税金が透明化されその使用結果が身近な所で実感されれば納税に対する考え方は変わり、嫌な義務からもっと能動
的になれるかもしれない。この典型的な例は北欧の納税者が持つ税に対し『納税は徒然の事』と言い切る絶対的な
信頼性だ。税金は育児、教育、医療、福祉、年金など生活に直結する所にも効果的に使われ、分かり易いから『生
活が良くなるなら税率が上がっても構わない』とまで言えるから羨ましい。
社会インフラ、災害復旧など多少の配分は異なるだろうが信頼性を比較してみた場合、どうみても北欧の足元にも
及ばない。その信頼性の差は中国産の食料品と国産食品のようなものだ。
4月、消費税が8%になり10月には次の増税に向けての判断が為される模様。日本の総予算に対する歳出は国債の
返済で身動きがとれない状況になっている。双頭の頭痛の種である社会福祉費の増大、とりわけ医療費、年金にあ
り、これは年が経つ毎に悪化していくから、歳出の抜本的な見直しがないと先は見えている。
こうした問題は長い時間かかって作り上げられたものが潜在化し気づいた時は、今、もう既に身動きが取れなくな
っているかもしれない。もしそうだとすると、日本と北欧の違いは・・・・日本はお金をふんだんに稼いでも社会
に何も実を付けなかったが北欧は少ない稼ぎでも立派な実がたわわに実っている。その実感の差が納税観の差にな
っている。
平たく言ってしまえば日本は過去から税金を有効に使ってこなかったし、恐らくこれからもいい加減なままだろう。
庶民は薄い税金を多様に支払わさせられ。取り尽すほど取り、取る所がなくなったら税金に税金を掛ける禁じ手を
繰り出すかもしれない。手っ取り早い税金を考える役人と政治家が触手を伸ばしているのが『パチンコ税』『携帯電
話税』要は取り易い所から取るだけの愚策の連続でしかない。