戦争を止めろ!事態は悪化するだけだ」と同氏は書いた。』

大体、このような内容のようです。
一応、言うのはタダだから吠えてみた・と言うことでしょう。

実は、中国はこれで結構軟化しています。
去年ですが、「中国が台湾に武力行使したらどうしますか❓」との記者の質問に対し・・・
「アメリカは介入しない。200%関税をかける!」と答えました。
中国も堪えて、その後トランプ氏への姿勢が軟化しました。
トランプ氏がヤバイ中国は、どうしたか❓
子分の日本の頭をナデナデして、日本を懐柔しています。
すぐそれに乗る軽薄な日本政府。どうかな❓と思いますけれど・・・

中国の主要貿易相手国
https://www.tokai-center.or.jp/pdf/24/kaihou2024_3.pdf
輸出 米国(14・8%)、日本(8・4%)、韓国(7・2%)
輸入 輸入 台湾、韓国、日本

アメリカ
https://boueki.standage.co.jp/america_export_basic/
2022年輸入 1位:中国16・4%

日本2021年
https://www.jftc.or.jp/kids/kids_news/japan/country.html
輸出 ①中国21・6% ②アメリカ17・8% ③台湾7・2%
輸入 ①中国24・0% ②アメリカ10・5%

何故、中国が「200%関税」で軟化したのか分かりましたね❓
せめて日本は手なずけておこうと言うわけです。
「台湾有事は、日本有事!」
台湾有事が起きれば、間違いなく世界大恐慌が起きます。
一番先に沈没するのは、日本です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トランプ氏は、これに味をしめて、ロシアにも軽く先制「口撃」をしました。
しかし、ロシアには全然効き目がありません。
既に相当の経済制裁を科しています。あと、何を制裁するのか悩むでしょう❓
おまけにロシアの主要輸出国は中国とインドで、どっちも一筋縄では行かない相手です。
まあ、マスコミ向けにリップ・サービスしたと言うことかと思います。
ほとんど、意味のない冗談みたいな話だと分かると思います。
マスコミは、喜ぶネタです。

(2)クルスク戦線でロシア軍が進撃
航空万能論 2025.01.23
『ロシア軍がクルスクで領土を奪還、ポクロウシクでもT-0504を遮断寸前』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-forces-retake-territory-at-kursk-nearly-cut-off-t-0504-at-pokrovsk/

クリスマス休暇明けの大進撃の後、ロシア軍は一服していました。
その後、ウクライナ軍は何とかスジャ南のマフノフカの拠点を奪還してロシア軍を2kmほど南に押し返しました。
ウクライナ軍が、反撃できたのはこれだけです。
小休止していたロシア軍は、再び前進してマラヤ・ロクニャの南西方面で支配地を広げました。
ジリジリとマラヤ・ロクニャの補給路の幹線道路38k024に接近しつつあります。目測約2km程度でしょうね。この補給路を遮断されるとマラヤ・ロクニャから北のエリアは、放棄して撤退するしかないでしょう。
兵力不足のウクライナ軍は、強力な拠点があってもその横から突破されて、結局包囲を避けるために撤退することの繰り返しです。どこでも、こんな光景が見られます。

(3)ポクロウシク東方面
ヴォズドヴィジェンカVozdvyzhenkaを制圧した後、周辺に占領地を広げていました。突出部を作って面的に広げるのはロシア軍の常套手段です。こうするとウクライナ軍は反撃のチャンスが生まれません。遅いですが手堅い作戦です。強い方が手堅く攻めるのですから、ウクライナ軍には反撃の余地がありません。
既に北西方向の大物流幹線道路のT-0504は戦闘範囲に入っていましたが、こちらの方向に進撃を始めました。あと1kmくらいで道路に到達します。これで東のコンスタンチノフカ(Костянтинівка)方面への補給は、ポクロウシクから北に大きく迂回してクラマトルスクКраматорськに送るしかありません。相当、北部ドネツクへの補給は苦しくなっていると思います。
それに比例してチャシブ・ヤル(Chasiv Yar)やトレツクТорецькでロシア軍が進撃しています。
トレツクТорецькは、市街戦が最終段階でロシア軍が掃討作戦に入っています。

更に状況は悪化しつつありポクロウシクに西のドネツク市から来ている補給路の2本目の鉄道と幹線道路E-50まで北に5km地点までロシア軍が進出しています。
ルートT-0406の北にある拠点のコトリーネ(Kotlyne)をロシア軍が制圧しました。
この北には、幹線道路E-50まで拠点になる集落はありません。
畑地帯で塹壕と陣地だけでどれだけ防衛できるかと言うと、数で押されればやがてはロシア軍に突破されるでしょう。
こうなるとポクロウシクとデイミトロフМирноградは、西のドニプロ市から来る補給を失います。

時間の経過とともに段々、中部ドネツクと南ドネツクのウクライナ軍は苦しくなっていきます。
南ドネツクでは、ヴェリカ・ノボルシカ(Velyka Novosilka)の包囲戦が最終段階で、もう守りようがありません。
ここを攻めているロシア軍は、やがて北上してポクロウシク包囲戦に参加するでしょう。
解説の仕様もなくウクライナ軍の苦戦が時間とともに強まります。
停戦交渉をロシアに申し入れる以外に取るべき道は、ありません。
これ以上、戦闘を継続しても無駄にウクライナ兵が死傷するだけです。

※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


メモ
ウクライナ向け米製兵器は欧州が費用負担、NATO事務総長表明
By ロイター編集
2025年1月23日午後 7:46 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/NIC5LLUW7RL3JGI2KHUF42SJPI-2025-01-23/


クピャンスク方面オスキル川北でロシア軍が橋頭保を拡大してザパドネを制圧<ウクライナ紛争2025・01・23

2025-01-23 21:09:25 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

航空万能論 2025.01.21
『ヴェリカノボシルカを巡る戦い、ロシア軍が市内に侵入して足場を築く』
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-for-velika-novosilka-russian-troops-enter-the-city-and-gain-a-foothold/

記事は、ヴェリカ・ノボルシカを中心に取り上げていますが日記ではクピャンスク方面を取り上げます。
最近の傾向としてロシア軍が活発に活動するエリアが増えました。
①クピャンスク方面
②スバトボСватове方面(クピャンスク南東方向)
③リマンЛиман~クレミンナ方面(スバトボ南西方面)
クピャンスク~リマンに至るエリアです。各方面ともこれまで活動はしていますが、どちらかと言うと控えめでした。
それが、最近は活発化していてクピャンスクでは、これまでとは違いオスキル川北方面でウクライナが支配する西岸に渡る動きが出てきました。②と③は、今回は省略。

大体、活動しているのはクピャンスク市街からオスキル川沿いに北に約10kmほど行ったドヴォリチナ(Dvorichna)付近です。
2か所で渡河して、そのうち北側の方はウクライナ軍が追い返すことに成功しました。
ところが、南側の方はロシア軍が足場を築くことに成功してドヴォリチナ(Dvorichna)市街を攻撃中です。
それが、航空万能論の記事の略図です。

TASS通信の記事を見ていたら、22日のロシア国防省の発表が報道されていました。
ロシア国防省の発表によると、ドヴォリチナ(Dvorichna)から南西方向に下ったところにあるザパドネ(Zapadne)を制圧したと言うことでした。約オスキル川から約3kmほど入り込んでおり、ドヴォリチナ(Dvorichna)と合わせると面的に広く制圧しており、ロシア軍のオスキル川渡河作戦は成功したと評価できます。

こうなってしまうとクピャンスクのオスキル川西側の市街地は、これまでとは違う北側から攻められることになります。
東と北の二方向から攻められることになりますから、ウクライナ軍は苦しくなります。
ここまでは、現在の戦況です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
記事タイトル
Russian army’s foothold on Oskol River’s right bank growing, expert says
1月22日 20:53
(日本語訳)専門家によると、ロシア軍のオスコル川右岸での拠点が拡大している

この記事にロシア軍のザパドネ(Zapadne)制圧が出てきます。ロシア国防省の発表ですから、多分事実でしょう。
実は、他にも重要な情報がさりげなく書いてあります。
「ソロヴィヨフ・ライブTV局」
2022年からウクライナ紛争を見ていた人は、ソロヴィヨフ氏の名前を知っているかもしれません。ロシア:イケイケ番組の有名な司会者です。ロシアの人気番組の司会者と言ったところです。
ロシア軍が調子が悪かった秋頃は、西側がこの番組を取り上げて笑いものにしていました。「ソロヴィヨフが、何を言った」とか「ソロヴィヨフが、どうした・・」とか結構、話題を提供してくれました。趣味人日記の2022年秋の記事を探すと、ソロヴィヨフ氏の話が出てきます。

それは、いいのですが軍事専門家、ヴィタリー・キセリョフ大佐の話が出てきます。
『「オスコル川右岸では、我々は北西方向に進軍し、足場を強化している。・・・・・・例えば我々がオスコル川に近づくことすらできなかった3、4か月、半年前とは似ても似つかない。今日、我々はオスコル川を突破した」と彼は語った。』

最近、ウクライナ軍はこれまでロシア軍の突破を阻止してきたエリアで守り切れずロシア軍の進出を許すケースが出てき始めました。それはロシア軍にしても同じ印象を持っていることが、記事から分かります。複数方面でほぼ同時期に起きていますから、おそらく1~2か月前頃からウクライナ軍の弱体化が進んでいることが、ロシア側の記事からも見て取れます。

これが、最近ウクライナ軍があちこちでロシア軍の進出を防ぎきれない理由の一つであろうと思います。


もう一つ推測できるのは、ウクライナ軍は大量に中・大型のドローンを投入してロシア領の越境攻撃を激化させています。ウクライナのドローン製造能力が、それほど拡大したとは思えません。生産できる量が同じだとすれば、中・大型のドローンの製造を大幅に増やした分、前線の兵士が死ぬほど必要な小型ドローンの製造を減らしているであろうと考えられます。全部の部隊ではないですが、ウクライナでは政治力のない部隊は武器や装備を十分に獲得できない構造があります。部隊によっては、ドローン不足が深刻化しているのかもしれません。特に偵察ドローンです。拠点から遠く離れたドローンでしか監視できないようなエリアでロシア軍の突破が目に付くのが、その根拠です。

兵士不足、ドローン不足などが相まってウクライナ軍の弱体化が一部の部隊で進んでいることが伺えます。つまり、2025年は去年以上にロシア軍とウクライナ軍のトータルの意味での戦力格差が拡大していくことが予想されます。
この差は、沢山の事柄の積み重なりと、ウクライナ政府とウクライナ軍の組織上の構造的な欠陥が原因です。おそらくこの欠陥を改善するのは、無理だと思います。何かをどうしたから、この戦力差が埋まる・という性質のものではありません。

あるいは、シカゴ大の教授の指摘する通りウクライナ軍の継戦能力は去年の12月から数えて6~7か月程度なのかもしれません。やはり今の差を見ると、それが根拠のない推測では、ないように思います。
『ウクライナの継戦能力について(シカゴ大ジョン・ミアンシャイマー教授)<ウクライナ紛争2025・01・08』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/f7f1c10bf204015297f9f06378b3f7a1


※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


ミスリード記事の書き方(ウクライナ和平>CNNとスプートニク日本の記事から)<2025・01・22

2025-01-22 21:52:25 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

CNN 2025.01.22
『トランプ氏、プーチン氏を批判 「彼はロシアを破壊している」』
https://www.cnn.co.jp/usa/35228523.html
一部抜粋引用
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 トランプ氏はホワイトハウスで記者団に対し、ロシアのプーチン大統領についてこう語った。「彼は取引をすべきだ。取引をしないことで彼はロシアを破壊していると思う」
 トランプ氏はこれまでになく率直に、戦争がロシアにもたらした経済的損害に焦点を当てた。「ロシアは大きな問題を抱えることになると思う。彼らの経済を見てほしい。ロシアのインフレ率に注目すべきだ」と述べ、10%に近づいている物価上昇率を指摘した。「私は彼(プーチン氏)とうまくやっていた。彼が取引をしたいと望んでいることを願う」
 さらにトランプ氏は、戦争でのロシアの死傷者数にも漠然と言及した。西側当局の推定ではロシア兵70万人が死傷している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これは、ほぼ西側のウクライナ支援賛成主義者が、支援を正当化するときに使うお決まりの内容です。
トランプ大統領は、宗旨替えしてウクライナ支持になったのか❓と、思うでしょう❓
ところが、カラクリがあって⇒【本稿はCNNのニック・ペイトン・ウォルシュ記者による分析記事です】
CNNの公式見解だとは言っていません。記者独自の見解だと逃げる余地を残しています。
いわゆる「観測気球・記事」です。まずかったら、「あれはCNNとは無関係です!」と逃げるのだろうと思います。

同じタイミングで、ロシアのスプートニク日本も記事を書いていました。
スプートニク日本
『トランプ氏が全ての外国支援を90日間にわたって停止、ウクライナに停戦を迫る狙いか』
2025年1月22日, 11:19 (更新: 2025年1月22日, 13:17)
https://sputniknews.jp/20250122/90-19521550.html
抜粋引用
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
トランプ大統領は20日、諸外国に対する全ての支援を90日間にわたって停止する指令に署名・・
トランプ大統領はロシアのプーチン大統領をと、早急に会談したいと発言した。
(ア)ロシア側が停戦交渉に応じない場合、追加制裁を発動するかと記者団に問われると、トランプ大統領は「恐らくそうなるだろう」とコメントした。
・・・
先に連邦下院ではマッコール議員(国土安全保障の議長)やターナー議員(情報特別委員会の委員長)など、ウクライナへの武器供与を呼びかけるタカ派議員(いずれも共和党)が要職から解任されていた。いずれのポストにもウクライナへの軍事支援に反対する議員らが選ばれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1)CNNの記事でスプートニクに合致しているのは(ア)の部分だけです。
ここまで内容が乖離していれば、どちらかが意図的にミスリードしようとしています。

CNNの記事で疑問なのは、トランプ氏が、「ウクライナ支援賛成主義者」の長ったらしいプロパガンダを全部発言した点です。おそらくトランプ氏は、仮に聞いたとしてもそんなのはすぐ忘れてしまうでしょう。
世間話のような気軽な話の中でトランプ氏が意味も理解せず単に頷いた程度のことを、「否定しなかったから、こうだ!」と強引に正当化して、あと適当に切り貼りして記事を書いているように見えます。
何より、「あれは記者個人の見解です」と逃げられるようにしている点が怪しいですね❓
これまでのトランプ氏の発言とまるで流れが違う点も、ほとんど嘘だろ❓と思えるほどに整合性に欠けています。

(2)一方、スプートニクの記事は、ウクライナに取って飛んでもないことを報道しています。
『トランプ大統領は20日、諸外国に対する全ての支援を90日間にわたって停止する指令に署名』
これは、バイデンさんが退任前に供与を約束した「大盤振る舞い」の分で、供与前の分が含まれる可能性があります。特に武器供与は期間がかかるケースが多いです。これから武器や弾薬、ミサイルを調達して送る分は、おそらく「待った!」がかかるのでないですか❓
バイデンさんが退任前にトランプ氏に対する嫌がらせみたいに決定した外国への「すべての支援」を停止すると言っているのです。ウクライナの分が例外である可能性は少ないと思います。

加えて米下院の重要ポスト、マッコール議員(国土安全保障の議長)やターナー議員(情報特別委員会の委員長)などが解任されています。いずれもウクライナ支援を呼び掛けていた共和党議員とのことです。代わりに起用されたのが、ウクライナ軍事支援に反対する議員だそうです。当然、共和党議員でしょう。
つまり米下院もトランス氏の就任に合わせて、議会重要ポストの議員を支援推進から支援反対の議員に入れ替えて、まあトランプ氏の政策発動の準備をした・と言うことでしょうね。

(3)こうして、(1)と(2)の記事を読んでどちらが信頼度が高いと思いますか❓
時間が経過すれば、どちらが敢えて嘘を言っているのか判明します。

米民主党支持マスコミの抵抗は、相当しつこいような気もします❓
ヨーロッパの左派と組んで徹底抗戦のようです。
現職のアメリカ大統領と競り合って勝てるかどうか、見ものですね❓
ほぼ、欧米の左派連合VS右派連合の戦いになりそうです。
(米共和党+トランプ+欧州極右~米民主党+欧州左派)

※同じ問題について、立場が違えば正反対の記事が出てくる例として取り上げました。
プロパガンダやミスリード(捏造を含む)に騙されない基本は、まず両方の言い分を読む(聞く)ことだと思います。

 

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★追記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その後、ニュースを見ていたらロイターの記事がありました。どうも、この記事が一連の他のメデイアのソースでは、ないかと思います。
産経新聞
『トランプ氏、ウクライナ早期停戦へ仲介外交始動 交渉拒否すれば追加制裁とロシアに圧力』
https://www.sankei.com/article/20250122-DNR65Z6EI5NJRE4W72YSWBT7P4/
これも、結構「尾ひれ」を付けて話を膨らませています。
では、ソースと思われるロイターの記事は❓
【トランプ氏、ウクライナ和平拒めば対ロ制裁も 中国にも関与要求】
2025年1月22日午前 8:57 GMT+913時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/HMOKTCWWNZNSRIFDWFXON4MUW4-2025-01-21/
この記事の中でロイターが書いているのは・・・・・
『トランプ米大統領は21日、ロシアのプーチン大統領がウクライナ戦争の終結に向けた交渉を拒否した場合、ロシアに制裁を科す可能性が高いと述べた。』

ロイターが書いているのは、あくまで・・・・・
ロシアが交渉を拒否した場合の事について言っています。
『ロシアが交渉を拒否した場合に「のみ」、追加制裁を科す可能性が高い』と言及しているだけです。

★随分、それぞれの記事タイトルからは違う印象を受けませんか❓
CNNの記事は、本当にトランプ氏がCNNの記事のように発言したのかは、全然分かりません。
ロイターのごく簡単な内容とは、全然違います。
よくあるパターンは、誰かが何かを書いて、それに「尾ひれ」を付けて話が拡散していくというケースです。
地球を一回りすると、物凄い話になったりします。




※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


トランプ大統領とウクライナ和平の今後<2025・01・22

2025-01-22 20:54:13 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

メデイアの記事を、ざっと見るとまあいい加減だなと思います。プロパガンダとミスリード記事のオンパレードです。

トランプ新大統領の就任式が1月20日です。
これから政府高官や行政の幹部を指名しなければなりません。これが一巡して、やっと実務に入ることが出来ます。
もう1~2か月は人事が続きます。
大統領令でやっていることは、事前に決められていたことだけです。

そしてアメリカ大統領が管轄する事柄は、膨大です。当然、優先順位があります。
普通に考えてもトランプ大統領の主張から考えるなら・・・
国境、不法移民問題
対中国関係
関税問題
連邦政府の幹部の大幅入れ替え
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
まず、これが最優先でしょう。
それ以外のことは、2番目以降です。そして難しいことは、当然後回しにすると思います。
ウクライナ和平調停は、相当後になるでしょう。だからトランプ氏自身が期日の見込みを修正しています。
「出来るだけ早く・・・」⇒「6か月は時間が欲しい・・・」
これについて、就任予定の政府高官の誰かが説明していました。
要は、「即決でやるのは無理だから時間をかけて取り組む」と言うことです。

ウクライナ問題についていうならアメリカとロシアの関係は、バイデンさんの政策(一切交渉しない)により冷え切っています。簡単に言うなら「口すら利かない」関係です。まず、これを「口を利く」関係に修復することが必要です。
それから実務者同士の話し合いが始まるでしょう。そして交渉を何回も重ねて妥協点が出てくると思います。
これが、1か月や2か月で出来ると思いますか❓

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まず、西側のメデイアの現実認識が不足しています。プロパガンダとミスリード情報ばかり喚いているから現実認識が出来ていません。
現在のウクライナ紛争の戦況です。
ロシア軍が圧倒的に優位に戦いを進めています。ロシアは、そのまま戦争を継続すれば支配地は時間とともに増えていきます。一方のウクライナ軍は、兵士不足が顕著に見えるようになり今の前線を維持するのは不可能です。だからロシア軍の進撃が続いています。ウクライナ軍の兵士不足の解消(大幅動員)は現実問題、出来ません。時間とともにロシア軍との戦力差は拡大していきます。ロシア軍の進撃スピードは、それにつれて上がるでしょう。うっかりするとウクライナ軍が崩壊する可能性すらあります。

つまり、今早急に停戦交渉の開始が必要なのは、ウクライナ側です。ロシアは遅れても戦果が増えるだけで困ることは、ほとんどありません。
ウクライナが出来ることは、出来るだけ早くロシア側の条件を丸呑みしてでも停戦から終戦に持っていくことだけです。遅れれば遅れるほど不利益が拡大するでしょう。

そもそも、あれほど憎み合っているイスラエルとハマスでさえ、停戦交渉は戦争の早い段階から継続してきました。ハマスの側の消耗が大きくなり、最大の支援国のイランが弱体化してイランの支援が期待できなくなりました。だから、やっと段階的な停戦が成立しました。

つまり双方に交渉と妥協の意思がなければ、停戦交渉はありえず停戦など不可能です。
ゼレンスキーが、今やっていることは2021年10月と同じです。当時は東部独立派でしたが、今はロシア領の越境攻撃を激化させて、まだNATOの介入を誘おうとしています。そして越境攻撃を激化させれば、ロシア国内では停戦反対の意見が強くなっていると思います。
つまり、ゼレンスキーに停戦交渉をする意思はなく、停戦交渉を拒否して戦争の継続を目論んでいます。理由は停戦が成立すれば、100%国内の反ゼレンスキー・ー派がゼレンスキーの責任を追及し始め、ゼレンスキーは敗戦の責任を全部押し付けられて「亡国の大統領」として永遠に非難の対象になるでしょう。もちろん、重罪人です。

だからゼレンスキーが大統領にしがみ付いている限り、停戦交渉すら相当難しいです。
停戦交渉で妥協することは、ほぼ無理です。
ウクライナ政府がロシアと停戦交渉して和平を望むなら、ゼレンスキー以外の人間を代表者にするしかないように思います。

もう一つ停戦を妨害する者がいます。イギリスです。
異常にロシアとの戦争継続に拘っています。
トランプ氏が大統領に就任する寸前に、敢えてトランプ氏の意志に逆らいウクライナと新たな支援協定を結びました。
それも、わざわざイギリス首相が首都キエフを訪問してです。
それはイギリスの勝手ですが、アメリカはイギリスの停戦妨害を排除する必要があります。
【英ウクライナ「100年パートナーシップ協定」に署名、トランプ氏と英労働党政権のバトルや如何に❓<2025・01・17】
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/4db46b302482452f5f9c7b65468962f1

大雑把に考えても停戦交渉から停戦妥結に至るまでは、これだけのハードルがあります。
だからトランプ大統領は、「出来たら6か月時間が欲しい・・」と従来の主張を変更しました。
それは、6か月もすればウクライナの継戦能力が、大幅に低下することを見越しているからです。
アメリカ国防省は、これまでバイデンさんの政策を支えてきました。しかしアメリカ国防省が馬鹿だとは思えませんから、もう戦争の見込みは立てていると思います。ウクライナが戦争を継続できるのは、精々あと半年、長くても1年で戦争継続が不可能になるのを推測していると思います。

つまり❓
トランプ大統領が停戦斡旋する振りをして放置しておけば、やがて戦争は終わると言うことです。
放置してもトランプ大統領もロシアも困るわけではありません。
その後、ウクライナ分割の話をすれば、いいだけの事です。

と言うことを、西側のマスコミもゼレンスキーも全然理解していないように見えます。
アメリカ大統領は、バイデンさんからトランプ氏に代わった事を思い出すべきですね❓

☆さて、おもしろい記事を見ました。
第1次トランプ政権の元首席戦略官スティーブ・バノン氏のインタビューです。
バノン氏とトランプ大統領は、一旦仲たがいしました。その後、関係を修復したという話もあります。
現在、どのような関係かは不明です。
しかし、もしある程度の交流があれば、トランプ氏に何らかの影響があるかもしれません。
あるいはトランプ氏のスタッフに友人がいるかもしれません。
影響があるかどうかを抜きにしても読むと参考になる考え方を見ることが出来ます。
おそらく第2次トランプ政権も、似たような考え方を持っていると思われるからです。
特にウクライナに関しては、リップサービスを今していますが実はバノン氏と似たように考えているとするなら❓

Hara bog
2025年01月21日16:52
Politico「ウクライナは『トランプのベトナム』になる危険があるースティーブ・バノン」
https://hara.livedoor.biz/archives/52343671.html

※ざっと拾った関連記事
『トランプ大統領とウクライナ和平関連記事<2025・01・22』

https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/469f967a0a78bffe9eb6eaafd8f22142



※関連日記目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑧
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27


トランプ大統領とウクライナ和平関連記事<2025・01・22

2025-01-22 20:52:14 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

※まだ、何も始まっていないのに憶測記事が、ズラリ!と並びました。これだけ記事があって、意味のある記事はゼロです。

平和維持軍最低20万人必要、終戦後の安全保障で=ウクライナ大統領
By ロイター編集
2025年1月22日午前 2:11 GMT+98時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/Y7WCR22JOZOBBJDJTF5CO2LVKE-2025-01-21/
停戦巡り「ロシア要求」一蹴 ダボス会議でウクライナ大統領
2025年01月22日07時09分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025012200202&g=int
ゼレンスキー氏「軍縮小に応じず」 ダボス会議で演説 停戦圧力見据えトランプ政権に機先
2025/1/22 09:55
https://www.sankei.com/article/20250122-6NEDYR3PHRIVTN63A5SETWOIPE/
トランプ氏の和平構想検討の用意、ウの安全保障協議も=ロ外相
By ロイター編集
2025年1月14日午後 8:26 GMT+98日前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/YXCS33ZRUZNMTL55U4ORJOEWDA-2025-01-14/
「トランプ頼み」のウクライナ、前線で苦戦強いられ妥協も容認か…プーチン氏も対話に前向き
2025/01/22 00:21
https://www.yomiuri.co.jp/world/20250122-OYT1T50002/
トランプ米大統領、対ロ追加制裁を警告 ウクライナと交渉せねば
2025年01月22日09時54分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025012200371&g=int
ロシア手ぐすね、ウクライナは危機感 「停戦」前に欧米分断も―米新政権
2025年01月21日22時18分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025012100781&g=int
トランプ米政権、2期目始動 主要政策を全面転換―不法移民送還、関税引き上げ
2025年01月21日20時34分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025012100828&g=int
トランプ氏、ウクライナ和平拒めば対ロ制裁も 中国にも関与要求
By ロイター編集
2025年1月22日午前 8:57 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/world/ukraine/HMOKTCWWNZNSRIFDWFXON4MUW4-2025-01-21/
ウクライナ停戦難航も 中ロと対話模索も不透明感―トランプ外交
2025年01月21日08時42分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025012000624&g=int
トランプ氏、プーチン氏と会談の意向 「可能な限り早い」ウクライナ戦争終結を望む
2025.01.21 Tue posted at 12:11 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35228476.html
トランプ氏、就任演説でウクライナに言及せず 和平の困難さ悟ったための沈黙か
2025.01.21 Tue posted at 11:28 JST
https://www.cnn.co.jp/usa/35228469.html