KONASUKEの部屋

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ナモグリバエ食痕・蛹?20210409

2022年02月06日 | ハエ目
アブラナ科の葉裏に、袋状の食痕。
ナモグリバエの幼虫の食痕です。
所々黒っぽい点々は、糞です。
(# ゚Д゚)
葉裏に落書きのような跡を残すので、絵描き虫、などと呼ばれるようです。

食痕の最後の部分、黒いモノを拡大。
蛹のようです。
あるいは寄生バチにやられた死骸かも。

別名:
エンドウハモグリバエ
分類:
ハエ目 短角亜目ハモグリバエ科
体長:
1.7~2.5mm
分布:
日本全土
垂直分布?
成虫の見られる時期:
4~11月(多化性)
成虫、蛹で冬越し(屋内では通年発生、島根県平地では幼虫でも越冬)
エサ:
成虫・・・花の蜜や腐果など
幼虫・・・ナタネ、キャベツ、ダイコン、ハクサイ、コマツナ、カブ、エンドウ、インゲン、スイートピー、ソラマメ、レタス、キク、ネギなどの葉
その他:
成虫の体色は緑がかった灰色で、額部は黄色、胸背面は光沢、短い刺毛が無く、腹部は黒色。
(米大陸原産のトマトハモグリバエ、マメハモグリバエは胸背面が黒褐色で、多少とも光沢がある。)
翅は長めで透明、やや暗色味を帯びる。
腿節末端は白色がかる。
前脚基節は黒色。
成虫は黄色に強く誘引される。
成虫は最高気温10℃を超えると活動可能になる。
成虫の寿命は約15日、平均産卵数は300個以上。
葉縁に近い葉肉内に産卵するが、その際、直径1mmほどの小さな斑点が出来る。
卵は乳白色の細長い楕円形で、長さが約0.1mm。
幼虫は体全体が円筒形で白っぽいウジ状。
幼虫は食草の葉に穿孔して、葉身を摂食するため、食痕が白い筋状に残る。
糞痕は黒点状に見られるが、あまり目立たない。
(トマトハモグリバエ、マメハモグリバエでは黒い線状に残る。)
主に葉裏を摂食。
(トマトハモグリバエ、マメハモグリバエでは主に葉表。)
通常、一枚の葉に複数の幼虫がおり、表皮が葉肉から剝がれて袋状になる。
別名、絵描き虫。
広食性で、野菜の害虫として有名。
終齢幼虫の体長は約3mm。
葉の潜孔内で蛹化する。
(他のハモグリバエ類は葉から脱出し、土中などで蛹化する。)
蛹は長さ約2mm、少し平たい楕円形。
初めは乳白色で、後に黒褐色になる。
また、低温期に蛹化すると黒色、高温期に蛹化すると白色になるという。
春に発生が多く、盛夏は減少し、秋にもピークがある。
1990年代から多発生が問題になっており、薬剤抵抗性を獲得したと見られる。
エンドウに関して、5月に入ると寄生バチの寄生率は100%に近い。
しかし寄生バチは薬剤に弱く、薬剤の使用で寄生バチだけが排除され、ナモグリバエが多発生することが示唆されている(リサージェンス)。
薬剤の使用をやめても、両者の関係が復元するまでに1ヶ月ほどかかる。
また、1990年以降の顕著な高温の集中によって、ナモグリバエの世代数が増加し、リサージェンスに拍車をかけている可能性がある。
これはナモグリバエの発育零点が6°と低く、かつ有効積算温度が270.2日度と小さいため、周年世代数が大幅に増えていること。
寄生バチも年間世代数が増えるが、生産現場では薬剤散布によって排除されてしまうと考えられる。
本種は冬季の休眠性を示さないようだ。
少なくとも宮城県以北では越冬は困難であり、気流に乗って本種が北日本に長距離移動していることが示唆される。
参考:
虫ナビ
島根県
タキイ種苗株式会社
ハモグリバエ類の見分け方
暮らしーの
シンジェンタ
農林水産省
サヤエンドウを加害するナモグリバエの発育に関する試験と有効薬剤の探索
ナモグリバエの発生消長は黄色粘着トラップにより把握できる
気流に依存したナモグリバエの長距離移動


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