http://xn--gmq27weklgmp.com/2016/12/28/post-5826/より転載
歴史に不誠実な安倍首相に食い散らかされる「歴史的偉業」
2016年12月28日 天木 直人
日米両国首脳による広島・真珠湾の相互訪問は、本来ならば、誰もがもろ手を挙げて歓迎する歴史的偉業のはずだ。
...しかし、今度の安倍首相の真珠湾訪問は、手放しで喜べない。
これだけメディアが称賛一色の報道をしているというのに、である。
これだけ安倍首相の慰霊演説が、美辞麗句で埋め尽くされているというのに、である。
なぜか。
答えは明瞭だ。
よほど馬鹿な日本人でない限り、それを知っている。
その理由は、安倍首相が、歴史に不誠実であるからだ。
単なる無知なら、まだ可愛い。
自分に都合のいいところだけをつまみ食いし、「歴史的偉業」を独占しようとするから、たちが悪い。
よほど10年前の「敵前逃亡」がトラウマになっているのだろう。
あの汚名を払しょくするために、これでもか、これでもか、と「歴史的業績」づくりに狂奔しているに違いない。
何をやっても、あの時の汚名は消せないというのに。
◆
慰安婦問題の不可逆合意もそうだった。
村山談話を焼き直した安倍談話もそうだ。
そして今度の真珠湾訪問である。
今度の訪問を持って、「戦後の総決算」などと僭称する。
東京裁判を米国の不当裁判と非難し、それを否定することが戦後レジームからの脱却だと言い張っていたのは、どこのどいつだ。
歴史に不誠実な政治家を首相に持った日本国民は不幸だ。
その、歴史に不誠実な首相が、歴代の首相がためらってきた「歴史的偉業」に次々と手をつけ、食い散らかしていく。
これまでの首相はいい面の皮だ。
これからの首相は、やることがなくなる。
しかし、いかさまは、所詮いかさまだ。
必ず、もういちど、正しい政治家の手によって、やり直し、されなければいけない時が来る。
歴史に不誠実であるかぎり、歴史に逆襲されることになる。
どんなに安倍首相が自画自賛し、メディアがそれに面従腹背して礼賛しても、物事のわかっている大多数の日本国民が、鼻白む理由がそこにある(了)
***************************: