冨山和彦さんの『なぜローカル経済から日本は甦るのか-GとLの経済成長戦略』を読みました。
図書館にお願いしておいて、忘れた頃に貸し出しされたので、人気があり、多くの方が既に読まれている本だと思います。
いろいろな企業の再建などを手掛けておられるだけあって、とても迫力があります。
Gについて書かれていることは、私もなんとなく感じていたことをズバッと分析されていて、小気味よいです。
冨山さんの大きな前提として書かれていること;
1.日本の人口が減少し、生産年齢人口が減少すること(これは、誰でも知っていることですが、これを前提に、本気で未来を描いている人は少ないのではないでしょうか)
2.G(グローバル)な世界で活躍する人も企業も日本全体からみたら、ごくわずかであること
3.これに対し、圧倒的にL(ローカル)な世界で働く人や企業数が多いこと
既に、本格的なG企業は、為替リスクを減らすことも考え、世界市場を睨んで生産工場なども各国に進出済で、かつてのように、組立加工産業のトップ企業の景気が良いからといって、その下請け仕事をしている中小企業等にも仕事が回り、経済全体が活性化するということはない(冨山さんは、これを「トリクルダウン」は、起きないという言い方をしています)。
アベノミクスで円安にして、自動車や電機メーカーが輸出で潤っても、その経済効果は少ないのであり、Gの世界とLの世界を明確に分けた経済政策を考えるべきと言われています。
そして、Gの世界の中で日本がメリットを得るためには、規制緩和や法人税率を引き下げるなどして、海外の企業も日本に拠点を設けたいと思ってくれるようにすべきだと提言しています。
日本の企業文化も透明性・効率性を高め、多文化共生的にすべきだし、外国人エリートが来たくなるような子弟の教育や医療の提供も必要としています。
そして、世界水準の大学や研究機関も必要だし、高度な人材が日本に来てくれるようにすべきとしています。
これらについては、全く賛成です。
先日、丸の内・大手町界隈に行きましたが、ビルが全部建て替え中です。人口減少のなか、こういうビルには、おそらく、内外問わない世界企業が入居するのでしょう。
日本の世界チャンピオン企業が世界で稼いで、日本に所得収入をもたらしてくれるのは有り難いことです。
でも、それは、日本全体からみたら、ごくわずかです。
冨山さんの数字によれば、非製造業の比率は、企業数で88.9%、従業員数では80.6%。非製造業の中小企業比率は企業数で88.4%、従業員数で60.4%です。
これらのLの世界(中小企業が多い)が日本の経済を担うわけですが、この世界で、本当に生き延びて行けるのでしょうか。
人口減少=需要減少のなかで、今でさえ、大型スーパーにやられて町の商店は大変ですし、これから需要が増す介護・福祉の分野では、低賃金・重労働で働いているのが現実です。
冨山さんは、このLの世界に注目し、これまでの中小企業政策(退出しないように生産性の低い企業を守る)を変えて、生産性の高い企業に集約が起こるようになれば、「日本はローカル経済から甦る」と言われています。
このLの世界について、もう少し考えてみたいと思います。
図書館にお願いしておいて、忘れた頃に貸し出しされたので、人気があり、多くの方が既に読まれている本だと思います。
いろいろな企業の再建などを手掛けておられるだけあって、とても迫力があります。
Gについて書かれていることは、私もなんとなく感じていたことをズバッと分析されていて、小気味よいです。
冨山さんの大きな前提として書かれていること;
1.日本の人口が減少し、生産年齢人口が減少すること(これは、誰でも知っていることですが、これを前提に、本気で未来を描いている人は少ないのではないでしょうか)
2.G(グローバル)な世界で活躍する人も企業も日本全体からみたら、ごくわずかであること
3.これに対し、圧倒的にL(ローカル)な世界で働く人や企業数が多いこと
既に、本格的なG企業は、為替リスクを減らすことも考え、世界市場を睨んで生産工場なども各国に進出済で、かつてのように、組立加工産業のトップ企業の景気が良いからといって、その下請け仕事をしている中小企業等にも仕事が回り、経済全体が活性化するということはない(冨山さんは、これを「トリクルダウン」は、起きないという言い方をしています)。
アベノミクスで円安にして、自動車や電機メーカーが輸出で潤っても、その経済効果は少ないのであり、Gの世界とLの世界を明確に分けた経済政策を考えるべきと言われています。
そして、Gの世界の中で日本がメリットを得るためには、規制緩和や法人税率を引き下げるなどして、海外の企業も日本に拠点を設けたいと思ってくれるようにすべきだと提言しています。
日本の企業文化も透明性・効率性を高め、多文化共生的にすべきだし、外国人エリートが来たくなるような子弟の教育や医療の提供も必要としています。
そして、世界水準の大学や研究機関も必要だし、高度な人材が日本に来てくれるようにすべきとしています。
これらについては、全く賛成です。
先日、丸の内・大手町界隈に行きましたが、ビルが全部建て替え中です。人口減少のなか、こういうビルには、おそらく、内外問わない世界企業が入居するのでしょう。
日本の世界チャンピオン企業が世界で稼いで、日本に所得収入をもたらしてくれるのは有り難いことです。
でも、それは、日本全体からみたら、ごくわずかです。
冨山さんの数字によれば、非製造業の比率は、企業数で88.9%、従業員数では80.6%。非製造業の中小企業比率は企業数で88.4%、従業員数で60.4%です。
これらのLの世界(中小企業が多い)が日本の経済を担うわけですが、この世界で、本当に生き延びて行けるのでしょうか。
人口減少=需要減少のなかで、今でさえ、大型スーパーにやられて町の商店は大変ですし、これから需要が増す介護・福祉の分野では、低賃金・重労働で働いているのが現実です。
冨山さんは、このLの世界に注目し、これまでの中小企業政策(退出しないように生産性の低い企業を守る)を変えて、生産性の高い企業に集約が起こるようになれば、「日本はローカル経済から甦る」と言われています。
このLの世界について、もう少し考えてみたいと思います。
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