関連記事
ロイター
①焦点:衝撃与えたトランプ氏「ガザ所有」発言、新政権の領土拡大主義反映か
By James Oliphant
2025年2月6日午後 3:28 GMT+921時間前更新
https://jp.reuters.com/world/us/NM5EHB7TNFNG3PQAQ4NJ2ND4GY-2025-02-06/
AFPBB
②トランプ氏のガザ発言に反対する国は「名乗り出て支援」を ルビオ氏
2025年2月7日 11:27 発信地:サントドミンゴ/ドミニカ共和国 [ ドミニカ共和国 中南米 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3561895?cx_part=top_topstory&cx_position=1
③「ガザはパレスチナ人のもの」 ドイツ外相、トランプ氏発言受け声明
2025年2月6日 12:18 発信地:ベルリン/ドイツ [ ドイツ ヨーロッパ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3561714
日経新聞
パレスチナ自治区ガザとは 移動が制限「天井のない監獄」
きょうのことば 2025年1月17日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB16B3N0W5A110C2000000/
※この記事が非常に詳しく書いています↓
「新・ガザからの報告」(43)25年1月30日ー停戦中のガザの様子ー
2/7(金) 12:08
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/793b904ab29e1c6b4d1952d17825d7085b0d54a6
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ざっと記事を拾ってみました。悪意に満ちた記事ばかりです。
ほゞ、全部の国が反対を表明しました。
しかし、言っているのはプロパガンダや筋論ばかりです。
解決策や対応策を言う意見は、ありません。
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現実問題、今ガザはどうなっているか❓
全域が廃墟と化し瓦礫の山です。
住む場所もなく基本的な生活のためのインフラも破壊しつくされました。
産業も壊滅し、収入を得ることは不可能です。
こんな所で、どうやって生きていけますか❓
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仮に復興するにしても、まず廃墟となった残骸を取り壊し瓦礫の撤去から始めなくては、なりません。
仮に住宅を建設するにしても何年も後のことになります。
この間、ガザ市民が生活のしようがないことは、誰が考えても普通に分かると思います。
トランプ大統領の提案に反対する人は、対案を出さなくてはなりません。
反対するだけで提案は、皆無です。
ハマスに至っては、無責任の極みでしょう❓
ハマスが戦争を始めた結果、ガザは完全に破壊されました。
そのハマスが、トランプ氏の提案に反対する権利などあるはずがありません。
ハマスは、ガザに残ればいいです。
③の記事のドイツの外相の写真が出ています。どんな、顔をしているか見て下さい。
プロパガンダとスローガンしか言いません。
どうやってガザ市民が、今後生活してけばいいのかには、何一つ言いません。
ガザ市民を今のガザに放置するのは、半分死ねと言うのと同じです。
①のロイターの記事も、全く同じです。反対するだけで解決策は示していません。
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そもそもガザ市民は、ガザ地区に閉じ込められていて移住の自由すらありません。
だから、誰かが外に出してあげて、その後生活を支援してあげる他に方法はありません。
ガザ市民が、今後生きていくには、一時的にせよガザの外に住むしかありません。
それには、近隣諸国がいいでしょう。だから、トランプ氏はヨルダンとエジプトに受け入れを打診しました。
200万人のガザ市民が仕事も財産もなく生活するには、生活支援が必要です。
アメリカは、その資金の多くを出すつもりなのであろうと思います。
第一、ガザ市民をハマスと一緒にしておけば、また同じことが起き、監獄状態が続きます。
ガザ市民からハマスを排除しないと、ハマスの恐怖支配が続きます。ハマスはガザ市民を食い物にする独裁者です。
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こうやって具体的に考えると、言い方が不味かったかもしれませんが、トランプ氏が主張しているのが、しごく常識的な事であるのが分かると思います。
②のマルコ・ルビオ国務長官発言の通りです。
記事から引用
『ルビオ氏は訪問先のドミニカ共和国で記者団に対し、ガザは「居住不可能」であり、トランプ氏はその再建を提案しているにすぎないと改めて主張。
トランプ氏の発言は、「経済的・技術的な能力を併せ持つ」他の国々に対して、米国と同様に再建を支援するよう促すことを意図したものだと説明し、「トランプ大統領はその解決策に加わることを申し出た」と述べた。
「他の国々が自発的に名乗り出て行動するならば素晴らしいが、進んでそうしようとする国があるようには見えない」
ルビオ氏はさらに、「この地域にはパレスチナ人に関して大きな懸念を表明している国々がある」とし、「彼らに対し、名乗り出て彼らの問題に対する解決策と答えを見つけるよう求める」と続けた。』
この通りでしょう❓
口先でしゃべるだけでなく、行動しろ!と言うことです。
欧米、アラブとも全てのマスコミと政府は、「口先」だけでしょう❓
※関連日記目次
項目「アメリカ合衆国」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/6ea78b12b6512e36fbdc6eebd50f97ce
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2
ロイター
トランプ氏が「米のガザ所有・復興」提案 住民の恒久的移住を支持
2025年2月5日午前 11:10 GMT+928分前更新
https://jp.reuters.com/world/us/77OK4M6TYVMDZGURHOUDSLRCKU-2025-02-05/
トランプ氏は、最初はガザ住民の周辺国へに移住案を提案してアラブ諸国から総反対を受けました。
今度は、それに加えてガザのアメリカ所有案を提案しています。
これまでアメリカ大統領が、ガザ問題に真剣に取り組んだことはありません。
クリントン元大統領の時が最後でしょう。
その後は、事実上放置状態でした。
トランプ氏の提案が妥当であるかどうかは別にして、ガザ問題に真剣に取り組もうとしてい姿勢は見えます。
ガザ問題の解決を困難にしている原因は、二つあります。
ガザ市民の中にハマスが潜んで、イスラエルにテロ活動を行い止めないことです。
もう一つは、イランです。憲法にイスラエル撲滅を書き込んで、パレスチナへの介入を続けてきました。
一時期は、レバノンとシリアを事実上傀儡化してイスラエル攻撃に利用してきました。
イランの方は、アメリカが封じ込めることは可能だと思います。
もう一つの原因のハマスです。これはガザにガザ市民がいる限り排除できません。
ハマスの手口は、今回の戦争で見た通りです。地下通路を張り巡らしてガザ市民を人間の盾にしました。イスラエルがハマスを攻撃しようとすれば、否応なくガザ市民が巻き添えになります。そして地上でもガザ市民に紛れていますから、イスラエル軍は目見当で攻撃するしかありません。猶更、ガザ市民の犠牲が増えます。もっともイスラエル軍もそれをいい事にかなり多めに殺していたようにも見えました。
これを解決しようと思うなら、ハマスをガザから立ち退かせるか、ガザ市民をガザから移動させるしか方法がありません。
トランプ氏が言いたいことは、実はこの事だろうと思います。
「真面目にガザ問題を解決する気があるのか❓」と言うことでしょう。
アラブ諸国は、ハマスのプロパガンダばかり主張しています。これでは、いつまで経ってもガザ問題は解決しません。
二国間和平は、非常に良い解決方法です。
しかし、ハマスがイスラエルに対するテロ攻撃を止める保障はないでしょう❓
トランプ氏の主張は極めて現実的です。
一旦、ガザ市民をガザから移動させて、ハマスをガザから完全に排除しないと、この地に平和や安定は訪れません。
それをトランプ氏は主張しています。そうしなければハマスは、いつまでもガザ市民を人間の盾として利用し続けるでしょう。
今回のガザ戦争ではガザ市民に大勢の犠牲者が出ました。この責任は、イスラエルとハマスに均等にあると思います。
イスラエル撲滅を主張してイスラエルにテロ攻撃を続けてきたのは、パレスチナ過激派です。昔のパレスチナ・ゲリラのころから続いてきたことです。
一時期、アラブ諸国の国力が有った頃は、アラブ諸国は軍事力でイスラエルを撲滅しようとしました。4回に渡る中東戦争です。イスラエル撲滅が出来なかったアラブ諸国は、イスラエルと妥協する道を選びました。
妥協せずガザに干渉してきたのがシリアであり、その次がイランです。だからパレスチナ過激派は生き残り、イスラエルに対する武力攻撃やテロを繰り返しています。
パレスチナ過激派は、ハマスだけではありません。シリア政府が崩壊するまではシリアに雑多な過激派諸派がいました。今はシリアかレバノンに潜伏しているでしょう。このようなパレスチナ過激派を静かにさせなければ、ガザに平和は来ません。その中の最大の勢力が、ハマスでありレバノンのヒズボラです。少なくともこの2グループを解体しない限り、どうにもなりません。
トランプ氏の主張には、過激なことや極論が多いです。しかし、それは観測気球であり現実的な解決策や対応策を用意していると思います。
トランプ氏が、これまでのアメリカの大統領や有力政治家と明らかに違う点があります。
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まず第1に、泥沼にはまり込んでいたアフガン戦争をタリバンと交渉して、撤退への道筋を付けました。アフガン撤退を可能にしたのは、当時のトランプ大統領です。その後を受けたバイデン氏は、自分の手柄にしようとして大失敗しました。きちんと手順を踏んでタリバンと打合せし、他のNATO諸国とも連携していれば、あれほど惨めな大失敗にはならなかったと思います。トランプ氏が大統領であれば、おそらくもっとスムーズに撤退が出来ただろうと思います。
BBC
米軍のアフガニスタン撤退は「惨劇」、米議会公聴会で海兵隊員が涙の証言
2023年3月9日
https://www.bbc.com/japanese/64898705
ロイター
焦点:米国最長の戦争「敗北」で幕、失策を重ねたアフガン20年
By ロイター編集
2021年8月17日午後 7:00 GMT+93年前更新
https://jp.reuters.com/article/world/20-idUSKBN2FI0FE/
なぜバイデンは撤退に「失敗」したのか
2021年9月14日
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/24258
このアメリカ軍にとっての大惨劇の原因を作ったのはバイデンさんです。その後バイデンさんの評判は内外で地に落ちました。それを挽回するために始めたのが、ロシアとの対立を深めてロシアを屈服させることです。それが結局、ロシアのウクライナ軍事侵攻を招き寄せる結果になりました。ウクライナ紛争は、バイデンさんのアフガン撤退の大失敗とリンクさせて考えるべきです。アフガン撤退の大失敗を糊塗するためにウクライナ紛争を呼び込んだと言える部分が、あるからです。
バイデンさんの犯した罪は、重いと言わざるを得ません。
これは、後世の歴史家が判断して評価するでしょう。
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2番目
トランプ氏は、あまり言いませんがある時、「イラク戦争は間違いだった」とはっきり言ったことがあります。数年前です。これは、どのメデイアか忘れましたが、ニュースとして読みました。
当時、私は非常に驚いた記憶があります。
それまで大統領経験者やアメリカの有力政治家が、イラク戦争に否定的な意見を言うのを聞いたことが無かったからです。イラク戦争に否定的な意見を持っていると言うことは❓
そうです。ネオコンに否定的だと言うことです。
だから2024年大統領選では、共和党のネオコン人脈はトランプ氏の敵に回りました。
その一番わかりやすい例が、「リズ・チェイニー」です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%8B%E3%83%BC
父親のディック・チェイニー元副大統領は、ネオコン政権のど真ん中にいた人物です。父娘そろってトランプ批判を繰り広げていました。
ネオコンは、その後(2005年頃だそうです)当時のブッシュJr政権の中で影響力を失いました。
ネオコンが、その後取り入ったのが民主党です。バイデン政権の陰には、ネオコン派閥がいます。
バイデンさんがウクライナ紛争に深入りしている理由は、ここにもありそうです。
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私が言いたいことは、トランプ氏はどちらかと言うとネオコン(=戦争を好む)勢力とは敵対的な関係にあると言うことです。トランプ人脈は、当然ネオコンの暗い部分に目を付けているでしょう。
ネオコンに否定的だと言うことは、平和を志向すると言うことです。
今の戦争が多い時代には、頼りになる米大統領だと思います。
これが、私がトランプ氏に一番期待していることです。
私がトランプ氏に否定的でない理由が分かりましたか❓
もちろん、これが正しいかどうかは、4年が経過しないと判断できません。
しかし、米民主党より当てになるのは確かだと思います。
※関連日記目次
項目「アメリカ合衆国」の目次③
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/6ea78b12b6512e36fbdc6eebd50f97ce
シリア革命後、新政府は様々な苦労があるようです。まず第一に旧シリア政府の金庫がカラッポでした。旧シリア政府は欧米から制裁を受けています。
幸いにして内戦が再燃することは、今の所回避されています。内戦が再開されれば、もうシリアは国として存在しなくなるでしょうね。その危機感が各勢力の摩擦の激化を抑えていると言えます。
そして、やっと取り戻した平和を失いたいシリア人は、居ないと思います。
革命の指導者のアル・シャラア氏は、元はアルカイダの所属でありイスラム原理主義的思想を持っていると思います。しかしイスラム色を強く出せば、欧米の支援は受けられません。世俗路線を取るのでは、ないかと思います。その後、ニュースが少なく現状は良く分かりません。湾岸諸国と相談しているようです。取り敢えずの資金は湾岸諸国が提供しないと新政府が運営できないと思います。
(2)シリア革命の結果、劇的な変化が起きました。
イランの勢力が、シリアから排除されました。
旧アサド政権が最後に頼ったのがイランです。ほぼイランの傀儡国家化していました。これを好機にイランは、イラン~イラク~レバノン=ヒズボラの陸の回廊を作ることに成功しました。
ガザ紛争からレバノン紛争の過程でイスラエルは、イラン勢力を叩きまくりました。これがシリア革命を陰から援助しました。
シャーム機構がダマスカス制圧後も、イスラエルの徹底的な空爆がシリア政府軍を襲いました。多分、旧政権下にいたアラブ過激派民兵組織も相当叩きまくっているでしょうね。これが一番危ない組織です。
その後、イスラエル軍はゴラン高原で停戦ラインを超えて少しシリア領に入って監視しています。監視対象は旧政府軍の残党とアラブ過激派民兵組織です。これは種々雑多でかなり数があります。
流れを見ると4回の中東戦争後、アラブ諸国はイスラエルに敵対するのを止めてイスラエルに折り合いました。
折り合わず徹底的にイスラエルと対立したのが旧アサド政権です。国力のあったときはレバノンに内政干渉してレバノンを傀儡化しました。その後、イスラエルとの戦争に敗北します。この後、レバノンは内戦状態に陥り長く続きます。
この過程でレバノンに浸透してきたのが、イランです。
イランは、革命後の憲法に「イスラエル撲滅」を書き込んでします。そのためイランは、イスラエル撲滅を国是としています。イランの支援を受けて勢力を拡大したのが、ヒズボラです。
ヒズボラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%82%BA%E3%83%9C%E3%83%A9
最近ではヒズボラが強力になりレバノン政府の中にヒズボラ政府があるような状態でした。
こうなったのは、イラン・イラク・レバノンの陸の回廊が完成し、イランのヒズボラ支援が容易になったからです。
当然、陰に隠れてハマスも支援しているでしょう。
結局、見てくるとシリア弱体化後はイランが中東地域の平和を乱して混乱状態を作ってきたと言えます。
こうして2023年のガザ紛争後、周辺の紛争も激化しレバノン紛争まで起きました。ヒズボラはイスラエル軍に徹底的に叩かれました。ついでにイスラエルはシリアの反イスラエル組織や政府軍も徹底的に空爆しています。
ヒズボラとイスラエルの停戦後、シリアの反政府勢力は一斉に攻撃を開始して政府軍は崩壊しました。
こうしてイスラエルに対して闘争を挑み2023年からこの地域に戦争をもたらした各勢力は徹底的にイスラエルが弱体化しました。当然、レバノンからイランの勢力は大方追放され、ヒズボラも弱体化してイスラエルと戦うどころではなくなりました。イランはレバノンへの陸の回廊を失いました。仮にレバノンのヒズボラを支援するにしても、今度は地中海経由になります。海上にはアメリカ海軍が「バッチリ!」監視の目を光らせています。
結局、中東に不安定をもたらしていたのは、イランです。イランの策動の余地はイスラエルが排除しました。イスラエルも相当、国力を消耗しましたが、何とかやり遂げました。
今度は、アメリカの大統領は「イラン大嫌い!」のトランプ氏です。イランが何事か策動すれば、容赦はしないでしょう。
弱体化したイランは、当分アメリカには逆らえないと思います。
イラン諸勢力対イスラエルの戦いは、終わってみればイスラエルの圧勝でした。
そしてシリアも蔓延っていた外国勢力が、大体いなくなりました。
後は、まだISが残っていますが、各勢力が新政府に参加して統一を保てれば、ISは封じ込めると思います。
トルコもクルド人問題は残りますが、新政府を支援すると思います。トルコは平和になればトルコにいるシリア難民の帰還事業に取り掛かりたいでしょう。今360万人~370万人いるそうです。これだけの大人数を抱え込んでいるのですからアラブ(イスラム)の同胞意識の強さには、感心します。
イランも憲法にイスラエル撲滅を書き込むようでは流石にやりすぎだと思います。イランはアラブではありません。おまけに宗派はシーア派です。だからイランがアラブ諸国の支持を集めることは、ないでしょうね。むしろアラブ諸国からは異民族であり宗派の違いから警戒され嫌われているだろうと思います。
イランは、中東への関与は止めるべきだと思います。
何というのか、日本人には理解不能な中東情勢では、あります。
※関連日記目次
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2
ロイター 2025年1月16日午前 2:52
『イスラエルとハマス、ガザ停戦で合意 第1段階は人質33人解放へ=当局者』
https://jp.reuters.com/world/us/7OKSYWSNF5KO3LGJ2UMIXSCP4M-2025-01-15/
15か月に及ぶ戦闘の末、やっと停戦合意が成立したようです。
大勢のガザ市民が戦争の犠牲となり亡くなりました。
今は、どちらが良いの悪いのは言いません。
やっと市民の虐殺が終わって心底ほっとしています。
泣き叫ぶ市民の顔は、余りにも痛ましすぎます。
※ハマスが妥協した経緯は、こんな事情のようです。
シリア革命、それに伴うヒズボラの弱体化、イランのレバノンへの影響力の低下、イスラエルとの戦争でヒズボラの弱体化したなどがハマスの孤立と弱体化に繋がったようです。レバノンからの補給がなければ日干しになるしかありません。
最後の留目は、トランプ次期大統領です。
【トランプ氏は、今月20日の大統領就任までにハマスが人質を解放しなければ「地獄を見る」と繰り返し警告した。】
地獄を見る意味は、イスラエルに更に武器供与して徹底的にハマスを撲滅させると言うことでしょうね❓
(バイデンさんはイスラエルをけしかけたり、オロオロするばかりで何もしませんでした。)
時事通信 2025年01月16日10時20分
『弱体化し孤立したハマス トランプ氏の「デッドライン」前に妥結』
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025011600243&g=int
(2)ウクライナ紛争
イスラエルとハマスは、互いに相手を憎みぬいています。双方が相手を皆殺しにしたいでしょう。
しかし、カタールやエジプトが停戦の仲介を続けてきました。
双方も代表を送り交渉を続けてきました。
その結果として停戦が実現しました。
ウクライナ紛争では、ウクライナは法律を作り停戦交渉を禁じています。
だからウクライナ国内からは停戦の交渉すらできません。ウクライナ側が、と言うよりゼレンスキーが停戦を拒否してきました。
ゼレンスキーは、2022年4月にトルコの仲介で合意に達した停戦を反故にして戦争を続行した経緯があります。
ゼレンスキーが大統領である限り、停戦は難しいでしょうね。
ロイター 2025年1月15日
『ウクライナ和平「就任初日」公約は誇張、トランプ氏側近が認める』
https://jp.reuters.com/world/ukraine/MAMCXAR25ZKYLLSDBZNHMEROLI-2025-01-15/
トランプ氏は、すぐに停戦交渉に取り掛かるつもりだったようです。実際、ウクライナ特使が1月10日ごろキエフを訪問する予定でした。その予定が、直前でキャンセルされ大統領就任式後、期日未定で延期されました。
トランプ氏も「最低でも6か月は時間が欲しい」と言うように発言が変わりました。
<トランプ氏側近の今回の発言>
「ウクライナ戦争についてトランプ氏と話し合ったこの側近はロイターに対し、解決には何カ月もかかると考えており、就任初日の公約は選挙運動時の誇大な表現だったほか、紛争解決の難しさに対する認識の欠如などが組み合わさったものだと説明した。」
政権移行に合わせてアメリカ政府やアメリカ軍の機密事項の伝達がなされていたと思います。その情報を得て検討した結果、即時停戦は到底不可能だと分かったのだろうともいます。
それを、側近が正式に説明しました。
もっとも、その後(別日記で書いた通り)トランプ側からキエフ政府に対して次期アメリカ政府の要望が伝えられています。相当、ウクライナにとって厳しい内容です。(要望と言うより命令と言うべきでしょうね❓)
常識的に考えても、現在優勢で戦況が推移しているロシアは停戦に応じる必要は、ありません。そのまま戦争を継続すれば、やがてウクライナはロシアの条件で停戦を受け入れるか、最後まで戦争を継続して無条件降伏に追い込まれるか・どちらかです。
ゼレンスキーは、パリでフランスのマクロン大統領を交えてトランプ氏と三者会談しています。そこで結構、ホラを吹いたのでしょうね。ゼレンスキーが、噓つきだと知らないトランプ氏は、その時ゼレンスキーに聞いた話を本当だと思っていたのだろうと思います。想像するに「戦況は互角でロシアも困っている」と言うようなことを吹き込んだのだろうと思います。
それが、まるきりのウソだと分かって最初から、やり直しと言うことだろうと思います。
トランプ氏もゼレンスキーの人間性が、よく分かったと思います。
そのような訳で、停戦仲介は中期的なスタンスで臨むとともにウクライナに厳しい条件を付けたのだろうと思います。
その条件は・・・
「前線を安定させろ!」
ロシア軍の進撃を止めて膠着状態に持ち込まない限り、トランプ氏が停戦の仲介に乗り出すことはないと思います。
さすがに、武器や資金供与をいきなり切ることはしませんでした。しかし、前線を安定させることが出来なければ、推定6か月後くらいには、武器供与や資金供与を削減する話は出てくるかもしれません。
ゼレンスキーが課題達成のために与えられた期間は、そんな程度だろうと思います。
だから、書いた通りトランプ氏がプーチン氏との会談を望むのは、あくまでロシアとアメリカの外交回復と関係改善のためだろうと思います。ウクライナの話は出るかもしれませんが、精々ロシア側の要望(または条件)を聞く程度だろうと思います。
まあ、何というのかゼレンスキーは、バイデンさんが3年近く甘やかし続けてきたので、自分の思うとおりになると誤解しているのでしょうね❓
と言うわけでウクライナ紛争の方は、停戦は大分先になりそうです。
夏場過ぎには、ほっておいてもウクライナの継戦能力が、なくなるかもしれません。
それを考えてもトランプ氏は、急ぐ必要はない訳です。
トランプ氏は、ウクライナが勝っても負けても大した気にしないと思います。
理由は、バイデンさんの戦争だからです。
※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2
時事通信
パキスタン、女性教育推進へ国際会議 タリバンに圧力か、マララさん参加
2025年01月11日18時49分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2025011100476&g=int
いかに無教養だとは言えタリバンの時代遅れは、やや度が過ぎるように思います。
しかし部族社会が色濃く残るアフガンでは、中々難しい部分もあるのでしょうね。
ISに浸透されて、これを排除することが出来ません。匿う部族がいるのだろうと思います。
それにしても女性政策が余りに酷すぎるだろうと言うことで、「イスラム世界での女性教育推進を目的とした国際会議」がイスラマバードで11日から開催されたのに合わせパキスタン出身の女性人権活動家でノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイが会議に招待されました。
「ちっとは、見習え!」と言うことでしょうね。
【マララ・ユスフザイ】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%A9%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%A6%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%B6%E3%82%A4
パキスタンも一時は、イスラム原理主義勢力が強く宗教化した社会になりかかった時期もありました。
その後、色々な社会改革をしようとしています。
ラクダも参加! クリスマスの行進 パキスタン
2023年12月18日 11:59 発信地:カラチ/パキスタン [ パキスタン アジア・オセアニア ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3496586
これも民族や宗教の融和を広めるための運動なのだそうです。
やはり、一つの国や社会が変わっていくには長い時間が必要なようですね。
パキスタン辺境の国勢調査
AFPBB
ラクダと荒野を行く、パキスタンの国勢調査員
2023年4月30日 10:00 発信地:コール/パキスタン [ パキスタン アジア・オセアニア ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3459514
地球には様々な発展段階の国があります。
そこに先進国の価値観を押し付けるのは、止めて欲しいと思います。
誰だって良い方向に変わろうとします。
それには時間がかかります。
しかし、タリバンももう少し何とかなって欲しいと思います。
イスラムの国では、女性の社会進出を阻む国は結構あります。タリバンの次に戒律が厳しいのはサウジでしょう。サウジは大金持ちだから、あまり言われませんね❓
AFPBB
「美ラクダ」コンテストに女性初参加 サウジ
2022年1月10日 15:28 発信地:ルマ/サウジアラビア [ サウジアラビア 中東・北アフリカ ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3384356?cx_part=related_yahoo
(アフガニスタン)タリバンの国創り<2024・12・28
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/c/9782b996014ceb7f0472a89bcc83f0ab
※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2
シリアについて不思議なのは、ISの残党がシリア砂漠に潜んでいます。
どうやって、この連中は生き延びているんだ❓
不思議でしょう❓
ウイキペデイア【シリア砂漠】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%A2%E7%A0%82%E6%BC%A0
実は単独の砂漠ではなく、アラビア半島の砂漠地帯と一連の広い砂漠地帯があります。
この砂漠地帯に大昔から住んでいるのが、砂漠の遊牧民であるベドウイン諸族です。
ウイキペデイア【ベドウイン】
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3
アラビア半島だけではなくサハラ砂漠の大西洋岸の方にも住んでいます。相当、広い地域に分布しているようです。
部族も沢山あります。
シリアに住む部族は・・・
アザニ族、ルワッラ族、バニー・サフル族、バニー・ハーリド族など
しかも、大抵複数の国に住んでいます。元が遊牧民ですから自分たちのテリトリーを遊牧しながら住んでいるので「大雑把にこの辺」・と言う感覚なのでしょうね。
どうやらISは、この砂漠の遊牧民に紛れ込んでいるのでは、ないか・と思います。
だから砂漠にいる人間を全部殺すわけにもいかず、生き延びているのだろうと思います。
★そして、ここでもう一つの疑問の答えもあります。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
サハラ砂漠の南のアフラリカの小国は、ISやアルカイダテロリストが浸透して地元の反政府勢力と結託して政府の悩みの種になっています。シリア砂漠のケースと同じで、現地に住むベドウイン族に紛れ込んでいるのでしょうね。
そして政府軍と反政府勢力の争いは、実は政府にベドウイン族が反抗しているのかもしれません。
ISやアルカイダ系のテロリストが、サハラ砂漠の南に移動するのは、それほど難しいことではなかったようです。
史上最悪の内戦のスーダンを見ても、大抵北部の民族と南部の民族、ここに宗教的違いが絡んできます。
そもそも沢山の民族がいる上に、北部スーダンではイスラム教を信仰するアラブ系住民が多く、南部はキリスト教徒が多い特徴があります。
そのため南部は、スーダンから独立して南スーダンになりました。しかし、部族間の争いは今もあり安定しているとは言えません。
北部は、最悪の内戦が今も続いています。
アフリカの内戦や紛争が激化する理由は・・・・・
まず民族が多く、大抵主導権争いが起きる。
ここに宗教対立が加わる。
更に土着のアフリカ系と移住してきたアラブ系の対立がある。
・・・・・・・・・・・・・・・
これが、こんがらかって中々納まりが付かないのでしょうね。
サハラの南の国々で起きている政府と反政府勢力の対立も土着のアフリカ系とアラブ系の争いなのかもしれません。
中々、少数民族も政治参加して話し合いで政治をするのが難しい環境があるのかもしれません。
サハラの南では、ベデウイン族が関係しているのかもしれません。
いやいや・・・日本人には想像できない世界です。
※さらに考えてみると❓
アラビア半島全体が、ベドウイン諸族の住む土地です。
と言うことは、アラブ人と言うよりベドウイン人と考えた方がいいのかもしれません。
今、サウジとカタールが覇権争いをしています。
大抵、中東の覇権争いと考えるでしょう。
実際には、ベドウイン諸族の中の盟主の座を争っているのでしょう。
全ベドウインを束ねるのは誰か❓
こう考えた方が、実態に近いのかもしれません。
やっぱり、よく分からないアラビア半島情勢です。
※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2
これまで書かなかったのは、何しろ情報が少ないからです。内容が、よく分かりません。
シリア内戦との違いは、シリア内戦は国内の内戦と言えます。
フランス統治時代の地図を見ると、大雑把に4つの地域に分けることが出来ます。これは、オスマン・トルコ時代からの行政区分を、そのまま引き継いでいると思われます。
ウイキペデイア【シリア】
この記述に「フランス委任統治領シリア」の目次があります。
その右横に当時の地図があります。
アレッポ州、ダマスカス州、アラウイー州、レバノン国
大体、こんな具合に分かれています。レバノンは、現在独立国です。
だからアレッポとダマスカス地域が妥協すれば、一応の統一国家が可能です。
現在は、ここにクルド人エリアがあって、クルド人エリアが統一政権に参加するかどうかでやや揉めています。
しかし、折り合いの付けようはあると思います。
これと比較するとスーダンは、植民地主義の時代が残した悲劇と言えます。元はイギリスの植民地で、イギリスの植民地の範囲が、大雑把にスーダンと言えます。イギリスの植民地の範囲であって、これが現地の実情を反映しているわけではありません。多くの民族や宗教、部族などを、単に地図上で強引に区切っただけです。だから、実際にどのような民族がいてどのような地理上の区分が昔あったのかが分かりません。
大抵なんでも記述のある、ウイキペデイアにすら項目がありません。大雑把にでも正確に書こうとすると、まだ現状不明で書きようがない・と言うことであろうと思います。
現在は、地図上では北のスーダン共和国と南スーダンに分かれています。
南スーダンは記述があります。
ウイキペデイア【南スーダン】
「2011年7月9日、スーダン共和国(北)の南部10州がアフリカ大陸54番目の州として分離独立した」
ウイキペデイア【第二次スーダン内戦】1983年から2005年
第2次があれば、第1次もあります。
この内戦の果てに出来たのが、現在の南スーダンです。
ウイキペデイア【第一次スーダン内戦】1955年から1972年
つまりスーダンと呼ばれる地域は、独立後内戦が続いていて時々、停戦が成立しますが、また内戦が起きてしまいます。ほぼ政府がないと言えるでしょう。
第一次スーダン内戦の記述を見るとイギリスと周辺国が関与しています。こうしてスーダン内戦は激化して長期化します。
第二次スーダン内戦では、あまり外国の関与はありませんでした。しかし、内戦期間は長いです。南部の非ムスリム勢力が北部のムスリム勢力に対して武装ほう起した結果です。ここでは、宗教の対立が大きな原因になっています。非ムスリム系の南部が事実上独立を勝ち取りました。
※現在のスーダン内戦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは、北部のスーダンで行われています。
この流れを簡単に書いているのは、このサイトが分かりやすいと思います。
プラン・インターナショナル(2023年6月16日)
『スーダン・南スーダンで内戦が続く経緯|独立後の現状や必要な支援』
笹川平和財団 (かなり詳しく記述しています)
『過去40年で最も深刻な人道危機に直面するスーダンー停戦と支援再開への道はあるのか?』
ここに今回は周辺諸国が、かなり関与しています。両方に応援団がいますので内戦が終わる気配は、ありません。武器や資金の支援があるからです。特に困るのが、記述にはありませんが湾岸の覇権争いが持ち込まれています。一方をサウジが支援し、もう一方をカタールが支援しています。その他数か国が、双方を支援しています。
まあ、滅茶苦茶で国連や西側もどうにも関与のしようがありません。停戦の働き掛けも今は無理でしょうね。
互いに殺し合い、国連の支援部隊すら入れません。
今、地球上で行われている最悪の内戦です。
とても簡単には書けませんから、詳しく知りたい人は各資料を読んでください。
笹川平和財団の記述が比較的詳しく書いていると思います。
植民地帝国主義時代の悪の産物です。
ロイター 2024年12月29日
『アングル:国連IPIがスーダン飢餓拡大に警告、2640万人に緊急支援が必要』
スーダン内戦と周辺国について書いた記述
現代アフリカ地域研究センター 2023・04・29
『スーダン内戦と周辺国』
◎政府軍(ブルハーン)
サウジ、UAE、エジプト、チャド
◎PSF(ヘメテイ)
カタール、トルコ、東部リビア
というように周辺各国の利害と打算が入り乱れて、政権を握るのが都合の良い方に肩入れしています。多国籍紛争のようになっている現状があります。
ウイキペデイア【トルコ人】
現在、トルコ共和国がある地域は古来からその時代の覇者が支配してきました。
紀元前アケメネス朝ペルシャの時代は、ペルシャが支配しています。
その後、マケドニアのアレキサンダー大王に追い払われます。
その後、紀元前から紀元後にかけてアルサケス朝ペルシャとササーン朝ペルシャの時代にローマ帝国や東ローマ帝国と戦争し、その後イスラム帝国に敗北してこの地域から消えましたBC247頃~紀元後651年。
この地を長く支配したのは、東ローマ帝国です。
その前に、ローマ帝国の東西分割
イスラム帝国の拡大7世紀
十字軍1204年
東ローマ帝国再興1261年~滅亡1453年
トルコは、全然出てきません。トルコ人は、どこから来たのか❓
◎テユルク系民族の発祥の地
アルタイ山脈西部からカザフステップに住む遊牧民、だからこの時代は外見はモンゴロイドです。
大雑把にモンゴル民族のお隣さんです。
◎その後、長い時間をかけて西に移動していきます。
(段々、勃興するモンゴル部族に押し出されて西に移動していったのかもしれません)
◎この長い時間の移動の間にアラブやアナトリアに住む住民との混血が進んでいきます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
※アナトリア⇒アナトリア半島、大雑把に現在のトルコ
※【アナトリア半島】ウイキペデイア
この項目を読むと、「主要な諸文明」一覧があります。
トルコが初めて帝国を築いたのは「セルジューク・トルコ」です。1038年~1308年
この時代の公用語は、ペルシャ語とアラビア語です。
次が、「オスマン・トルコ」1299年建国~1922年革命で滅亡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
更にオスマン・トルコ時代に周辺の諸民族との混血が進みます。
ギリシャ人、アラブ人、ロマンス人の一派(ルーマニア人)、コーカサス系諸民族、クルド人、アルメニア人、南スラブ諸民族(バルカン半島の住民)、ブルガール人(同じテユルク系)、クマン人(テユルク系)など
こうしてトルコ人は世界でも例を見ない多民族混血民族になり、現在のトルコ人が形成されました。
その結果、外見はモンゴロイドからコーカソイドに変化しました。
※もっとも遺伝子的には、トルコ人の先祖は元々コーカソイド系遊牧民だそうです。アジアの方に行って混血してモンゴロイド系の外観を持つようになりました。一時期はトルコ人が、モンゴルを領土として統治していた時代があったそうです。その後、西に戻って来てコーカソイド系と多く混血したので、元のコーカソイドの外観に戻ったと言うことのようです。混血とか人種にあまりこだわらない民族だったのでしょうね。
トルコ人は史上初の、地球人なのかもしれません。
びっくりしました。
☆チュルク系民族
ウイキペデイア【突厥】
6世紀に中央アジアから中国北東部にかけて広大な遊牧民国家を形成。しかし分裂して消滅。
【匈奴】
どの語族に属するのか現在も不明
【チュルク語族】分布地図あり
ごく大雑把に中央アジアの東側がモンゴル語族の居住地。
中央アジアの西側とロシアから東ヨーロッパの一部の広大な地域がチュルク語族の居住地のようです。
【フン族】
匈奴の子孫ではないか・との説もあります。遺伝子解析から東アジアの出目であることが有力です。
フン族の子孫を主張する国は、ブルガリアとハンガリーです。紀元後300年代から400年代にかけて勢力を誇りヨーロッパの民族大移動を生じさせました。
謎の民族ですね❓
モンゴル帝国をイメージしますが、これは歴史の中では例外と言えそうです。
ヨーロッパに大きな影響を与えてきた中央アジアの遊牧民族は、チュルク系民族のようです。
その中で現在まで国として残るのが、トルコ共和国のようです。
☆カザフスタン(カザフ人)チュルク系民族
☆ウズベキスタン(ウズベク人)チュルク系民族
☆キルギス(キルギス人)モンゴロイドとコーカソイドの混血
☆タジキスタン ペルシャ語系民族
このように見てくると、中国とモンゴルの西の中央アジアからトルコまでが、チュルク系民族の現在の居住地のようです。トルコの東は、大体トルコ系が多いと言うことのようです。
※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2
Newsweek 2024年12月20日
(1)『シリアXイランXヒズボラ「シーア派の弧」破綻後の中東の地政学』
ミレイユ・レベイズ(米デイッキンソン大学准教授)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/12/529929.php
ウイキペデイア【中東戦争】
1948年~1973年まで4度の大規模戦争
※記事には詳しい説明があります。
現在の中東のアラブ諸国とイスラエルの不安定な状況は、ここからの対立関係の延長線上にあります。
しかし、第4次中東戦争後は大規模なアラブ諸国VSイスラエルの戦争は起きていません。アラブの国の中には、戦争ではなく話し合いでパレスチナ問題の解決を志向する国が現れたからです。
しかし紛争が終わったわけではなく、シリアはレバノンへの内政干渉を通じてイスラエルとの闘いを継続させます。そしてレバノンは、ヨルダンを追放されたパレスチナ・ゲリラ(パレスチナ解放機構PLO)を受け入れたため、PLOもイスラエル攻撃を行います。当然、イスラエルは反撃に出て1982年レバノン軍事侵攻を行います。イスラエルは、その後レバノン駐留を継続し、完全撤退は2000年です。
レバノンは、各勢力が争う内戦状態に陥り政府は失われました。
ウイキペデイア【レバノン内戦】1973年~1990年
詳しく書くのは、到底無理なので後は、資料を読んでください。知ろうと思うなら、その程度のことはしてくださいね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)の記事は、大体この後のことを大雑把に書いています。
シリアがレバノンへの内政干渉をする中で支援したパレスチナ武装組織が「ヒズボラ」です。イスラエルとの戦争やシリア内戦の中で勢力を拡大していきます。
しかし初代アサド政権が力を失うと、今度はイランが支援を始めます。
イランは、憲法に「イスラエル撲滅」を書き込んでいます。イランはヒズボラ支援を通じてレバノンに進出します。シリア内戦が始まるとアサド政権への支援を利用してシリアへも進出しました。その道具になったのが、ヒズボラです。ヒズボラの部隊をシリアに送り込み政府軍を支援しました。こうしてイランは、シリアの中で影響力を強め、「イラン~イラク~シリア~レバノン=ヒズボラ」のイスラエル撲滅を目的とする勢力を束ねた「陸の回廊」を完成させました。⇒「抵抗の枢軸」
ガザ紛争から派生したイスラエルとヒズボラの戦争は、イスラエルに千載一遇のチャンスを与えました。
「抵抗の枢軸」のうち、シリア~レバノンを破壊するチャンスです。
これを考えるとレバノンとの戦争やシリア反政府勢力の革命にイスラエルは何らかの形で深く関与していると思います。裏事情が表に出てくることは、多分ないと思います。しかし、イスラエルが反政府勢力の都合のいいようにヒズボラとシリア政府軍を叩きまくったのは、表に見える事実です。
結果として、シリアからヒズボラとイランの勢力は叩き出されました。ヒズボラはイスラエルとの戦争で大きく弱体化しました。これをイランがテコ入れしようとしても「陸の回廊」は、失われました。今後は地中海経由の海路しかありません。海上はアメリカ軍が「バッチリ!」監視しています。思うようには行かないでしょうね❓
中東の不安定要因は、最初はアラブ諸国のイスラエル撲滅のための戦争です。
これが失敗した後は、イランが介入してパレスチナ過激派を育ててイスラエル撲滅に利用しました。シリアにも内政干渉してシリアも傀儡化しようとしました。
ガザ紛争からシリア内戦の終結の過程には、イスラエルと同盟国のイラン勢力叩きがあります。そして、それは見事に成功しました。
次は、どうする❓
イラン弱体化に動くと思います。
トランプは、イランを思いっきり敵視してます。
まだまだ続きそうな中東での影の戦いです。
結局、この流れを見ると中東からイランの勢力を完全に排除しないと中東は安定しないでしょう。
もうアラブ諸国はイスラエルとの対立は望んでいないと思います。
レバノンからイランの勢力を完全に排除すれば、一応はイランの勢力は中東から排除されます。
何しろイランは、「イスラエル撲滅」を憲法に書き込んでいますから、どう見てもやりすぎだと思います。
こうしてしまえば、イランかイスラエルのどちらかが壊滅しないと争いは終わらないことになります。
どっちを、やっつけるの話になれば❓
※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2
BBC 2024年12月19日
『「シリアは世界の脅威ではない」暫定政権の指導者、BBC単独インタビューで語る』
https://www.bbc.com/japanese/articles/cqx8z0gv755o
シリアの新指導者は、シャーム解放機構の「アフメド・アル・シャラア」氏です。
通称は「アブ・モハメド・アル・ジョラニ」
インタビューは短い動画です。
関係者や法律家が憲法を作成すると発言しています。
誰もが憲法(法律)に従うと発言しています。
短い動画の中で分かることは、これだけです。
個々の事柄は、自分ではなくみんなが相談して決めると言っています。
一番、外の人間が心配しているのは、アフガンのような古い国家になることでしょう。
しかしアフガンは部族社会の国であり、シリアは違うと言っています。
今後、シリア新政府がどのような憲法や法律を制定し、実際にどのような政治を行うのかを見なければ、シリア新政府の性質は分かりません。
時々、シャラア氏は「革命」と言う言葉を使います。
実際、今回の政変は「革命」です。
しかしシャーム解放機構は、全部を破壊することはしませんでした。
まず、自由シリア軍との協力関係を築きました。政府軍と戦いましたが、旧政府の政権幹部とは事前に話し合いが持たれていたようで、旧政権は政治権力を反政府勢力に平和的に引き渡しました。
こうなった理由は、長い内戦で多くの人々が犠牲になり国土が破壊されました。そして大きく5グループに勢力が集約されました。敵も味方もシリア人全員が考えたのだろうと思います。
誰が悪いのか❓どうして、こうなったのか❓
シリアは、フランスから独立後安定した政府は、これまで成立していません。
独立後の混乱の中でやがてバース党が政権を握ります。
更にその中で権力闘争が繰り広げられ、そこで権力を握ったのが初代アサドです。
シリア国内で約10%しかいないアラウイ派の部族の出身者であったために権力を確立し守るために独裁制を取りました。
これがシリア旧政府の原型であり二代目アサドが追放されるまで続きました。独裁制は、恐怖の弾圧政治に変化しました。
外交を見ると初代アサドは、イスラエルとの戦争にのめり込み、それが二代目アサドを追放するまで続きました。
イスラエルとの戦争の過程で外国勢力がシリアに入り込みました。ロシアとイランです。
大飢饉に端を発して、最初は各地で抗議活動が行われました。これをアサド政権が弾圧したために抗議活動が内戦に発展しました。反政府勢力の側には、欧米やトルコが介入しました。
内戦を終結し、再度統一政府を作るには、どうするべきか考えた結果が、今回の政変であろうと思います。
シリアにとって幸運だったのは、内戦の中で革命を指導できる人間が生まれてきたことでした。
それが、シャーム解放機構の指導者です。
シャーム解放機構の根拠地であるイドリブ県は、革命政府が行政を行っています。
政治と軍の分離が、行われています。首相に相当する役職があり、首相がイドリブ県の行政を行ってきました。
このイドリブ県の行政を、新政府に移行したために新政府の骨格は、出来上がっています。これを可能にしたのは、長く続いた内戦でした。この内戦の期間があったから、新政府の骨格が形成されたと言えます。
アサド独裁に対抗する政治組織が形成されるには、これだけの期間が必要だったと言うことです。
革命の指導者である「シャラア」氏とその支持者が考えていることは、シリアが再統一され平和を取り戻し、シリアをシリア人の手に取り戻すことが最大の目的であろうと思います。
外国の関与を出来るだけ排除した、他国の戦争に関与せずシリアの再建のための政治を目指しているのだろうと思います。
シリア内戦が、余りにもハチャメチャであったために、旧勢力と同じように革命政府を見ていると思います。
しかし内戦を繰り返すために革命を起こしたわけではありません。シリアを統一して平和を取り戻し、シリアを再建するために革命を起こしたことは、見て取れます。
だから、シリア新政府は今後、その方向で政治を行い、その方向で物事が進んでいくと思います。
そもそも国連の支援なしでは100万人の単位の餓死者が出るでしょう。トルコだけで300万人を超える国外避難民がいます。
それを考えても旧アサド政府のような独裁政治をやったり、内戦を再現しようという関係者は、ごく少ないと思います。そのような人間や集団は、和平派に排除されていくと思います。
中々、こんな指導者が生まれてくることは少ないと思います。結局のところ、組織や国が革命的に大きく変化するには優れた指導者が必要です。
毀誉褒貶・功罪は、ありますが中国共産党革命は毛沢東がいたから可能だったと思います。毛沢東の元に多くの中国人がまとまったから蒋介石の国民党政権との内戦に勝利し、中国統一を成し遂げました。毛沢東が出現していなければ、中国では軍閥が割拠し腐敗した私利私欲に満ちた政権抗争または内戦が、今でも続いていたかもしれません。
全く正反対の意見が多いですが、旧ソ連が崩壊した後のロシアは経済的に困窮し秩序が失われ混乱の極みにありました。その中で頭角を現しロシアに秩序と社会と政治の安定をもたらしたのが、プーチン氏です。その後、20年かけてロシアは最悪の時に比較すると随分、復興しました。もちろん独裁的な要素は強いです。しかしロシアを再建するには、強権的な手法が必要だったと言うことです。民主主義では、到底不可能なことです。
プーチン氏を批判するのは、ほぼ西側です。
どうして❓
弱体化して混乱しきっているロシアが、西側には好都合だからです。
大分、復活してきた今のロシアが「非常に不都合」だからプーチン政権の崩壊を目論むのです。
プーチン氏を西側から見ると、ロシアを復活させた「極悪人」です。
ロシア人の目から見ると、ロシアを復活させた「英雄」です。
見える姿が、正反対なのが分かりますか❓
プーチン極悪キャンペーンを、いくらやろうとロシア人には敵のプロパガンダにしか聞こえません。
ロシア人には、民主化勢力など国をアメリカに売り渡す「売国奴」にしか見えないでしょう。
欧米の「正義」は、ロシアに行くと「極悪」になります。
いい加減に、このギャップを理解するべきでしょうね❓
※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2
CNN 2024・12・18
『シリア各地に集団墓地、数十万人埋葬か支援団体』
https://www.cnn.co.jp/world/35227412.html
2024・12・13
『「中世で絵も見ない拷問」 損壊した遺体、シリア首都の安置所の内側』
<米非営利団体シリア緊急タクスフォース(SETF)ムアズ・ムスタファ代表>
ダマスカス東郊外の集団墓地
拷問で死亡した数十万人の遺体が埋蔵された可能性がある。
南部ダルアー県のイズラー北郊外の集団墓地から20人以上の遺体が見つかった
シリア各地に少なくとも8か所の集団墓地があると認識
<国際行方不明者委員会(ICMP)>
シリアでは15万人が行方不明になっている
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ウイキペデイア【カンボジア大虐殺】
ポルポト政権が行った大虐殺。1975年~1979年の間に150~200万人が虐殺された。1957年当時の人口(約780万人)の4分の1に相当する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
過去に政府が行った自国民の大虐殺は、カンボジア・ポルポト政権が最多だろうと思います。
旧アサド政権の虐殺の残忍さは、これと似たようなものでしょう。しかも、総数が今のところ不明です。最低、10万人以上。シリア全土にある集団墓地を掘り返して遺体を確認しないと概算の数字さえ不明です。
両方に共通しているのは、社会主義の性質を持つ政権が行っている点です。シリアのバース党も社会主義思想をベースにする政権です。イラクのバース党も同じです。旧ソ連でも相当な人数が虐殺されています。反政府的と見られると逮捕投獄。ひどい場合は虐殺。シリアとポルポトの場合は、ここに残忍な拷問が加わります。
繰り返されることが、ないことを祈ります。
★20世紀の虐殺
1994年ルワンダ大虐殺 100日で80万人とも100万人とも言われる
オスマン・トルコ帝国のアルメニア人虐殺
ナチス・ドイツのホロコースト
旧ソ連の【ホロドモール】ウイキペデイアに項目があります
共産主義政権が、その過程で行った虐殺は総数不明です。しかも旧ソ連の領域で広範囲に長い期間行われました。
【1932年~1933年のウクライナ大飢饉】では、400万人前後(人口の20%前後)が餓死したと言われています。これは、軍隊で包囲して食料を与えないという方法です。旧ソ連政府は、この事実を隠ぺいしていたために最近まで実態が不明でした。しかし、これは総数の中の一部であり本当の意味での総数は分からないでしょうね。ソ連の共産主義革命には数えられないような膨大な人的被害が伴いました。
※関連記事目次
項目「アフリカと中東」の目次①
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/8e2281cde3859a8659b62d9f1680c9d2
アサド前大統領を追放(逃亡)して、反政府勢力の主力のシャーム解放機構が首都ダマスカスを掌握して政治の主権者が変わったことは、分かります。しかし、欧米のメデイアも各国政府も、一体この政治的変化が何なのか❓と言うことは言いません。日本のマスコミは、そもそも能力が低いから論外です。
その理由を考えてみるとシャーム解放機構は自分たちへの外部からの疑惑を認識して政変の本質を「ボカしている」からだろうと思います。どちらかと言うと平和的な旧アサド政府から新政府への政権移行が見えるように演出していると言えます。理由はシャーム解放機構の前身がアルカイダから派生したヌララ戦線であり、テロ組織の一種と認識されているからでしょう。テロ組織であれば、外部の認知も支援も得られません。
どんな経過を辿ったかは、ニュースで見える範囲で過去日記に書きましたので、それを読んでください。映像を見る限りでは、シリアの人々は、「シリアの自由」を喜んでいるように見えます。10万人以上が虐殺されたという政治犯刑務所からの収容者の開放もあります。そして拷問死した遺体が発見され、逮捕され行方不明になっている親族を探す人々の様子もありました。レバノン国境からは、矢も楯もたまらず帰国を急ぐ人々の姿もありました。その一方で出国を急ぐ人々の姿もあります。
これらの様子を見ているとシャーム解放機構が中心となった今回の政変は、「シリア革命」と言うべき性質があります。ただしシリア内戦で複数の反政府勢力が生まれて、その勢力は分かれています。だから簡単にシリア全土を新政府が掌握できるわけでは、ありません。
新政府にしてもシャーム解放機構が中心であるのは分かります。ここに連合関係にある自由シリア軍が参加しているところまでは、見えます。クルド系反政府組織とトルコ系反政府組織は、まだ参加していないようです。トルコ系とクルド系は、部分的な戦闘が起きています。
一方でクルド系は政府軍が撤退した後、東部の原油地帯を占拠しました。これは最近、新政府に引き渡されました。だから新政府とクルド系は、とりあえず戦わないと思います。住み分けて今後、どうするか交渉するのでしょうね。問題はトルコ系でここはトルコの意思が強く反映されると思います。そして一番烏合の衆的な要素が濃いと思います。最後、統合で問題になるのは、この組織でしょうね。それは先の話です。
現在分かっているのは、旧政府・シャー無解放機構・自由シリア軍は新政府に参加しているようです。一応、ここは暫定新首相に任命されたムハンマド・バシル氏が首相に就任しました。あくまで平和的な政権移行を強調しています。
しかし、一連の流れを見るならば武力による旧政府の追放であり新政府の樹立ですから、本質はシリア革命と見るべきです。暫定新首相のバシル氏は、シャーム解放機構の根拠地の首相ですからシャーム解放機構の地方の統治機構を、とりあえずダマスカスに、ほぼそのまま移動させたと言えます。期間は予定は来年3月までであり、その間に各勢力で話し合い、それから本格的な政府のメンバーを決める予定のようです。テクノラートを中心とする政府を作りたい・との発言があります。
その後を見ていると、多少のゴタゴタはあるようですが、再び内戦が始まる気配は今のところありません。旧政府軍の兵士の多くは、逃亡しているようです。報復を恐れたのでしょうね。
これに対し、指導者のジャウラニ氏は、「徴募された兵士の免責と安全の保証」を発表しています。悪いことをしていない者は家に帰って大人しくしていろ・と言うことでしょうね。
シリア国内には、イスラム国(IS)の勢力がいます。その他アサド政権下でアサド政府に協力していた各国から来ていたイスラム過激派の民兵組織がありました。これは、まだシリア国内に潜伏していると思います。ここに旧政府軍の兵士が逃げ込んで、犯罪行為や反乱を起こすのを防止しなければなりません。
徐々に外国政府との折衝も始まっているようです。ヨルダンが主催したシリア復興会議も終わりました。トルコは大使館を再開したようです。15日には、ベデルセン担当特使がダマスカスを訪問して、ジャウラニ代表と会談しました。同じ記事では15日から学校も再開されたようです。学校が再開されると言うことは、都市部では治安が保たれているという様子が見えます。
要は、外国の政府や国際機関も新政府を正当なシリアの政府と認めつつあると言うことだろうと思います。
国連の担当特使は「制裁は早期に解除されるのが望ましい。シリアの復興を経済面から支援するべきだ」と述べたとのことです。国連の支援なしでは餓死する人が100万人の単位でいますから、国連が支援活動を再開できるのは良いことです。
米NBCテレビ
『クルド人についてジャウラニ氏が「共に生きていく」』と述べたとのことです。クルド人とは、自治権又は平等な政治参加で話し合う余地は十分あると思います。
ここまで来ると、トルコ系以外の勢力が全部シリア新政府に参加することになり、シリアのほとんどの地域が新政府の支配化に入ります。何とか新政府もメドが立ちつつあるようです。
そして国内の治安を回復するには、シリア全土にある武器を回収しなければなりません。特に地方や農村部では、ほとんどの地域が武装して自衛組織を持っていると思います。
何とかなりそうな気配が見えつつあるようです。
産経新聞
2024・12・16
『国連特使が「制裁の早期解除が望ましい 旧反体制派はイスラエルの攻撃非難』
2024・12・16
『武装勢力は「解散」の意向、シリア反体制派の指導者ジャウラニ氏 家屋再建が優先課題』
2024・12・15
『シリア・アサド政権崩壊から1週間、国民融和、諸外国との協調・・・課題が山積』
2024・12・15
『米欧と中東諸国がシリア新体制構築の支援表明 「安全で平和な未来を築けるように」』
※最近、中東の日記が多いです。そうすると、やたら「アル」が出てきます。これまで気にもしていませんでした。なんで「アル」か❓知らんよ。余りに「アル」多く調べてみました。
アラビア語で英語の「the」と同じ定冠詞でした。
アル・シャーム⇒ザ・シャーム
アル・アラビア⇒ザ・アラビア
やたら「アル」が出てくる理由を理解しました。
こんにちは⇒マルハバン(実際の発音はrが聞こえないのでマッハバンと聞こえます)
イスラム圏の人に、マッハバンと言うと喜ばれるかもしれません。
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これは、見ていてお国柄が感じられて面白かったです。
Youtube
『女性の軍事パレード(15カ国を比較)Wormen's soldiers in the world』
https://www.youtube.com/watch?v=GTaGdA06n3o
これで検索すると動画が出てくると思います。
北朝鮮
文句なく勢いがあります。女性にこんな事をさせていいのかな❓と思います。
中国
とにかく人数が多い。中に特殊な部隊が混じっています。全員、赤の制服❓
これは通称「ピンク部隊」、パレード用に素人さんで美人を集めて行進の練習した部隊と言うより集団です。
パレードの華と言うことでしょうね。
ベトナム
これは特殊です。独立戦争から南北統一までを表現しているのだろうと思います。
最初は、普通の制服。 これは最初にフランスに勝利した元々の北ベトナム軍を表しているのだろうと思います。
次の集団は、色とりどりのばらばらの衣装です。
これを見て、ピン!と来た人はベトナム戦争を知っている人ですね。
多分、農民に交じって戦ったベトコン兵士を表現しているのだろうと思います。
最後は、農民っぽい制服の集団です。これは統一された南ベトナムでしょうね。
パキスタン
やはりイスラムの国は違います。
ヒジャブをかぶっているのは当然として、小股で静かに歩きます。
大股で男みたいに歩くのは下品で女性らしくないから、ダメなんでしょうね。
ヨルダン
ヨルダンは尚武の国です。ヒジャブをかぶった美人の子が多いです。お化粧もバッチリです。中々、勇ましい!
ところが❓
行進が始まると、やっぱりイスラム風になりました。歩幅を小さくしてゆっくり歩きます。
ロシア
行進に慣れています。面白いのは、女性兵士の場合は行進曲に「カチューシャ」を時々使う点かもしれません。
美人が多いです。
日本
右手を方の高さまで上げます。左には小さなショルダーバックをかけています。これは、日本だけですね。
コロンビア
頭の羽飾りが特徴です。
アメリカ
単にあるいていました。探してみましたが女性兵士の行進の動画は見当たりませんでした。
こうして見てみると、ベトナム、パキスタン、ヨルダンには珍しいお国柄が見えました。
考えてしまいます。
男と同じように下品に行進するのがいいのか❓
女性らしくお化粧してきれいに静かに歩くのがいいのか❓
あるいは、アメリカ式にナシにするか❓
☆イスラム教徒が多いけれど違う宗教の子が混じっている場合は、どうするか❓
イスラム教徒の子はヒジャブをかぶりますが他宗教の子は、ヒジャブはかぶりません。
CNN 2024・12・14
シリア反体制派、アサド政権打倒の準備は1年前に開始 指揮官が英紙に明かす
https://www.cnn.co.jp/world/35227316.html
このような記事があります。記事によるとシャーム解放機構が1年前に南部の反体制派(多分、自由シリア軍)と連絡を取り、統一戦線の形成を打診したようです。
その後、トルコ、アメリカ、イスラエルが何らかの関与をしていると思います。特にイスラエルは1年以上前からアルシャームと連携するような動きを見せています。イスラエルの関与は永久に明かされないかもしれません。しかし、今の状況を見るならイスラエルが一番深く関与していると思います。
約1年前の日記です。
①(シリア)テロを変えてしまったドローン<2023年10月
https://smcb.jp/diaries/9145526
②シリアとレバノンの民兵組織<2023年10月
https://smcb.jp/diaries/9150461
これが、2023年10月に私が書いた記事です。今とはシリア問題に対する理解度が全く未熟ですから相当認識を間違えています。ともあれ、②の日記のソース。
Newsweek 2023年10月13日
③『中東情勢、再び緊迫の時代へ......ハマース、イスラエル、シリアの軍事対立が示すもの』
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/10/post-102825_1.php
青山弘之・東京外語大教授の投稿記事です。かなり詳しく書いています。今、読み直すと興味深い内容が沢山あります。主にイスラエルのシリア攻撃について詳しく書いています。イスラエルがシリア領内を頻繁に空爆する理由は、イランがシリア経由でレバノンのヒズボラに武器や装備を供与するのを阻止するのが狙いだとの説が書かれています。
この当時は、イラン・ヒズボラ・シリア政府が「抵抗枢軸」を自称していたようです。
シリア政府は、以下のように述べています。
「シリア軍が北部で戦っている過激派テロ組織を支援するために続けている手法だと非難し、シリア軍はイスラエル政体の武装勢力になり下がっているテロ組織を追跡、打撃を与え、国から根絶すると宣言している」
この当時は、アル・シャームはアルカイダとみなされテロ組織に指定されていました。あくまでシリア政府は、テロ組織を攻撃するという構図です。
しかし、この当時からイスラエルとアル・シャームには何らかの関係があったことを示唆しています。そして、この当時にシリア内戦は、イランとシリア連合対イスラエルと過激派(アル・シャーム)の戦争に変化していることが伺えます。そして、今判明したところでは、この時点でアル・シャームとシリア自由軍の連携が出来上がっています。
ロシアは、単にシリア政府軍を支援しているだけで「抵抗枢軸」には、関与していません。
つまり、今回11月の末に始まった反政府勢力の総攻撃は、これら一連の動きの総仕上げであったことになります。
ロシアは、アル・シャームがアレッポを攻撃した時は、空爆で政府軍を支援しています。しかし、その後支援を止めました。
読売新聞 2024・12・14
『アサド大統領、側近や親族にも伝えず逃亡・・・軍幹部に直前まで「ロシア軍の支援ある」とうそ』
(ロイター)
「アサド氏は、大規模反抗開始の翌日11月28日にロシアを訪れ軍事介入を要請したが、ウクライナ侵略を優先するロシアに断られた。イランには軍事介入を求めなかった」
とこのような内容が書かれています。
その後の経緯を見るなら、アレッポ陥落後はシリア政府軍は、ひたすら退却を続けて反政府勢力とはほとんど戦っていません。推測ですがシリア軍の幹部は、戦闘停止と退却命令を出していると思います。
こうして過去記事とつなぎ合わせて読んでみると、確かに今回の反政府勢力の連携とイスラエル軍のシリア空爆は、1年以上前から始まっています。イスラエルの目的は、ヒズボラの弱体化です。
そしてイスラエルとヒズボラの短い戦争は、イスラエルの圧勝でした。
停戦が合意されるのを待ち、反政府勢力は一斉に政府軍の攻撃を開始しました。
これは、イスラエルとヒズボラとの戦争の終結を待っていたのだろうと思います。
手が開いたイスラエル軍は、シリア政府軍の軍事資産を全て破壊するために猛烈な空爆を開始して、ほとんど破壊したのだろうと思います。これもアル・シャームと密約があった可能性があります。
その攻撃は、反乱を起こしそうな政府軍の残党やシリア政府の支配地にいたイスラム過激派にも向けられたはずです。③の記事には、シリア政府について戦っていたパレスチナ諸派の民兵組織の名前が出ています。他には、イランの民兵、革命防衛隊、ヒズボラ、イラクの民兵、アフガン民兵、パキスタン民兵などがシリア政府側で戦っていました。
つまり、シリア政府軍はイスラム各国の過激派の集合場所になっていました。多国籍イスラム過激派軍団です。
これ全部は、とても反政府勢力の手には負えないでしょう。
なるほどイスラエルが空爆しまくる理由です。ゴラン高原にこれらの過激派が侵入するのを阻止するために、シリア側までイスラエル軍は進出したのであろうと思います。シリア軍は逃亡してしまい、シリア側の陣地が空になったからです。新政府が兵士を配置できるまで、イスラエル軍が警備を代行するのであろうと思います。
過激派民兵組織の残党が、どこにいるかは分かりません。結構、シリア全土にばらけて潜伏している可能性があります。
と言うような実に入り組んだ話のようです。(よく、わからない❓)
新政府が誕生しましたから、さっそく活動を始めるのかと思いましたが、その後音沙汰なしです。
その理由を考えてみると資金の手当てが付かないのだろうと思います。新政府の暫定首相が旧政府の金庫を調べてみたらカラだったのはコメントがありました。その時は、ローンの残高を調べているところだと言っていました。ロシアは、新規の穀物輸送船を止めています。支払いが出来るかどうか分からないからです。
では、アサド政権は、どのようにして資金を調達していたのかを推測してみます。
(あ)支配エリアからの税金
(い)ロシアの租借地の賃料
(う)多分、ロシアとイランからの支援金
(え)東部油田から石油を密売(これはISもやっていました)
(お)麻薬密売(推定3000億円から経費を差し引いた残り)
これくらいしか思いつきません。このうち、(あ)と(い)は一応、引き継げます。
(う)(え)(お)は、新政府には無くなります。
新政府の公務員の給料すら払えないでしょうね。
【どうしますか❓】
つまり新政府は欧米や周辺のアラブ諸国が資金援助しなければ、政府を運営することは不可能だと思います。
こうなると新政府は政府の運営や方針を(仮称)シリア復興会議に示して、同意を得て支援を仰がなくてはならに事になります。
今、その交渉の前段階だろうと思います。
シリアの復興支援に関しては、ヨルダンが音頭を取ってアラブ諸国や欧米が参加して会議を開催する準備をしているような記事がありました。
どっちにしても新政府の内容や施政方針、特に欧米が求めている少数グループや宗教への平等な取り扱いは最低限の条件です。他にもアメリカの国務長官が条件を出しています。
アメリカは、この条件が守られれば新政府を支持し承認すると言っていますから、支援が得られる可能性は十分あると思います。イスラム原理主義的な主張は政策に盛り込まず、普通の国の普通の政策と政治制度で新政府に参加している勢力が合意できるかどうかが、焦点になります。
と言うような調子で、まだ欧米やアラブ諸国の支持を取り付ける前の段階なのでは、ないかと思います。
もし、支持の取り付けに失敗するとどうなるか❓
大雑把にアサド政権崩壊時の各勢力の支配エリアを、各勢力のエリアにして分割統治をするしかないでしょうね。
(A)大雑把に言うと西部(ダマスカス、アレッポ、ラタキアなど)と南部の西半分が、旧政府+シャーム解放機構+自由シリア軍 ⇒自由シリア軍はアメリカが支援
(B)北部の東の方 トルコ系勢力 ⇒トルコが支援
(C)東部一帯 クルド系勢力 ⇒アメリカが支援
大体、こんなエリア分けになると思います。これまでの支援関係では、アメリカは(A)と(C)を支援することが可能です。だからシャーム解放機構が、ほどほどの統治政策を打ち出せば、アメリカの支援が得られる可能性はあります。これが最大のポイントかもしれません。そうなれば、(A)と(C)の連立は可能だと思います。クルド人の自治を認めれば、クルド勢力はシリア政府にとどまるのではないかと思います。むしろ離脱しそうなのは、(B)のトルコ系でしょうね。
以上は、どちらかと言うと上手くいった場合です。(A)は既に3グループの寄り合い所帯ですから、ここがばらけると最大5グループに分かれます。このどこかに(多分ラタキア県)にイスラム過激派が入り込むと、再び内戦再発もあり得ます。
やはり新政府の統治の原則、統治方針、統治の具体的な方法が決まらないと動きたくても動きようがないのも事実です。
どうなるのか分かりませんが、再び内戦だけは止めて欲しいと思います。