KONASUKEの部屋

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水戸城大手門の瓦塀・詳報

2018年01月18日 | 歴史
水戸城大手門の瓦塀(かわらべい)についての詳報です。
瓦塀とは・・・瓦と粘土を交互に重ねて作られた塀。別名・練塀。

当日の様子


大手橋から現場を望む。
場所はこの辺↓


一般のための見学会に、雨の中、多くの人達が集まりました。

解説して下さったのは、関口慶久さん。
「ブラタモリ」の水戸の回(2017年1月28日)で、解説をされていた方ですね。
解説の予定は、14:00~と15:00の2回でしたが、参加者が多かったため、予定を繰り上げて開始。
解説が終わっても質問が途切れず、ぶっ続けで2回目に突入する盛況ぶりでした。

どこがすごいの?

発見された瓦塀①

瓦塀②

ここがすごい!①
国内最大級!
高さ5m、幅2m、厚さ2.1~2.6m

ここがすごい!②
大手門の両側に瓦塀を設置した例は、国内初!

一昨年の発掘現場(大手門の北側)で・・・

瓦塀が発見されていました。
昨年の調査で、南側にも瓦塀の存在が示唆されていましたが。
今回、見事に発見されたワケです。
大手門の両側に瓦塀を設置した例は、他にありません。

ここがすごい③
排水施設完備!
18世紀に雨水の処理施設が作られていたことに驚き!

石組水路(いしぐみすいろ)と雨落ち石(あめおちいし)。

石組水路:大手門や土塁の雨水を処理するための地下水路。
     雨水によって柱が腐るなどして門が壊れるのを防ぐ。
     18世紀に雨水の処理施設が作られていたことに驚き。
     素材は笠原水道(水戸黄門が作った上水道)と同じ石。
     凝灰質泥岩(火山灰を含む泥が長い年月をかけて固まったもの)なので、軽くて丈夫。
雨落ち石:門の屋根から落ちる水滴の飛びはね防止、穿ち防止。
     皆さんは、軒下に雨水で空いた穴を見たこと、ありませんか?
     見栄えは悪いし、周りに泥もはねます。
     それを防止するために、石を敷き詰めたと思われます。

集水枡(しゅうすいます):土塁や大手門の雨水等を集めて石組水路に流すための仕組み。

何のために作られたの?

土塁の上から、発掘現場を望む。

※土塁:土を盛り上げて作った防御施設。
 一般的に、堀を作った際に出る土を盛ることが多い。

地面に引かれた白線が、大手門のあった場所。
向こう側にも土塁があるのが分かります。

土塁と土塁の間に、大手門が作られたことが分かります。
しかし、土塁の端は垂直ではないので、そのままでは、人が通り抜けてしまいます。

そこで、土塁と大手門の間を繋ぐものが必要になるワケです。
一般的には板塀が使われるようで、瓦塀が使われた例は、全国に他にありません。

いつ頃、作られたの?
18世紀と考えられます。

ところで当時、水戸城では大火がありました。
復興のため、大量の瓦が必要となったことでしょう。
この際、多めに発注して、大手門の瓦塀に使った可能性があります。
瓦塀に使われている瓦が、新品だったからです。
それ以前は板塀だったのではないか、と関口さん。

戦のない18世紀、水戸徳川家の威厳を示すために作られたと思われます。

さて、小難しい話はこのくらいにして。
次回は、「写真で見る水戸城大手門の瓦塀」とでも題して、まとまりのない記事を、気楽に書こうかな?

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