本ブログを閲覧して戴き、感謝します。このブログは商業的な意図は全く無く、専ら悩めるユーザーと情報を共有するために記載したものです。我ながら不十分な内容となりましたが、今回で機材整備を一応終了し、今後は毎月末又は月初に魚突きと絡めた新規情報があれば投稿する程度にしたいと考えています。
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さて、改めてアクアスクータを使いこなす整備上の問題を振返ると、保管方法が一方の重要条件の様に思へる。
私自身は、毎月数日から10日程度までの遠征をし、様々な問題に遭遇する。帰宅後は整備に少々時間を取られるが、狭い共同住宅なので周囲に迷惑を掛けぬよう、作業にはかなり困難が伴う。
遠征先では最後に清水中で運転をし、燃料コックを閉じて停止し、ガソリンを空にして持帰る。
帰宅後は燃料チューブを抜くか、燃料タンクを乾燥させた上でエンジンが止まるまで運転する。全く始動しなくなるまで、暫く経ってからロープを引くことを繰返す。
プラグをパーツクリーナとワイヤブラシや歯ブラシで清掃し、場合によってはシリンダ内にオイルを滴下する。
空気タンク内も塩分を嫌って水洗いする。
排気口を解放し前後に傾きをつけて放置しマフラ内残留液の排出をする。
可動部への注油は、最近はマリンCRCを使う。ゴム部品に影響があるかどうか不安だったが、大丈夫なようだ。
その後たまに始動させてみるが、遠征前には必ず様子を見る。
この程度で、調子は良いぞ、問題ないなと思って遠征するが、現実は行った先で苦労するほうが普通だ。
予防整備としては、キャブ調整膜は半年から1年以内に交換している。排気バルブゴムカップは本体に半年毎に交換せよとのシールが貼られているが、普段取外して保管していることもあり1年で交換としていた。ホース排気式にしてからは、気にする必要もなくなった。
一方、海に囲まれた離島の仲間の例では、ほぼ必ず週末はアクアスクータを使用する。但し海は目の前にあり、半日程度で十分魚突きの目的を達してしまう。そして機材は必ずその日のうちに清水中で運転する。排気バルブは外して保管し、本体を逆さにして排気口からエンジン又はパーツクリーナを吹込み、始動して廃液を排出させる。これを2回繰返すから、その後廃液が殆ど出なくなる。残燃料を抜く。
週の半ばに1度始動させる。

こんな方法でキャブの調整膜も点火プラグも1年半にも亘って交換することなく、好調を保っている。
ところが同じ島に住む別の仲間は、同じく殆どの週末に使っているが、全くと言っていいほど手入れをしない。やはり使用後清水中で運転する、それだけ。排気バルブも装着したまま。やはり週の半ばに1度始動してみるだけ。
その替り、ちょっとおかしくなればすぐ本体をノリモノランドに送って整備してもらう。
費用を物ともせず以前は度々送っていたようだが、この数年はかなり安定している。
最近になってプラグ交換だけは仲間に促されて自分でした。
こんな、対照的な2人の例を見ると、私の努力など無駄なようにも思えてしまう。
或いは「週央に一度はエンジンを始動する」というのが効果ありということなのだろうか。余り間を擱かずに始動すると、キャブ内に滞留する燃料は新鮮で、ガソリン蒸発によるオイル濃度変化がなく、条件としては良いのは確かだ。燃焼室内も清潔を保てると思われる。
いずれにしろ、海で使う道具は、自分でトラブルに対処できなければ使いこなせない。是非とも自分でやる、という気で整備に当るべきだ。ノリモノランドに助言を求めたり、紹介してきた様々なHP情報も大いに利用できる。
追加で、DIY整備の参考になるページがあるので、この際紹介しておきたい。
2馬力船外機のメンテナンス
~プロペラ部のオイルシール交換・他(2)~
http://boatrockfish.web.fc2.com/engine_oil_seal_02.html
こちらは写真および図が非常に明快な、羨ましい出来栄えのHPで、技術的にも本機と近い船外機の技術なので、是非一読を薦める。
ほんの一例としてシール交換ページだが、またしても勝手にコピーさせて貰うと:

このような解り易い図や写真がある。
本ブログの初回・冒頭に紹介するべきだった?!記事を最後に紹介:
Paolo という、PescaSubApnea フォーラムでも活躍している人の、
i lovepescasub.com というHPに il tanto amato e odiato acquascooter=「大好きで嫌いなアクアスクータ」というページを作っている。
検索すればすぐ引っ掛かるが、一応URLは:
http://www.ilovepescasub.com/pesca-sub/2012/10/il-tanto-amato-e-odiato-acquascooter/
モトクロスなどのエンジニアとして活動しながら、魚突きの趣味と共にアクアスクータの整備に没頭してきたという人物なので、興味深い記述と写真がある。
こんな写真を見ると、本機への打ち込みようが半端ではないと解る=水上排気式

HPの内容自体はネットページから直接 Microsoft の翻訳 Bing などで日本語訳させると、やはり全く理解できない。そこで英語訳にすると、怪しいがどうやら意味が通じるので、一読を薦める。
一応その怪しい自動翻訳文の内容を少しだけ紹介すると:
「愛憎半ばするアクアスクータ」
70年代初期に特許を取得したJLOが360型として3000台ほど作り、その後Arkosが特許を買って400、450、500、最後に600型を作った。その後特許は Comer に売却され、650型が作られた。
Magnum型が開発されたが、トラブル多発でメーカの悪評もひどかった。私も設計技師に意見を伝えたりしてあれこれの改善がなされ、SuperMagnumが完成した。
外観は650型と変わらないが、エンジンはピストンの直径を増し、コンロッドを長く、クランク室の容積を減らしクランクのカウンタウエイトの形状を変えて慣性力を強めた。回転数も前と同じだが低回転から出力を発揮するものだ。
元々ピストンの不均一な熱膨張で潤滑不良のトラブルが頻発していたアクアスクータだが、新たなニッケルメッキを施し、シリンダ/ピストンの寸法差を大きくすることで潤滑不良をクリアした。その分圧縮が上がらないので出力は低下するが、全体の出力増加で補った。
650型は遊び用、スーパーマグナムはよりスポーツ向きというか勝負向きという位置づけだが、勿論業務用としては使えない。
本機の改良は常に考えられているので、今後も変化はある筈だ。
なお、メンテナンスは140~180時間使用または2年毎に必要とされているが、もっと頻繁に、常にDIYで注意を払わねばならない。キャブの流量調整膜、コンロッドの大端部クランクシャフトベアリング、振動劣化による浸水などがある。(以上)
*********
魚突き実戦
アクアスクータでの魚突きは非常に有利で、それ故に妬まれて悪く言われることが稀にある。それは本国のイタリアでも同様だという。しかしこれもボートダイビングなど散々利用されている各種移動手段の一であり、何ら遠慮することは無い。
実地での魚突きに当っては、重複するが、既に触れたことなどと合わせて効率的に、安全に利用して欲しい。言わずもがなだが、私の実践の例としては次の様なもの:
1、魚種による本機の使い方
好奇心旺盛な魚には、ぎりぎりまで本機を使う。カンパチは盛大な泡と騒音を撒き散らしながら走っているこちらを並走しながらわざわざ覗きに来ることもある。カンパチの季節には、取敢えず姿が見えなくても、ぐるぐる走り回ってから停止してしばらく様子を見るのも良い。アカハタなどは岩の下にいるものが、騒ぎにつられて何だ何だと出てくる事も多い。一旦通り過ぎて数分後に戻ってくると姿が見えたりする。
一方、ヒラマサなどは気配を感じたら、音無しの構えで待つしかない。本来好奇心旺盛な石物も本機の騒音は苦手のようだ。
通常はどちらにしても魚が見えたら停止して様子を見るべきだろう。
2、サメが付きまとってくる場合もエンジンを吹かして突っ込んでいけばさすがに退散するが、常にうまくいくとの保証はない。ボディーボードなどを曳航し、獲物を載せてしまえば安全だ。
3、本機をフロート替りにはしないこと。必ず別にフロートかボードを曳いて行く。再始動できない時にボードに載せて楽に戻ることは既に紹介した。
獲物狙いで長時間停止中は、気付かなかった浸水でやられぬよう、出来る限りボードなどに載せておく。締付けたつもりのスノーケルが緩んでいて浸水した経験も何度かある!
4、銛とフロートを繋ぐフロートロープはアクアスクータで移動中は折返しになるので絡まりを心配しなければならない。途中に獲物を通したままにすると、走行に伴って魚が回転し、ロープがひどく捻じれてしまう。
必ずロープ端を目串の形にするか、ストリンガと呼ばれる金属環に獲物を通してフロートにぶら下げた形にする。勿論ボード上に網袋を付けて獲物を入れても良い。
5、フロートロープがナイロンテグスの場合は、どうしても捻じれやすいので、サルカンを巧く使ったり、テグスが走行中も折り返しにならぬようリールを使うなど工夫が必要。
テグスが全体の長さの半分を超えると、折り返し点で絡まるから、手許の7m程だけテグスにし、あとはポリエチレンロープなどを使う。
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冒頭にも記した通り、本ブログは終了したと理解して戴き、この後は月例ブログ的に、毎月末または月初にその間の本機の調子、漁獲情報など特記すべきことがあれば投稿するつもりです。
Blog 第19回 整備関係 終了 =小坂夏樹=
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さて、改めてアクアスクータを使いこなす整備上の問題を振返ると、保管方法が一方の重要条件の様に思へる。
私自身は、毎月数日から10日程度までの遠征をし、様々な問題に遭遇する。帰宅後は整備に少々時間を取られるが、狭い共同住宅なので周囲に迷惑を掛けぬよう、作業にはかなり困難が伴う。
遠征先では最後に清水中で運転をし、燃料コックを閉じて停止し、ガソリンを空にして持帰る。
帰宅後は燃料チューブを抜くか、燃料タンクを乾燥させた上でエンジンが止まるまで運転する。全く始動しなくなるまで、暫く経ってからロープを引くことを繰返す。
プラグをパーツクリーナとワイヤブラシや歯ブラシで清掃し、場合によってはシリンダ内にオイルを滴下する。
空気タンク内も塩分を嫌って水洗いする。
排気口を解放し前後に傾きをつけて放置しマフラ内残留液の排出をする。
可動部への注油は、最近はマリンCRCを使う。ゴム部品に影響があるかどうか不安だったが、大丈夫なようだ。
その後たまに始動させてみるが、遠征前には必ず様子を見る。
この程度で、調子は良いぞ、問題ないなと思って遠征するが、現実は行った先で苦労するほうが普通だ。
予防整備としては、キャブ調整膜は半年から1年以内に交換している。排気バルブゴムカップは本体に半年毎に交換せよとのシールが貼られているが、普段取外して保管していることもあり1年で交換としていた。ホース排気式にしてからは、気にする必要もなくなった。
一方、海に囲まれた離島の仲間の例では、ほぼ必ず週末はアクアスクータを使用する。但し海は目の前にあり、半日程度で十分魚突きの目的を達してしまう。そして機材は必ずその日のうちに清水中で運転する。排気バルブは外して保管し、本体を逆さにして排気口からエンジン又はパーツクリーナを吹込み、始動して廃液を排出させる。これを2回繰返すから、その後廃液が殆ど出なくなる。残燃料を抜く。
週の半ばに1度始動させる。

こんな方法でキャブの調整膜も点火プラグも1年半にも亘って交換することなく、好調を保っている。
ところが同じ島に住む別の仲間は、同じく殆どの週末に使っているが、全くと言っていいほど手入れをしない。やはり使用後清水中で運転する、それだけ。排気バルブも装着したまま。やはり週の半ばに1度始動してみるだけ。
その替り、ちょっとおかしくなればすぐ本体をノリモノランドに送って整備してもらう。
費用を物ともせず以前は度々送っていたようだが、この数年はかなり安定している。
最近になってプラグ交換だけは仲間に促されて自分でした。
こんな、対照的な2人の例を見ると、私の努力など無駄なようにも思えてしまう。
或いは「週央に一度はエンジンを始動する」というのが効果ありということなのだろうか。余り間を擱かずに始動すると、キャブ内に滞留する燃料は新鮮で、ガソリン蒸発によるオイル濃度変化がなく、条件としては良いのは確かだ。燃焼室内も清潔を保てると思われる。
いずれにしろ、海で使う道具は、自分でトラブルに対処できなければ使いこなせない。是非とも自分でやる、という気で整備に当るべきだ。ノリモノランドに助言を求めたり、紹介してきた様々なHP情報も大いに利用できる。
追加で、DIY整備の参考になるページがあるので、この際紹介しておきたい。
2馬力船外機のメンテナンス
~プロペラ部のオイルシール交換・他(2)~
http://boatrockfish.web.fc2.com/engine_oil_seal_02.html
こちらは写真および図が非常に明快な、羨ましい出来栄えのHPで、技術的にも本機と近い船外機の技術なので、是非一読を薦める。
ほんの一例としてシール交換ページだが、またしても勝手にコピーさせて貰うと:

このような解り易い図や写真がある。
本ブログの初回・冒頭に紹介するべきだった?!記事を最後に紹介:
Paolo という、PescaSubApnea フォーラムでも活躍している人の、
i lovepescasub.com というHPに il tanto amato e odiato acquascooter=「大好きで嫌いなアクアスクータ」というページを作っている。
検索すればすぐ引っ掛かるが、一応URLは:
http://www.ilovepescasub.com/pesca-sub/2012/10/il-tanto-amato-e-odiato-acquascooter/
モトクロスなどのエンジニアとして活動しながら、魚突きの趣味と共にアクアスクータの整備に没頭してきたという人物なので、興味深い記述と写真がある。
こんな写真を見ると、本機への打ち込みようが半端ではないと解る=水上排気式

HPの内容自体はネットページから直接 Microsoft の翻訳 Bing などで日本語訳させると、やはり全く理解できない。そこで英語訳にすると、怪しいがどうやら意味が通じるので、一読を薦める。
一応その怪しい自動翻訳文の内容を少しだけ紹介すると:
「愛憎半ばするアクアスクータ」
70年代初期に特許を取得したJLOが360型として3000台ほど作り、その後Arkosが特許を買って400、450、500、最後に600型を作った。その後特許は Comer に売却され、650型が作られた。
Magnum型が開発されたが、トラブル多発でメーカの悪評もひどかった。私も設計技師に意見を伝えたりしてあれこれの改善がなされ、SuperMagnumが完成した。
外観は650型と変わらないが、エンジンはピストンの直径を増し、コンロッドを長く、クランク室の容積を減らしクランクのカウンタウエイトの形状を変えて慣性力を強めた。回転数も前と同じだが低回転から出力を発揮するものだ。
元々ピストンの不均一な熱膨張で潤滑不良のトラブルが頻発していたアクアスクータだが、新たなニッケルメッキを施し、シリンダ/ピストンの寸法差を大きくすることで潤滑不良をクリアした。その分圧縮が上がらないので出力は低下するが、全体の出力増加で補った。
650型は遊び用、スーパーマグナムはよりスポーツ向きというか勝負向きという位置づけだが、勿論業務用としては使えない。
本機の改良は常に考えられているので、今後も変化はある筈だ。
なお、メンテナンスは140~180時間使用または2年毎に必要とされているが、もっと頻繁に、常にDIYで注意を払わねばならない。キャブの流量調整膜、コンロッドの大端部クランクシャフトベアリング、振動劣化による浸水などがある。(以上)
*********
魚突き実戦
アクアスクータでの魚突きは非常に有利で、それ故に妬まれて悪く言われることが稀にある。それは本国のイタリアでも同様だという。しかしこれもボートダイビングなど散々利用されている各種移動手段の一であり、何ら遠慮することは無い。
実地での魚突きに当っては、重複するが、既に触れたことなどと合わせて効率的に、安全に利用して欲しい。言わずもがなだが、私の実践の例としては次の様なもの:
1、魚種による本機の使い方
好奇心旺盛な魚には、ぎりぎりまで本機を使う。カンパチは盛大な泡と騒音を撒き散らしながら走っているこちらを並走しながらわざわざ覗きに来ることもある。カンパチの季節には、取敢えず姿が見えなくても、ぐるぐる走り回ってから停止してしばらく様子を見るのも良い。アカハタなどは岩の下にいるものが、騒ぎにつられて何だ何だと出てくる事も多い。一旦通り過ぎて数分後に戻ってくると姿が見えたりする。
一方、ヒラマサなどは気配を感じたら、音無しの構えで待つしかない。本来好奇心旺盛な石物も本機の騒音は苦手のようだ。
通常はどちらにしても魚が見えたら停止して様子を見るべきだろう。
2、サメが付きまとってくる場合もエンジンを吹かして突っ込んでいけばさすがに退散するが、常にうまくいくとの保証はない。ボディーボードなどを曳航し、獲物を載せてしまえば安全だ。
3、本機をフロート替りにはしないこと。必ず別にフロートかボードを曳いて行く。再始動できない時にボードに載せて楽に戻ることは既に紹介した。
獲物狙いで長時間停止中は、気付かなかった浸水でやられぬよう、出来る限りボードなどに載せておく。締付けたつもりのスノーケルが緩んでいて浸水した経験も何度かある!
4、銛とフロートを繋ぐフロートロープはアクアスクータで移動中は折返しになるので絡まりを心配しなければならない。途中に獲物を通したままにすると、走行に伴って魚が回転し、ロープがひどく捻じれてしまう。
必ずロープ端を目串の形にするか、ストリンガと呼ばれる金属環に獲物を通してフロートにぶら下げた形にする。勿論ボード上に網袋を付けて獲物を入れても良い。
5、フロートロープがナイロンテグスの場合は、どうしても捻じれやすいので、サルカンを巧く使ったり、テグスが走行中も折り返しにならぬようリールを使うなど工夫が必要。
テグスが全体の長さの半分を超えると、折り返し点で絡まるから、手許の7m程だけテグスにし、あとはポリエチレンロープなどを使う。
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冒頭にも記した通り、本ブログは終了したと理解して戴き、この後は月例ブログ的に、毎月末または月初にその間の本機の調子、漁獲情報など特記すべきことがあれば投稿するつもりです。
Blog 第19回 整備関係 終了 =小坂夏樹=