2023年10月30日、KSB5CHは『中国大使館「経済的威圧はG7の特許」 日本産水産物の輸入停止撤廃求める声明批判』とする記事を配信した。
『……
G7=主要7カ国貿易相会合で発表された中国による日本産水産物の輸入停止の撤廃を求める声明に対し、日本にある中国大使館は「経済的威圧はG7の特許である」と強く批判しました。
G7の共同声明では水産物の輸入停止の撤廃を求めたほか、輸出制限などの「経済的威圧」が「拡大していることを憂慮する」と中国を念頭に牽制(けんせい)する内容も明記されました。
これに対し日本にある中国大使館は、原発処理水の海洋放出をあらためて批判したうえで、「経済的威圧はG7の特許である」と反論しました。
さらに、「公平な競争条件を損ない、グローバル・サプライチェーンの安全と安定を乱すのはG7のよくやる行為だ」と指摘したうえで、「G7が正常な国際貿易・投資秩序を維持するための行動をとるよう強く求める」と批判しました。
……』
今月26日に王毅外相が訪日して、ブリンケン国務長官と会談を行いアメリカが「一つの中国」政策に回帰することを約束させた。更に王毅外相は、認知機能問題を懸念されるうえに「習近平を独裁者」とまで言っていたバイデン大統領に「一つの中国」政策に回帰することを認めさせてしまった。もはや、日本政府が策定した安全保障政策は破綻してしまった。しかし、自由民主党としては折角取得した莫大な防衛利権を放棄したくないことと、令和6年度防衛予算を確実なものとしておきたいという理由で、国民の目を「中国による水産物の輸入禁止」が「中国による日本虐め」と映るように、わざわざG7貿易相会合で議題として持ち出した。これに対して在駐日大使館が、即座に反論してきたのだ。
政府自由民主党は、国民が未だ対中政策が破綻していることに気が付いていないと、高を括っていたのだ。その証拠に、安全保障政策としては無駄、無意味、無知の極みのような島嶼防衛作戦を実施する心算でまだ「塹壕堀」しているのだ。日本政府が策定した作戦では、島嶼部に雨の様に降り注ぐロケット弾を日本自衛隊はじっと塹壕で耐え忍び、自衛隊救出に駆けつけるアメリカ軍を待ち続けるのだ。しかし、アメリカ軍は島嶼部支援にはせ参じることはない。アメリカは、王毅外相にそう約束したのだ。
日本政府は防衛費を拡大するため、福祉政策をぎりぎりまでそぎ落とし、さらには、消費税を19%まで拡大することで、賄おうとしている。その前提が、手前味噌で作成した防衛三文書だった。この防衛三文書が根拠のないものであったことが明らかになったのであるから、即座に、防衛予算は執行停止にすべきなのだ。それを、未練がましく「中国のいじめ」と見せかけるのだ。自由民主党による「三文役者の田舎芝居」を喜んでみる観客は、もう、誰もいない。
尚、これまで米中関係と防衛三文書については下記のスレッドで述べてきた。
・(2023.10.29)『王毅外相とブリンケン国務長官と再度会談 -アメリカは中国にイランへ働きかけ要請-』
・(2023.10.28)『王毅外相とバイデン大統領の会談 -アメリカは「一つの中国」政策に回帰した-』
・(2023.10.27)『王毅外相とブリンケン国務長官会談』
・(2023.10.25)『王毅外相訪米!日本政府の安全保障政策は破綻した -島嶼防衛などという無駄、無理、無能な戦術-』
・(2023.10.05)『台湾有事を煽った自由民主党外交政策の大失態 -日本の宗主国アメリカは中国と和解済み-』
・(2023.08.07)『王毅外相訪米で防衛三文書を根拠とした日本の外交と安全保障は窮地に陥る』
・(2023.09.21)『台湾有事にアメリカ軍は参戦しない!? -どうする自由民主党!-』
・(2023.08.14)『自由民主党外交政策が大失策となった原因』
・(2023.08.10)『麻生太郎自由民主党副総裁という大馬鹿者』
・(2023.09.23)『中国が日本産水産物を禁輸にしたのは日本が中国を敵国としたから!』
・(2023.06.22)「上海コミュニケ」
以上(寄稿:近藤雄三)
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