黒坂黒太郎コカリナブログ

黒坂黒太郎のコカリナコンサート活動、東日本大震災被災地支援活動など

陸前高田一本松の前でその3

2012-04-14 00:00:40 | 被災地支援
陸前高田米崎小学校ミニコンサート
 「陸前高田の奇跡の一本松に石巻の松の音を聴いてもらいたい」の思いで、コカリナ愛好家の皆さん28名と一緒に東京からバスで出かけました。東京から約500キロ。バスだと最低8時間はかかる旅です。石巻コカリナの皆さん6名も乗用車で現地に直行、参加してくれました。その中には家が流されてしまった被災者の方もいます。それでも「一本松を励ましたい」と来てくれました。心配だったのは、天気。雨天決行を宣言したものの、数日前の予報は雨。それも大荒れ。現地の新聞社からも取材の申し込みと同時に「普段でももの凄く風の強いところですから気をつけて演奏してください」とご注進。メンバーには「譜面台なんか立てられませんから暗譜してください」とハッパをかけました。そして迎えた当日、現地に着くと薄曇りの穏やかな天気。風は全くない、と言っていいほどの無風状態。現地の方も「こんな日は滅多にない」と、驚かれている。陸前高田に着くとまず市役所に。と言っても町中の市役所は壊滅したため高台に作られたプレハブ2階建ての建物。そこの会議室で迎えてくださったのは企画部の部長さん。メンバー全員を招いてくださり、お話しをしてくださいました。そこで義援金をお渡しし、私たちの質問にも答えてくださいました。それからいざ一本松へ。通行止めになっている道を特別に入れていただきすぐ横まで行くことができました。一本松は風もない穏やかな空に「スクッ」と立ってまるで「良く来たね」と言っているかのように私たちも迎えてくれました。ビックリしたのは木の上に鳥が巣を作っていることでした。その鳥と木に向かい、「石巻被災松コカリナ」で「浜辺の歌」「ふるさと」「一本の樹」「アメージンググレイス」を高らかに響かせました。一本松の演奏の後、近くの米崎小学校でコンサートを行いました。
それにしても素晴らしい子ども達でした。「一緒に歌おう」と呼びかけるとすぐに歌ってくれ、「この曲は聴いて欲しいな」と思いながら演奏すると耳を澄ませて聴いてくれ、そして楽しい演奏には笑ってくれ、私たちもよく学校コンサートを行うのですが、こんなにコンサートに集中でき、楽しめる子ども達はあまりいないように感じました。それは何よりも先生方の子どもを見る目が温かいことに起因するのでは、と帰りのバスの中で語りあいました。この子達が陸前高田の松の木でできたコカリナを吹いたらどんなに素敵だろうと思います。