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NICE - キース・エマーソン氏

2016-03-17 02:12:26 | 音の綴織

キース・エマーソンKeith Emersonの演奏を初めて聞いたのは
仲良しの友達のお兄さんのレコードを友達がコッソリかしてくれて聞いたのが The Nice のレコードでした。確かキースエマーソンが大きく写真になっていた代表曲を集めたレコードだったと思います。

最初の曲は「'Pathetique' Symphony No 6, 3rd Movement」。チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」第3楽章をハモンドオルガンを中心に演奏をした曲です。Instrumentalで演奏はとても繊細、そして技巧的で昂揚感のある曲がとってもかっこよく、またギターもドラムも緊張感のある鋭い演奏ですごいなあってドキドキしました。実はこのチャイコフスキーの「悲愴」はこのレコードではじめて知ったのです。だからこの曲は私にとってはキース・エマーソンの弾いたハモンドオルガンの曲が基本で、後にオーケストラ版を聞いたら、あ、 The Nice のと同じ曲だと思ったものです。
それから同じレコードに「America」という曲があったのですが、こちらもinstrumental。これはドボルザークの交響曲第9番「新世界より」の第4楽章をアレンジした曲でしたが、聞いててびっくり!。曲が進行してる途中でベトナム戦争を思わせる機関銃と爆発音が聞こえ、納まった後、今度はバイクがハイウエイを走行する効果音が出てくるのです。つい頭の中で髭で長髪のライダーがハーレーダビッドソンに乗って飛ばしてる姿が想像できました。そのバイクは加速を増しついにはガードレールをけ破って崖から転落。崖の斜面に何度もあたりながら谷底にガシャンとぶつかりついには爆発する音が出てきます。これがアメリカの現状だと言わんばかりの何とも皮肉でなおかつドラマチックな曲でやっぱり聞きながら胸が高鳴りました。
とっても気に入ったのだけど、そのころまだ録音機器が家にはなくて、一度返したけど、また頼んで貸してもらい心に刻むように聞いてお返ししました。(あの時は貸してくれてありがとう!おKちゃん)
あれからもあの曲が忘れられなくて数年後レコード屋さんでその2曲が入ったLP「エレジー」を見つけた時は嬉しくなってすぐ買って聞きました。
でも、時代はCDになってしまい、レコードプレイヤーがなくなったのでもっぱらカセットテープで聞いてます。CD屋さんで、また The Nice のCDを探しましたが、なかなか見つからず、やっと見つけてもこの2曲が入ってなかったり・・・。大体輸入盤なのでよくわからないで買って、やっと「悲愴」の入ったCDを見つけましたが、「America」は曲のアレンジが違うバージョンしかありませんでした。

私はロックが好きですが、ちょっと偏っていて、こんなにキースエマーソンの曲が気に入ったくせにEL&P(エマーソン、レイク&パーマー)を聞いたことがないです。
The Nice のこの2曲が凄すぎて満ち足りてしまってそこでストップしてしまった。The Nice は1967年に結成されましたが短命で1970年にはEL&Pが結成されたらしいのでそれまでに解散されたようです。でも私にとってキースエマーソンはずっとThe Nice 。キーボードの申し子。大変な技巧と斬新な表現力を持った稀有な才能をもつ達人。

3月11日に亡くなられたと訃報をきいてとても悲しいです。
それも右手に支障が起きて以前のようにキーボードを演奏できなくなったことを苦にしてと聞きました。あのハモンドオルガンの演奏のように繊細な方だったんだなあ、と感じました。

動画を調べたら「America」はやはり私がレコードで聞いたバージョンは見つかりませんでした。でも「'Pathetique' Symphony No 6, 3rd Movement」はすぐに見つかりました。この題名をなんて読んでいいかずっと?で一応「悲愴」と呼んでたけどこの曲に悲壮感を感じない、むしろ昂揚感を感じるので、数年前から「パセティック」と呼んでいます。横文字の方がちょっと洒落た感じがするので。
20代前半に演奏した勢いのある瑞々しい青春の音

NICE - 'Path�・tique' Symphony No 6, 3rd Movement


キースエマーソン氏、安らかに・・・


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