「給料が出せねえ」。
日本の発展を支えて来たのは、名もなき無数の技術者たちです。
「羽田上空の飛行機から図面を投げれば、着陸した時には製品ができている」と評されるほど技術力の高い町工場で働く人々がいます。
しかし不況のあおりで満足なお給料を手にすることが出来ない現状。
アベノミクスで日本は豊かになったのでしょうか。「豊かになっている」という人に、私は会ったことがありません。
物価は上がり、消費税は上がり、保険料は上がり、実質賃金は、下がっています。
日本の工業、産業を守るのならば、名もなき仕事人の生活を守ることが第一です。
路地を歩くと、そこかしこから「ガガガッ」と金属を削る音が聞こえてくる。東京都大田区南部
<この2年私たちは 衆院選> 町工場に円安しわ寄せ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014112602000134.html
路地を歩くと、そこかしこから「ガガガッ」と金属を削る音が聞こえてくる。東京都大田区南部の住宅地には、一階が作業場、二階が住居の町工場が点在する。「羽田上空の飛行機から図面を投げれば、着陸した時には製品ができている」と評されるほど技術力の高い工場が多い。「蒲田の町工場」ともいわれる、都内有数のものづくりの集積地だ。
「冗談じゃねえ。大企業ばかりもうけさせて」。衆議院解散の前日の二十日、地域の一角にある工場で木戸群市さん(69)が憤った。横ではテレビから「円相場は下落し、一ドル一一八円台後半で取引されました」とニュースが。「円安のしわ寄せは、わしらがかぶっている」。木戸さんが吐き捨てるように言った。
木戸さんの工場では、輸入したアルミなどの原材料から工作機械のネジや金具を作っている。円安のあおりで原材料費は値上がりを続ける。例えば研磨用ネジでは、第二次安倍政権発足前の一本六千五百円が、八千円になった。
「これでは給料を上げられないし、ボーナスも出せない」。木戸さんは二人の従業員に目をやり、悲しげに話した。