遠征での本機の調子と事後整備
2月の小笠原遠征で「排気ホース式アクアスクータ」2台を持って行ったが、1号機(主機)がさっぱり使えず、調子が良かった2号機(予備機)ばかりを10日に亘って使用した。
しかしいつもの様に問題もあり、
①曳航したボードに載せておいたにも拘らず水面で始動出来ずクランク室に少量浸水していたことがあった。空気ポンプで排気ホースから加圧し、プラグ孔から漏れているらしいと気付き、プラグを締め直した。何度もプラグを交換したり点検した過程で充分締付しなかったかもしれない。
②短時間停止しただけなのに水面で始動出来ず、ボートに乗船して、空中で試したら、何事も無く始動したことがあった。
排気ホース
これまでも排気ガスを自分が吸ってしまうという悩みを紹介してきたが、これも現地イタリアの真似で、ホースを短く切り、本体スノーケル上の方で横向きに排気してみた。以下の写真だが、実際には、結束バンドに加えてビニテープでホースが回ってしまわぬよう押へている。


現場で切取っただけだが結果は良好で、自分が排気ガスを吸ってしまう事はほぼ無くなった。
心配した廃液は、自分には掛からないが、やはりホースから飛散し、またホース伝いにどろりと垂れてくる。赤旗にも掛かってしまう。その上、陸上でうっかりすると、傍の車や壁に飛び散る廃液が附着してしまうから、向きを考えて始動させる必要がある。
一応このままで充分使い物になると私は感じているが、今後はホース端の形状・位置を改善、或いは気水分離缶を途中に設けるなどを検討したい。
そもそもこうした排液が排気口から海中に放出される事自体が問題だが、ホース式にすることで、より一層目立ってしまう。
マフラ内廃液
10日間使用した予備機を持帰って始動したところ、このような、水と緩い粒状の残滓が出てきた。まあこれは正常な範囲だろう。

排気ホースからガソリンを100cc程注入してマフラ内を濯ぎ、排出したところ

内部にはかなり残留しているらしく、高低差をつけておくとどろりとした廃液がまだ出て来る。100cc程度のガソリンでは不十分というか、時間を掛けてもっと濯ぐべきらしい。

20時間程度使用したプラグの状況も点検 きれいではないが、いつもこんなものだ。BP2HSを使用

パーツクリーナで吹いてブラシで擦ったが、殆ど汚れは除けない。

こちらは調子の悪く使用できなかった主機だが、自宅では簡単に始動した。正に本機の不安定さを印象付ける状況だ。当然ながらマフラは空っぽで、このように吹かしても廃液はまだ出て来ない。

その新品だったプラグはかなり汚れていたが、燃焼が不調だからこの状態になり、更に始動性が悪くなったのだろう。

この場合は同様にクリーナで吹いてブラシで擦ったところ、かなり汚れを取除くことが出来た。プラグが焼ける程の運転が出来なかったから当然か。

この主機については、キャブの状態など今後点検しなければならない。
梵天ロープの取回し
本機の運転中は、銛を脇に挟んだりハンドルと一緒に掴んで移動する。この時、銛と梵天或いはボードを繋ぐロープは、流されて途中で折返してくる。これがなかなか悩ましく、時によっては捩れたり、絡まってしまう。テグスは元々の巻きぐせがあるので折り返しになると特に絡みやすいため、私の場合はテグスを銛の手元5m~7mだけにしている。
また、ロープの後端には戻り止めを付けて梵天に繋ぎ、獲物を通しておくが、走行すると兎角獲物がくるくる回転し、手元のテグスやロープに巻付いてしまう。
これを防ぐには、ロープを留めるフックを増設し、獲物を通したら、戻り止め部のロープを引掛けて輪状にしてしまう。
戻り止めが無く、また輪状にもしなければ、走行と共に獲物はロープの折り返し点まで押し戻されてそこでくるくる回転し、ロープ全体がよじられてしまう。
ところで、最近になって仲間の梵天ロープが矢鱈と捻じれてしまうとの話があった。私と同じポリエチレンの三打ロープだけを使っても、折り返しで捻じれてしまうという。
そんな話をしているうちに、別の仲間の方式が好調だと分り・・・・真似したという。それは、「遊動式梵天ロープ」というべきものだ。勝手に紹介してしまうと:

銛は梵天ロープの先端に接続するが、そのロープにゆるい摺動環というか遊動環=スナップ環などを通して本機を繋ぐ。始動して走ると水の抵抗で梵天がひっぱられ、ロープは一杯に伸びた状態になる。ここで停止し銛を掴んで潜ればロープは梵天を曳きながら遊動環を滑ってくる。スクータの抵抗は掛からない。ただし走行するときは銛は遊動環まで引かれてしまい、思うように動かせないので、適当な位置に結びこぶ或いはストッパーを設けて抱えた銛に梵天の張力が掛からぬようにする。
普通の三打のPEロープでも構わないが、チューブに通した(高価な?)ロープだとより滑りが良いと云う。
使い心地は大変良いとのことだったが、この方式だと超大物を突いた時に先に本機が引込まれてしまわぬよう、遊動環から本機までのロープ長を長くする必要がありそうだ。しかしそうすると絡まったりしそうで厄介な感じがする。また、癖が付くテグスは使いづらそうだ。
アクアスクータの発送
近年は遠征先などへ道具を送ろうとして、内容物を「潜水用具」と言ったが最後、何だ何だとしつっこく詮索される。
本機の航空輸送は不可で船輸送が頼りだ。ところが、最近船便しかない離島宛であるのに、郵便局で「アクアスクータ」と云ったら[電池は?]とか、[燃料は?]とか更にうるさい。[スクーバのタンクは駄目だ]とか余計なことも言う。空気タンクが輸送中に爆発した??ことは寡聞にして知らぬが、禁止品目は一覧表になっているので、該当品があるかどうか申告さえすれば事足りる筈だ。
ところが窓口では[内容物を全部!言へ]とまで要求された。馬鹿じゃなかろうかと呆れながらロープだゴムだ銛先だと言いかけて、「30点もの用具が入っているのだから冗談じゃない」と途中で文句を言って切上げた。その後集荷局から更に確認の電話まで来て、今度ははっきり抗議して済ませたのだが、遠征前に気分を悪くした次第だ。
この様に「潜水用具」という表示には異常に反応するから、その表現をせず内容物は例へばポンプとかモータとかにしておいたほうが良さそうだ。エンジンはモータとも言うので、偽りではない。勿論燃料は完全に抜いておかぬと何かあった時には問題にされてしまうだろう。
なお、ヤマトは元々航空便を使わず、こんな異常な態度は取らないが、宅急便には重量と寸法制限がゆうパックより小さいという問題がある。ヤマト便は制限なしで安いが、こちらは所要日数が多くなる。
以上、遠征の疲れでぐったりと休養中につき、不要不急の情報を投稿しました。
Blog 第33回 遠征での使用・梵天ロープ取回し 終り =小坂夏樹=